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クソゲーが

「で、クイーンズブレイド入団の方法についてだがな……」

体を前のめりにしながら相手の一挙手一投足に全神経を尖らせて次の言葉を今か、今かと待ち望んでいると

「ギルドの試験で君はレートS級の冒険者をノーダメ、ノーデスで合格しないといけない」

はて?俺の耳は腐り落ちたのかな?今とんでもない言葉が飛び出したのだが?

「………は?」

「………そう言いたい気持ちも十二分にわかる、なんせ私もバックれようとした口だからな」

………何だろうこの嬉しいような嬉しくないような微妙な空気感は、と言うか

「何でレートS級冒険者にノーダメノーデスでクリアしないといけないの?」

こればっかりは納得いかん、流石に国を守護する重要な役職のために試験のハードルを異常に高めると言う理由は理解できなくもない、がソレでもS級と言うラノベとか傀儡では一人で人によっては傾国すら簡単に行える化け物揃いだぞ?ソレに勝つってだけでもかなり厳しいのにノーダメノーデスって……死なないのは当たり前だが…ダメージを喰らわないはかなり厳しいな……あー闇討ちしちゃ駄目ですか?…あ、と言うか情報調査もできないってか?ふざけんなってキレられたらどれくらい楽なんだろうか……あー、やばい

「どうしてそんなに焦ってんの?」

え?そりゃあ

「だってアンタあのアザトース相手に能力封殺・身体能力完全劣勢・無限錬金を掻い潜って弱点まで発見した奴だろ?だったらノーデスノーダメ自体はそこまで無理ゲーってわけじゃないだろ?」

………あれ?よくよく考えたら確かにそーだな、別にアザトースは本気ではなかっただろうがその実力は確かに人類のソレを遥かに超えていた、そしてソレを能力が完全に削れ切るまでと言う目標があったとはいえ避け続けた俺も俺で大概に可笑しいと言われたら可笑しいとも言えるのかも知れないけども

「でもあの時は死の瀬戸際って感じがマジであったからな……今回に関していえばあそこまでアドレナリンでるかなぁ…?……あーエナドリ欲しい…」

天を仰ぎながら弱気になっていると

「でも、多分貴方私よりは弱い…」

はい白さん心をグサグサ刺しにくるのは重罪ですよぉ?

クッソお!!事実だから何も言い返せねぇ!

「だから言えるけど多分S級相手なら勝てる」

失意の底へ一直線に行こうと考えた瞬間に引き上げられる人、上にあげて叩き落とされる人ってこんな微妙な気持ちになるんだな初めて知ったよ

「どうしてわかるんだ?」

音山から当然の疑問が噴出するが

「だって、彼がS級の試験を受けるなら他の人たちも漏れなくS級の試験を受けたってことでしょう?で、今目の前にいるのが件の『クイーンズブレイド』……正直言ってアザトース相手に数分持つかどうかも怪しい相手だよ?だったら彼がS級に合格すること自体は難しいことでないと判断したまで」

すっげぇ論理的に順序立てて音山が論破された………というか

「ねぇ、この世界だとアザトースってどれくらいやばい存在なの?」

なんか怖くなってきたから一応聞いてみると

「そうだな………一部地域では土地神……世界全体だと世界の災厄…S級が数十人集まってようやく退けられる…クイーンズブレイドが全員最高のコンディションで揃ったら半分が死亡半分が引退を覚悟するくらいまで行ったら多少の手傷を負わせることも不可能ではない…と思っている」

うん、思ったよりヤバい奴だった

「ん?と言うかちょっと待てお前アザトースと殴り合ったのか?」

……あ、これ良くない方向に話が転がる前に感じる予兆だ…

「あー、いやね?こっちが色々やってくれたから俺もじっくり観察できたってのも大きく影響しているんだよ?」

此処で完全にコイツらに手柄をなすりつける!と考えていたら

「いや、この人完全に一人で弱点看破と十数分の及ぶ『虚数空間』と『万能錬金』の凶悪コンボの中ずっと鬼ごっこを演じながらアザトースの弱点看破をしてましたよ」

おい白ぃぃぃ!!何真実語ってくれちゃってんのお!?

「諦めろ、そして彗星の如く人の記憶に残れ、多分自分と同じスタンスの奴を作って同じ苦労を分かち合いたい顔だぞ、アレ」

元の世界での苦労を知っているために止めることはできない(精神的・実力的)

え?マジで言ってますか?アンタマジで俺のことクイーンズブレイドに仕立て上げようとしてますか?

「……こりゃあもしかしたら試験方法も大幅改正に乗り出さないといけないかもなあ」

あ、ヤバい雰囲気感じたから逃げますね?

クルリンと百八十度体を回転させて何処かバレない場所に逃げようと試みた瞬間に

「ほう逃げるとはいい度胸だね?」

………何だろう今度は別の悪い予感がしてきた

「………俺の知り合いにこう言うこと言う奴がいたんだよ…『太陽の様にずっと輝けなくても…月の様に優しく照らせなくても…一瞬でか細く消える彗星の様にいつまでも人の心に残りたい』ってね安心しろ骨は拾ってやる!」

人が死ぬ前提で…話すなぁ!そんないいセリフ話してる余裕があったらコイツから逃れる方法を一緒に考えて下れえ!

焦りすぎて『ください』と『くれぇ!』が混ざったわウケる

……まぁ逃げ出せないとは薄々思ってはいたよ?

だって邪神の子孫さんの目が完全に獲物をロックオンするソレなんだもん

まぁなるならなるでいっかあ、別に試験がめんどくさくなりそうなだけで『クイーンズブレイド』時代に興味が有るか無いかで問われると……物凄くあるんだよねぇ、全くミーハー心ってのは辛いねぇ


「んで、服は完成したのか?」

邪し……めんどいし邪ソンでいいか

「ん?あー多分そろそろだな、そーいや邪ソンに色々聞きたいことがあるんだよ」

そう言うと一瞬呆けた顔をしながら数秒の逡巡のもと此方に指を差し示しながらこう言ってくる

「もしかしなくとも『邪ソン』って俺のこと?」

一回大きく頷くと天を仰ぎ見てから

「おお、おお、どう言う意味か聞こうじゃないか?」

完全噴火三秒前という感じではあるが我関せずの姿勢のもと

「まずは邪ソンの全文は『邪神の子孫』コレはわかる?」

そう言うと渋々と言った風に一回頷いてから

「で、そこの何処から『ソン』が出てくるんだ?」

あー、この世界日本の言語体系には近いけど英語とか別言に関して◯川イングリッシュみたいにその場のノリと雰囲気で言っちゃうタイプなんだね…

多少の残念さと哀愁を背中から漂わせながら

「まあまあ、実は息子って言う言葉にはsonっていう言い方もあってね、発音がサンって発音なんだけど時々『ソン』って間違える人が一定数存在するんだよ……もうこっからはわかるよね?『邪神の』って部分を省略して『邪』って言ってその後『ソン』をつければ?」

……………一旦死ぬか?と言外に語っているのでこれ以上は俺が死ぬ可能性すら出てくる…じゃああだ名をやめろって?名前知らねえし覚えてねぇよ!

「わかったもうソレで良いが……他の『クイーンズブレイド』には間違っても同じ様な口を聞くな?なんせアイツらの調子の変わり様と言ったら山の天候の比じゃ無いからな!」

どうしてそこで自信満々に言い切れるのかは知らないが……そう言うことなら

「おーい、白ぃ!俺と一緒にクイーンズブレイドの試験についてきてくれ!他はこの店で待機しててくれ!」

叫んだ瞬間に一気に物を投げつけられた

「はぁ?何で俺達だけ居残り組なんだ!」

「自分の胸に手ェ当ててよく考えろ!阿呆が!

テメェは言動がガキのソレだからお偉方に首飛ばされる可能性すらあるんだよ!音山は弱すぎて自衛すら出来ないから論外!此処以外に安心して預けられる場所も考えられないからここに居残れ阿呆が!」

その後もしばらくギャーギャー、ワーワー叫びながら鈴山と殴り合い、掴み合いの壮絶な戦いをした結果

「やっぱりお前此処に残れ」

一方的にボコボコにされ力の余力もなく地面に倒れ伏している俺がそう告げると

「はあ?ふざけ…ん?」

体の力を最大限に使って肩を掴んで耳元にギリギリまで口を寄せてから

「此処は確かに安置だ……けど同時にアイツが完全に味方っていう保証は……何処にも存在しない、だから万が一の時は戦えない音山を抱えながらではあるけど俺の所に全力で走ってきて欲しいんだ、その時は俺がどうにかする……多分出来るとは思うけど…」

自信は皆無だ、けど仲間を見捨てるほど人間腐ってねぇよ

「………わかった、そう言うことなら俺以外に適任はいなさそうだな」

ん?なんか引っかかる言い方だな、と思うと

「俺の姉貴いるじゃん?アイツさ音山と二人きりでいると緊張して周囲にとんでもない『圧』を放つんだよ……全くアレで二人とも気付いてないんだから笑うよな?」

…………えっと此処から先は全力でこう言わせてもらおう

「リア充◯んどけ?」

中指を音山に向けとく、くそッ何だろうこの勝負に勝って試合に負けた感は…

「いや…何で今の流れから罵倒に走るのか意味がわからん…?」

と完全に聞こえてない風だったので

「全く……何であんな鈍感なんだよ?」

「仕方ない…アレは戦場で無作為に考えなしに人助けをしすぎて色んな機微を感じるとる機能が低くなってしまったんだよ」

初めて通じ合ったな…

「ふぅ、さてとあの変なおっさんも『格名』を授けられて元気そうだしさっさと行ったら?」

といつもの様に鈴山に言われてしまうので

「はいはい、じゃあ死んだら骨はよろしくね?」


「別に死んでも骨は残らない」


白が変なこと言い出した

一瞬、もしかしたら「骨が残らないほどボコボコにされて塵にされるから骨は残らない」と言おうしたのかと思ったら

〈いえ、本当にその様に思ったのならば不可解な言い回しです〉

とノアが言うのでこの発言に疑問を持って白に質問をしてみたが何も答えてくれなかったので結局この問題の答えは闇に葬られる結果となったのである



「で、お二方さん」

おちゃらけた様子で邪ソンが言ってくるので半眼の呆れ顔でこう告げる

「ふざけるなら他の人を巻き込め……少なくとも何故かイライラしている白を巻き込むと此処らが更地になることは必定なんだよ」

そう告げてからコイツのイライラの元は何なのかを考える前に思い当たり分けたのは間違いだったのか〜?と頭を掻きむしりながら考えていると

「べ、別にちょっかいって程でも無いんだけど、二人とも随分衣替えしたねーって?」

俺の場合は衣替えじゃなくて、この世界初の着衣という前の世界だったら法律的に完全アウトな人種だけどね

まぁ、服装が変わったことは確かに認めよう

…なんせあの爺さん中々に強い上に服飾の腕もヤバいのだ

なんせ服を作る様子を傍目から尚且つ素人の目でもみても完全にやばいバフがどんどん服の中に込められているのだ結果完成した品としては

〈戦士の燕尾服〉

スキル

【上昇意識】

戦闘中相手に攻撃を当てた回数×2回避行動に補正が入る

【執事の嗜み】

擬似的な空間収納イベントリを服の内部に作り出せる

中に入れた物の重さは速度に反映はされないがポッケの中が膨らんでくると危険サイン

【糸のお導き】

服の糸を操り攻撃することが可能

【超高速再生】

身体にも影響するが一番影響するのが服に対して服が全損しても糸が一本残っていれば再生可能

【防御壁】

衝撃を感知した際に自動で防御壁を展開する、相手から干渉はできないが此方からは自由に干渉できる



此処でもまた能力負けしてるんですけど?

いやさ、確かにあの人バフめっちゃガン掛けしてたけど、此処までやる?オーパーツよ?初心者に勇者の剣(最強一歩手前)を与えるくらい間違ってる

多分燃費悪いんだろうなーと思ったら

〈今の主でも十分扱える程度には燃費は良いです〉

はい可笑しい!だって俺魔力使用不可、常人が扱いづらい魔術と体に密接に繋がっていた大地魔法を扱うしかなかったのに

何なん、この大量のバフは?

あ、もしかして前線で戦って死ねと申しておるのか?

嫌だわ!何でこっち来て数日もしないうちにまたお釈迦にならんといかんの?

あー、しかもコレ機能性がヤバい……何でこんな嵩張って蒸れそうな服装なのに全然蒸れんのよ、というか清涼感があるのなんか怖い…

しかもコレ無料でやるって言われた時の俺の恐怖心よ、人間無料より怖いものは無いって良くいうでしょう?

ソレの究極系が無償の善意が怖いって奴よ

まぁ、正確には無償で貰ったわけではないが……『格名』を授けるだけで何でこんな高機能な服をくれるんだろうな?

だって『お前の名前は〜〜だ!』っていうだけじゃないの?

不思議だなあ…まぁ、一番不思議のは今前を歩いてるこの邪ソンではあるが…

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