副業選んでるけど……Gって怖いよね
完全未来予知ってソレって最早未来視に近い存在だろ……
と言うか、そんな相手にどうやって勝つんだよ……
未来視が出来そうなノアさんは沈黙を保ってるし……しばらくは起きそうもないな……
けど、未来視もただで使えるわけじゃないだろう?
そこを突けばあるいは……いや、別にコイツの能力が未来視だけど決まったわけじゃない上に……他の能力が何か全くわからないのが問題だ……
恐らく占い師の役割的にバッファーの可能性がとても高いだろう……俺の場合はバフとかかかるのか微妙なラインだな……なんせ、アザトースの魔法封印刻印は魔力の連結を解除にする能力であり……他者から魔力を通したバフを受け取る際でもコレは適応されてしまうのではいだろうか?
ついでにデバフも……まぁ、コレに関しては知らない奴の度肝を……抜けるか?
地味に微妙じゃね?だってバフ・デバフを弾くだけでソレ以外は大地魔法と撃った魔法を喰らって無限再生を繰り返すけど、決め手に欠ける攻撃してこない地龍が今更『バフ・デバフを弾く』程度
へーそうなんだあ、の一言で片付いてしまうから怖いよな
まぁ、どっちでも…
「あ、一つ言っときますが【女王】他者からの魔法的・魔術的干渉を弾きますよ?なんせ女王は前線に立って後ろの者達に力を分け与えないといけませんからね。」
オウジーザス、元々弱い俺にこれ以上弱体化して何の意味があるんだい?
と言うか逆に俺がアイツらに守って欲しいんだけど、なんせ俺アイツらの十分の一以下の実力しかないからな!
別に自慢できることではないが……
けどまあアイツらが強いのは事実だし俺バフ・デバフは扱えないし、と言うかバフ・デバフなんかの複雑な魔術はノアの補助なしには使えないし……というか合ったとしてもできるかどうかは非常に微妙なんだよね……
まぁ、デバフを弾くって言うのがわかっただけでも十分か……
「あ、あと他者に施しを与えなければいけないので回復系アイテムや食事をしても満たされることはありませんよ?」
おい、俺を餓死させる気か?
いや、満腹度は大丈夫だろ、コイツが言いたいのはHIT Point略式名称HPだ…
けど、この世界にHPバーなんて殊勝なもんは存在しない、あったとしても多分俺は気にしないで走り続ける、まぁ半分くらいチートな回復方法が存在するから突っ込めるけど……
体は動けるけどHPバーは空になったら俺どうなるんだろう?
検証の仕様がないからまだなんとも言えないけど………まぁ、多分碌なことにゃあならないだろう……
「さてと、そろそろ次のカードへ行きませんか?」
……なんだろう地味に馬鹿にされた気分がするのは何でだろう?
まぁ、いいや、確かに死ぬ程時間が押しているのは事実だし…と言うか、下手したら今度はアイツらにボコされるのでは?
と言うか命の源泉を使えるか今は微妙なんだよなあ
何でって?恐らくだけど命の源泉とかってノアがエネルギーの配分を全部うまく調整していたから、今まで何とか成り立っていたんだろうけど……今ノアは長期休暇中だから下手に自分で命の源泉を発動させると自滅する可能性すらあるんだよね……
まぁ、良いや、取り敢えず次のカードに行きますか
そう考えながら次のカードに行こうとすると
「次は趣向を変えてみますか……」
そう言って先程あった、【女王】のカードを除いた三十二枚のカードが今度は十二枚に纏まり、そして机の上で机の淵をなぞる様に置かれ始める
「今度は完全にランダム設定になっており……どれを引いても正しく運次第によって内容が変わります」
へえ、先刻はどれが良いか考えればわかったけど、今度は『運』に頼らないといけないのか……【女王】で運はカンストしてるし……多分良いのは引けるだろう、ここは誕生月の五月の部分を引こ……
そう考えていると
「ガサガサガサガサ!」
カードがGの名を冠するアレの如く動き回る
「……あ、一つ言い忘れてましたがコレは自動走行機能付きです」
うん、タヒね……
正直口をついて悪口が飛びそうな程ブチギレそうになった、取り敢えずそんな大事なことは先に言おうか?
今更言ったところで初動遅れたからかなりの損失だぞ?
と言うかマジでコイツGみたいだな……なんせ動き方が完全にソレだもん……しかも挙動が独特でしっかりと目で追ってないと時々見失いそうになる特殊な走り方をしている……
これ一つのカードを取ろうとせずに適当に何かを掴もうとした方が可能性高くないか?
白や鈴山とかなら簡単に掴めるだろうが一般ピーポーな俺にはこの速度を掴むなんて出来ないよ、と言うか机を蹴り上げて掴んでもいいが、もし失敗した場合部屋の中を縦横無尽に動き回られる可能性があるから軽く俺が死ねる……と言うかコイツGみたいな動きしてるやつを目の前で見ながら一ミリも驚いてねえ
いや、自分でやったから驚かないのは当然か?
さてと、おりゃあ!!
「ぜえぜえぜえ……」
Gって核爆弾落としても死なない上に相当動き早いから捉えづらいよね?
もしそんなのが机の上で逃げることに注力したら三十分くらいは軽く食われるよね……
もう三年分くらい運動した気がする、コレが試験じゃダメですか?
あ、ダメですか?
肩で大きく息をしながら手に取ったカードの説明を読もうとすると
「ん?」
カードの裏にもう一枚カードがあった、コレどう言うこと?
「ああ、たまにあるんですよね、カードを一枚引くと二枚入りだったってことが」
そうか、とはなりづらいが…まあ、俺に取ってみれば当たりなので甘んじて受け入れることにした
「えっと……手に入れたカードは【影法師】と【陰陽】?何じゃこりゃ?」
副業の名前自体に疑問はない…が、俺が疑問を呈したのはそこではない
「能力書いてなくね?」
そう名前が書かれてるだけで能力が全く書かれていないのだ……コレは一体どう言うことだ?
「副業のカードは正しくその人の戦闘経験です、そこから個人情報や貴重な狩場などが漏れ出ない様にする為に、副業のカードは特殊な職種と訓練を受けた人物にしか読めない様になっていますが……良いでしょう特別に私の視覚を貸与しましょう」
そう言って自分の目元に手を寄せたと思った瞬間に指先が仄かに明るみのある光に変わり、そして此方の目元に指が届いて……
「うっそお、マジで見えるんだけど……」
そう最初は本当に見えるか疑心暗鬼であったが、光が目の中に侵入してくると言う恐怖体験をノンストップで体験させられた後、差し出されたカードを見つめると
【影法師】
能力…影を踏み抜いた相手の身体機能を一時的に奪うことができる、影に生きる者のため光の属性に弱い
【陰陽】
太陽と月が出ている間共通して『強く』なる
上限は存在する上に一月に一度上昇値はリセットされる
陰と陽は能力が違う
どちらもバフを絶対に受け取れる
太陽と月を浴びれば身体機能を回復できる
『陰』
防具貫通
『陽』
武器貫通
……ほおほお、まーた当たり属性を手に入れてしまった様だな!
まぁ、影法師はともかくとして陰陽はかなりの当たり副業だと思うな、しかも陽は俺の衰咎ととても相性が良いと思う、多分…
まぁ、取り敢えず今日は帰るかー、流石にそろそろ日も暮れてきて、此処からS級十人抜きとかしたら頭のネジが外れてめんどいことになりそうだから
今日は帰ってゆっくり休んで……
そう考えていたら
「じゃあ、また塗りましょうか?」
あ、またすか?
暗幕の中ではまた、何とも言えぬ喘ぎ声が小一時間響いたそうな
「ゼェゼェ、また酷い目に遭った……」
そう言いながら血液を抜かれた時とは違う疲れからカーペットにダイブする
「おお、ようやく終わったか……ふあああ」
邪ソンが如何にも眠たそうに軽く欠伸を噛み殺している
「眠いのか?」
少し気になってそう質問すると
「今何時だと思ってる?月が真上を仰いでるわ」
………マジすか?そりゃあ眠くなるわけだ、地龍は弱い種族という、龍がそんなんで良いのか?みたいな特性を持っている為に常に警戒するためか睡眠はあまり取らなくても大丈夫な体質になった、勿論疲労が蓄積しすぎるとこの前の二の舞になりかねないので流石にちょくちょく睡眠はとっているが、ソレでも眠くなりにくいので時間の感覚が時々バグる……
まあ、地龍としては正解なのかもしれないが俺からしてみると何度も微妙な声を漏らさざるを得ない
まぁ、自分で意識して眠れば何ら問題ならないとは思うがな
「では、またの機会に!」
そう明るく告げて件の占い師は暗幕ごとテレポートしていった、テレポートって異世界だねえ……
そう考えながら立ちあがろうとした時に
「ああ……すいません、少し用事が立て込んでしまって来るのがかなり遅れてしまいました!えっと、私が副業を授ける地龍の冒険者とは貴方ですよね?」
えっと、話が飲み込めないんですけど?
と言うか、この少し人の良さそうな中年男性が占い師?少し占い師のイメージが大暴落しているんですが?
個人的には占い師ってミステリアスで何処か大人気がある格好良い人達がなるもんだと思ってたけど、コイツが占い師になれるなら俺でもなれるんじゃね?と言う気持ちが湧いて来るがソレを何とか抑え込んで
「あ、いえ別の人が来てくれたんで俺はコレで帰ります失礼しました。」
そう早口で言いながら白を横脇に抱えながら入り口からとっとと入り口から走り抜ける
「全く……アイツは何だったんだ?」
この『アイツ』には二つの意味がある
まずは、どうしてあんなに弱そうな占い師が来たのか……正直言いたくないがクイーンズブレイドに副業を与えるには相当弱そうに見えたが……
そして二つ目は
俺に副業を授けた女占い師は何だったのか?
一応心当たりがなくもないが、ソレに関しては今のところ情報が少なすぎるし、あまり考えられない考察なので一旦地平線の向こう側に捨てることにしている
「全く今日は疲れたよ……」
おかしいな、本来であれば職業を決めたらすぐにでもS級冒険者を十人抜きしようかと考えていたのだが、コレだと戦うどころか相手を観察する時間すらなく日を跨ぐ羽目になりそうなので年下のガキ達を回収してからどうするかゆっくりと考えていこう
そう考えて邪ソンに声をかけようとして
「あれ?『蒼』は?」
いきなり……いや、大分時間をかけてしまっていたし俺の預かり知らぬ所で帰ったのかもしれないが
『蒼』がいなくなっていた
「ああ、なんかどうしても外せない用事があるから、お前には悪いが一旦帰らせてもらうって言って帰ったぞ」
なるほど、確かに月が真上を仰ぐまでずっと副業選択をしている阿呆には流石に付き合いきれなくて帰ったってことか………
まぁ、戦闘狂(?)の白でさえ、こんな無防備な寝顔を晒してる当たり本当に疲れたのだろう
なんせ、今日はずっと付き合わせていたからな…
そう思って音山達を回収してから帰ろうと考えていた所
目の前からとんでもない気配を内包する女性が出てきた
一瞬俺は夢でも見ているのか…?と思いもしたが、すぐにソレを否定する、夢ならばこんな肌に突き刺す様な警鐘を頭は鳴らさないし、さらに言えば相手が舌打ちをするなんてあり得ないだろう
と言うか今の癖何処かで見たことがある気がする…
まあ、そんな馬鹿なことを考えていたら一瞬で首を刎ねられそうなので警戒しながら相手の挙動を観察していると
「………何?」
そう言いながら砂色の外套の下から禍々しい鎌が此方に凶悪な光を漏らしながら此方の命を狩らんとしている
オウジーザス!アザトースと同格じゃねーか
あれ?この世界の人って誰彼構わずアザトース並みに強いのか
アザトースと同じくらい強いやつが出て来るこの世界が頭おかしいのか……
何だろう、強いやつが出てきすぎて頭が少し麻痺してきたな……
そんな馬鹿なことを考えながら
「あのさあ、アンタどうして此方に刃を向ける?別に俺たちアンタと戦いたいわけじゃないんだよ!」
そう言うと相手の刃が一瞬ブレたと思ったら一定の場所で停止する
クソッ、此処でも戦闘イベントに突入しなきゃいけないのか?
はあ……と一瞬ため息を吐きながら相手を観察し直してみる
相手が纏っているのは砂色の外套であると言う事実には変わりないが、内側の服は随分と汚れて、尚且つ破れている、まるでいろんな場所を歩いてきたと言う雰囲気を纏っているが
この世界にしては珍しく仮面をしていない
まぁ、俺の世界だと仮面つけている方が珍しいけどな…
仮面つけるタイミングなんて、ソレこそ仮面舞踏会か?
しかし、俺は気づいていなかった、何故こんなにも呑気に考え事ができていたのか、そして何故相手の行動を癖と見抜けたのか……
「お兄?」
妹ちゃん此処で出しちゃえー!
(後で後悔するパターン)




