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邪神と龍

疲れ切った頭には糖分たっぷりのドリンクが欲しい

そんな馬鹿な感想がパッと思いついてしまう程には疲弊していた、が此処で疲れを見せたら今後に障そうなので敢えて弱気にならずに少しでも気丈に振る舞おうと思い

「確かに仲間が多いに越したことはないが……アンタを連れて行くことにメリットはあんのか?」

メリットしかないと理解しながらもプライドでそう問うと

「そうですね……今はまだメリットと言えるメリットはないかも知れませんがこれから先連れて行って良かっと思える日が絶対に来ます」

自信満々過ぎて逆に怖いわ、そう思ってしまうほどに相手は自信たっぷりなので一瞬怯んだが、相手は相当の実力者なのでそもそも連れて行かないと言う選択肢は存在しなかったのである

「わかったよ……格名は今度つけるけど……此処で少し仕事があるかも知れないしすぐにとはいかないかもよ?」

一応警告を出しておくと

「ソレで構いません」

とにこやかに言うので半分呆れ、半分感心で溜息を吐く




服を仕立てて貰うと意外にもしっくりくるので異世界とは驚きである

(こんなに早く仕立てても現代より頑丈って異世界の服飾侮れないな)

そう考えていると

「こんにちは?」

隣から男が来た、そして殴った

そんな稚拙な表現しかできないが条件反射で動いたのだ俺にも意味がわからなかったが急に悪寒がしたので反射的に尚且つ弱点を貫けるように、そして痛みが長引くように殴った、自分でも意味がわかなかったがそうしないといけない予感がしたのだ

「や、やぁ、意外にアグレッシブな子だね?君みたいに強い子はウチで雇いたいくらいだよ?」

誰コイツ、もう一回くらい殴っとくか…

そう考えて顔面を殴り飛ばそうと一歩を進めると

「すいません、うちの主人が……この人悪戯がすぎるといつも同僚の方に言われるくらい悪戯好きなんですよ、だから今回は此方が全面的に悪いのでどうか矛を納めてください!」

と蒼が全力で謝罪を開始した………

「まぁ、其方がそう言うなら構わないけど…」

そう言いながらも何処か釈然としないまま訝しげに睨んでいると

「もしかして『どうしてあんなに悪寒を感じたんだろう?』って思ってる?」

この世界の住人は読心術をデフォルトで持ってるのだろうか?そう考えると疑心暗鬼になって夜も眠れんわ

「ふっふっふ、別に誰もが心を読むのに長けているわけではないから安心してね?まぁ、悪寒の原因としては僕が死刑囚だったからってのが主な要因かね?」

コイツ……ニヒルな笑顔を浮かべながらとんでもないこと言い出し始めやがった…コイツ元死刑囚だって?そんな奴がクイーンズブレイドやってるって相当ヤバくね?頭はこれ知ってるの?

心の中で完全にドン引きしながら相手から一歩、一歩と後退しようと思った瞬間に

「いや何平気に嘘言ってんですか?貴方確かに死刑囚でしたけど結局冤罪でしたし、何なら貴方が死刑囚になるように自分で色々誘導してたじゃないですか?」

…………………は?

「バッカじゃねぇの?」

考えるより先に言葉が漏れ出す程度には呆れてしまった

「いや〜ねぇ?王女に一度死刑囚いるところに国家転覆を計画している阿呆がいるって言われたからありもしない事件をでっち上げて潜入する為に死刑囚になったことがあったのよ」

いやいやいや、外から調べろよ内部から調べる意味がわからん……と言うか今こうして話してるだけでも頭がイカれそう

「まぁ悪戯は此処までにして……本題に入ろうか」

あ、ようやく真面目な話になった……が此処から驚愕物の話であった

「君、クイーンズブレイドに入らない?」




「すいません、ウチの主…急に来ては嵐のように場をかき乱して…『立つ鳥跡を濁さず』の対局にいる様な人でして……毎回誰かに私が謝罪をして回ると言う地獄を味合わないといけないんですよ」

いや何でそんな職場に居続けてるんだ?

「勿論貴方の言いたいこともわかります……けどあの人相当良い人なんですよ……悪戯ばっかりで時々本当に埋めてやろうかな?と思う時はありますが行く当てのない私を拾って此処まで育ててくれた恩がありますから…あの人の下で働いてる人は何かしらあの人に恩が人達ばっかりですから」

んー、悪戯ばっかで気苦労は多いけど悪い奴じゃねえってことね

じゃあ何であんな拒絶する様に嫌悪感が出たんだろう?

そう考えていると

「貴方があそこまで嫌悪感を感じたのは恐らくですが彼が邪神の子孫だからでしょう」

邪神?何だそりゃあ、俺はそんなん知らんぞ?

「知らなくて当然……むしろ知っていたら私の方が驚いてましたよ……そうですね少し昔話をしましょうか…」

そう言って蒼が語り始めたのは俺が知らないこの世界の成り立ちである

曰くこの世界は元々六つの惑星の内五つの惑星が滅ぼされその情報因子がこの惑星に宿った結果六つの惑星の文明が共存する結果となった

勿論最初から存在した文明達からすれば自分たちは土地を追われたのに他の惑星達は自分たちが住んでいた土地をのうのうと使っていると言う苛立ちと憎悪を孕んでいた

そして一部の人類達が禁忌の邪法に手を出して他の惑星達に挑み始めた

勿論他の惑星達からしてみればまだ惑星に種を落として芽を開花させたばかりなので存分に力が振るえず仲間達の死に目をただ茫然と眺めるだけであった

しかしそこで立ち上がる者達がいた

古龍達である、彼らには龍神からとある使命を言い渡されていた

『この星に仇なす者を許すな』

そう、例え他の惑星がこの星に根を張ろうが構わないが、この惑星に影響が出るほど戦闘を繰り返せば古龍達は決してその存在を許しはしない

そして古龍達と邪神の戦争が始まった

邪神達は無限に溢れる人間の負の感情を

古龍達は大地から溢れるエネルギーを扱う地龍を筆頭にぶつかり合い、そして一千年が経過した頃にはお互い力の大半を出し尽くして殆どが滅び残ったのは力が少なく戦場に出ていなかった者達だけであった

この戦いで地龍は大地からの力を受け取りづらくなり

邪神達は人の感情を食らえなくなった


「と言う感じですね、だから貴方は一応この星の救世主の末裔……みたいなものなんですけど、いかんせん邪神との決戦の後、地龍達の力が一気に減少して戦えない種族として定着してしまった結果弱い種族と言う認識になってしまったわけです」

なるほど、地龍は一応は強くなれるけど……相当キツそうだね…

全くコレだから地龍は嫌なんだよ、まぁでも格好良いとは思うけど

けど一番驚いたのが

「ええ、驚く部分はわかります……何故古龍達が邪神の末裔の生存を許したの…か」

やっぱりデフォルトで読心術を持つのはやめてもらっても良いですか?

そう言いたくなるがグッと堪えて大きく頷く

「勿論コレにも理由があります」

そう前置きして先程の話の続きを語り始めた


そうして一千年が経過して古龍達と邪神達との戦争が沈静化した頃にとある事件が勃発した

『邪神の子供が産まれた』

ソレは世界を揺るがす出来事であり、誰にとっても容認できない重大事項であった、けれど古龍達は動かなかった

最初は邪神達が自分たちでその子らと一緒に死ぬことを望んだのかと考えられたが

何年経過しようが動こうとしない、幾ら邪神達との戦いで力が大幅に減ったとしても裁くのが遅い!と人類全体が声を上げた結果古龍達はこう告げた

『我等の役目は「人類に仇なす者の殲滅ではなく、『この星に仇なす者を許すな』」である、だから星に危害を加えないのであれば我々は邪神と戦う必要はないのである』

そう告げられ人類は様々な反応を示した

怒り、憎悪、破壊衝動……様々な行動を示したが根底にあるのは一千年人類の為に戦ってくれた古龍達への失望であった

そして、人類の怒りの対象は古龍達へと向かった

勿論個々の実力は人類は古龍達に遠く及びません、ですが人類は数の暴力で古龍達を各個撃破していったのです

そして結果として邪神達を滅ぼすと言う最初の使命を忘れて守護者たる古龍達を絶滅寸前まで追いやってしまいますが

今度は古龍達の守護者が現れました

『十大魔王 ファブニール』

突如として現れた彼は古龍達を続々と保護していき強力な結界を張りそこで古龍達を守護しながら魔王の名を持って人類に威嚇をしてきた結果古龍達は細々ですが自分達の血筋を保護することができたのです

が、結果として古龍達の総数は減り今では古龍達は侮蔑の対象になりつつあります

「つまり、あの人が何故貴方をクイーンズブレイドにならないか?と誘ったのは」

此処までお膳立てされれば馬鹿や阿呆でもわかる

「種族最弱&侮蔑の対象の地龍にクイーンズブレイドにならせて名声を取り戻させようって魂胆か……勿論邪神とかの生き残りで罪の意識があるから俺に対して罪滅ぼしすることで罪の意識から逃れようってのも少しはあるかもなあ」

そう言うと少し蒼が暗い顔をしてしまうので慌てて

「いや、別にアイツを責めてるわけじゃないのよ、だって俺は別に地龍もとい古龍全体の名声とか過去の争いとか心底どうでも良いって感じでアイツが勝手に罪の意識抱きやがってめんどくせえみたいな感じなのよ、もしそう思ってるなら自分で行動起こして保全活動とか……いや、ソレは古龍達のプライドを傷つけかねないか……意外とむずいな、古龍達のプライドを傷つけず尚且つ彼等を補助するのは」

結果として誰か英雄的な人物を作り上げて全体の名誉を復活させる方法が簡単であると言う結論に至った、あれぇ?おかしいな

「けど、本当に気にしなくて良いと思うけどね」

そう言うと蒼は心底ホッとしたのか胸を……?おかしいな俺の目は腐ってしまったのだろうか

「ねぇ、一つ聞いて良いか?」

後ろ完全に飽き飽きとしている三人に問いかけるとめんどくさそうにしながらも反応してくれた音山に

「蒼に胸がある様に見えるのは気のせい?」

顔面を蒼白にさせながら問うと

「え、もしかして気づいてなかった?アイツ女だろ、体格や声色的にも」

回復術師だからかな?よく気づいたね、俺なんて服変える今の今まで全く気づかんかった

「意外です、てっきり気づいてるものかと…」

ん?待てよ、まさか【ノア】は気づいてなかったってことは…

〈否、最初から気付いてましたが面白そうなので敢えて放置していました〉

テンメェええええええ!!そう言うことは最初に言えやぁ!俺だけ道化やんけぇ!!

〈否、道化は時に人を楽しませる為に必要です、個体名・音山達は知らない世界に来て精神状態がかなり不安定なので少し安定させる為に画策しました〉

え?そうなのじゃあ…

〈尚85%程、面白そうだったので放置していました〉

やっぱりお前許さあああああん!!

そう叫んでこの行き場のない怒りを何処にぶつけたものかと悩んでいると

「すいません、私のせいで…」

と蒼が申し訳なさそうに謝罪をしてくるので手をヒラヒラと振りながら

「いや、元々アンタの主人が出てきてから大分話がややこしなっただけだから…今度会ったら一発殴らないと気が済まなくなっただけだよ。」

全員が心の中で

「ソレを許さないと人は言うんだよ」

と突っ込んでいたことには本人知り得ないことではある

「やあやあやあ、また会ったねえ地龍くん」

そして嫌悪感をなんとか抑え込んで

「頼むから普通に出てきてくれ、種族的なアレもあるんだろうがお前が出てくると急所に攻撃しないといけない気がしてくる」

自分でも変なことを言ってるのは重々承知の上だがコレばっかりは抑えられそうもない

「まぁ、仕方ないよ力の大半を消されて、守っていたはずの人類から迫害される羽目になった元凶の子孫なんて殺したくて仕方ないだろうしね」

哀しい顔でそう告げてくると蒼が辛そうにする、あー!!本当に腹立つなぁ、コイツは

「……まあ、あくまでも多少むしゃくしゃするくらいだ……ソレに俺は転生者だから言えるが、あまり自分を卑下するな…お前を慕って付いてきてる奴らがいるって言うことを俺への、古龍達への罪悪感だけで忘れられたら其方の方が寝覚めが悪い」

そう言うと驚いた様に目を見開いてから

「そう…だな、うん、そうだな…すまん変に気負い過ぎていたみたいだ!」

元気になったらなったで良いけどどうして来たんだコイツ?

「ああ、勿論来た理由はあるぞ」

もう心の中だけで会話しようかな……デフォルトで読心術使うやつ多いし

「まぁ、そう言わずに、で、こちらが来た理由についてだがな、クイーンズブレイドに入る理由にも繋がるものでな」

そう真剣な眼差しで告げてくるので久しぶりに本当に真面目に話を聞こうと背筋をピンと伸ばすのであった

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