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戦う

さて、今回ほど戦いを楽観視できなくなったのはいつぶりだろうか?


…俺の記憶が正しければなかったはずである


全力でため息を吐きたくなるのを何とか堪えながら目の前を見つめる


「…まず最初に俺の考えた作戦を伝える」


頭に響く頭痛を抱えながら作戦会議を始める


なんせ、正直戦力に数えられるのは此処の三人だけだ


不人が戦った相手はどうやら無限の彼方に消えたらしく


本人は全力で戦えて楽しかったとふざけたことを抜かしていた


全く…そいつを残しておいて戦力にできればまだ何か手の打ちようがあったのだが


正直今の戦力でアレに勝つとかできるのか?


だって一人は爆弾を抱えて、一人は敵で、一人は武器紛失


全く…誰だよ刀突き刺してぶっ壊した奴…


此処で責任転嫁を開始しても何も解決しないので一旦落ち着く


「……まず最初に召喚士は一人で一分…いや三十秒稼いでくれ」

「え?拷問?」


…ま、そうなるよな


だってアレ相手に一人で三十秒持たせるなんて正直厳しいことこの上ない


しかし


「…お前の能力をフルで稼働させれば決して不可能な時間ではないと思っている」

「………………」


そう、正直コイツの全力を喰らってないから俺はよくわかってないが


全力のコイツは恐らく相当強い


だって全力を出さずに能力を縛った状態であの強さなのだ


もしソレらを全部取っ払って全力で戦ったら?


考えただけでちびりそうなほど強そうなイメージが簡単に浮かぶ


「…わかったよ、けど、全力を出したら俺の能力は見境がなくなるから『三十秒』…決して近づかないでよね」


おお、凄いフラグ立てるやんコイツ


まぁ…コイツがこんなに自信あるなら特に問題ないだろう


「んじゃ、そっちはよろしくな…んで、俺と不人は今から転生の準備をするから。」


まぁ…準備といってもノアの近くに行ってノアを回収してそいつに敬語を任して転生を敢行する


それだけの話であるがそれだけがとても遠くに感じるのは気のせいではないだろう








「んで………しっかり見てみるとやっぱりでかいなアイツ…」


鯨もどきを至近距離から眺めると壁みたいにそりたつ腹を茫然とながめる


コレがゲームの中であれば一切の恐怖を持たずに腹をブニブニしていただろう


しかし今は現実である、そんなことをすれば下手をすれば


ギルドで腕が吹き飛んだ白の二の舞になりかねない


というか今現在こうやって此処にいるだけで何か頭の隅がチリチリしている


恐らく危機感知が反応しているのだろう


正直コレに従って帰りたいてところだが…


できないのが辛いところなんだよね


そうして一瞬呆けてしまったがノアの回収に走り出す


「フッ!」

『ぐぎゃゃゃゃや!!!』


ノアの方に向かって走っていくと俺の姿に酷似した


人物があちこちを走り回り魔法を扱いながら全力で戦っていた


え?ノアって魔法使えるの?というか俺の体の複製で使えるの?


〈違います〉


いきなり天の声の様なナレショーンのような声が聞こえて


一瞬驚いてびっくりして辺りを見回しているが


「…あ、ノアか」


そう自分で納得していると、先刻まで見回してた自分が恥ずかしくなってきた


〈今現在戦っている体は私が貴方の体の機構を近づけて戦っていますが…貴方の体にかかっているデバフは感知しないで作っているから魔法を使えていますが

貴方が別の体に転生したとしても魔力を生成できない呪いは魂の奥深くに根付いているので下手に抜こうとすれば魂の形が崩れて転生すら叶わない体となってしまいますよ?〉


お、おお、なんか凄い怖い脅しを喰らった


多分俺はアザトースの呪いを少し軽くみすぎていた


今度機会があったら呪いを解いてもらおう


まあ…できるかどうかはおいといて


「まぁ…ソレは一旦置いといて…ノア!少し手伝ってくれ!不人の転生を今から始める!」


そう叫ぶと殴りに行こうとしていたノアの体が


足場のない空中でいきなり体を回転させて此方に突撃してくる


一瞬驚いたが突っ込んできた相手を避けるわけにはいかない為に受け止めると


「ブべら!?」


あまりの衝撃に体を仰け反らせる


今までHP バーは何度も尽きていても動けていたが


まさかスタミナバーまで全損させられるとは思っていなかった


全く……今回に関してはいきなり呼んだ俺も俺で悪かったから…


そんな呑気なことを考えていると鯨もどきが


『うおおおおおおおおおおおお!!』


いきなり対戦相手がいなくなって驚いたのと怒っているかのような声が響く


まぁ…ついさっきまで戦っていた相手がいきなりブッチしてきたらムカつくのはわかるが…


だからって周囲崩壊するほど絶叫するのは切にやめてくれ


その願いが通じたのか或いは気まぐれなのかはよくわからないが


一瞬の体の縮小の後に何故か体が止まった…


しかし


〈逃走を推奨!〉


ノアに言われる前から分身体と不人を両脇に抱えて逃走を開始しながら


「頼んだぞ!召喚士!今から五十秒前後!」


虚空に向かって大音量で叫ぶと、上空から


「…りょーかい」


そう軽くいって周囲にカードらしき黒い物体を浮遊させている召喚士が現れる


そうして手を横に切ると鯨もどきと召喚士の姿が掻き消える




そこを何と表現したら一番伝わるかと問われると


何といっても言葉では伝わらないが…


敢えていうとしたら『おもちゃ箱』…


自分の好きな物を自由に詰め込んだ自分だけの秘密基地と言ったら多少は伝わるだろうか?


そして、その中心で一人悠然と佇みながら自然体でいるのは


召喚士である


彼は酷くつまらなそうな顔を浮かべながら周囲を見渡しているが


カンマ数秒後、彼の後を追うように鯨が落ちてくる


上から見てみると随分と体が傷ついているがソレが弱者の証明とはならない


ソレどころか歴戦の傷はその存在の強さの証明となっている


実際鯨の強さはこの世のソレを遥かに凌駕していた


しかし、ソレは現実で互角の状況で戦ったら…の話である


召喚士…俺はそう呼んでいたが今悠然と佇んでいる彼の能力の本質は


解析を応用しての記憶に干渉し、そしてソレらをカードにして戦うという奇天烈な存在であった


そして一つ忘れてはならないのは彼は転生者である


殺戮を行っていたがソレはとあることが理由なのだが


今現在ソレは確認できない


というか本人が秘匿している秘密をザクザク掘り起こすつもりもない


「さて…と、こんな俺でも信頼には絶対応える主義なんでね……此処で遊ぼうぜ?鯨の王」


悠然と佇むゲーマーは一人笑みを深めるばかりである


そして次の瞬間火花が散る


手から出てきた相手の戦闘記憶のカードが一気にあたりに散らばり


ソレらからモンスターが一気に現れ


「…………」


最早聴力だけでは聞き取れない小声で複数の命令を高度に出していく


レベルが高いモンスターは操作するだけで精神が擦り切れるのか玉の汗が一気に吹き出している


そして早退する鯨は目の前に出現した多数のモンスター相手に


『……』


哀れみの視線を送る


鯨には視覚はないはずであるのに…だ


そして一瞬の間ののちに鯨が全てを打ち崩すようにビームを発生させるが


ソレをシールドを出現させて召喚士が防ぐ


「…よかった、コレを防いでいた奴がいてくれて」


そう、彼の能力は別にモンスターだけの召喚ではないのだ


技も能力のコピーも最早お手のものである


ソレは言い換えれば『世界でかつて起きた魔法や事象を再現する魔法』という理外のものに変わっていた


そしてビームが防がれたことに激昂したのか


鯨がその大きな尾を畝らせながら振り下ろす…が


ソレを巧みに交わしながら手元に武器を出現させる


速度もパワーも全て劣っている彼が今から鎧をつけてカウンターで戦っても


蜂の巣にされて簡単に負けてしまうのだ


ならば逆に攻める


攻撃は最大の防御というのを証明するかのように左手に出した片刄剣を振る


しかし流石に体は硬いのか細長い朱線が引かれるだけで特に痛みを与えられていないらしい


ソレにイラついたのか召喚士は軽く一回舌打ちをして


獲物をハンマーに変え上空へと自分の体を放つ


そして空中から位置エネルギーという凶器をハンマーに込めながら


頭蓋に振り落とすが


逆に自分のハンマーが破壊され、振り上げらた顔に当たってしまう


衝撃のあまり領域の壁面に体をぶつけてしまう


一瞬体を硬直させるが、追撃に備えてカードをあたりにばら撒く


そして一息ついている瞬間に再びレーザービームが放たれてきたのを


一瞬で回避する


どちらかというと衝撃に吹き飛ばされたという感じであるが


そして一瞬体を転がしながら、ソレでも勝ちをもぎ取るように天井に向かって手を向けて


領域の天井に穴を開ける


そこから差し込んでくる光に何か来る!と感じたらしい鯨は警戒体制を敷く、が


そこから何も入ってこない


そしてソレが囮だということに一瞬遅れて鯨が気づくが


もう時既に遅く


準備していた花火が打ち上がるところであった


「…アイツはレールガンって言っていたけど俺の世界じゃコレはな……花火って言うんだ」


中に全力で魔力を込めてソレを雷で反応させて全力で放つ


ソレは殆どレールガンの仕組みに近いのにお互いしっかりと情報共有をしないからこう言うことになると誰かが言いそうな予感がしたが今は誰も言わない


そして中で強く強く光が発光するのを鯨はただ静かに見守る


まるでソレを避けては己の存在意義が消えてしまうと言わんばかりに


そして発射瞬間に鯨は赤い赤い…血よりも濃いビームを放つ


放たれた魔力弾とビームは拮抗し


弾け、そしてビームが競り勝った


ビームは花火を放った射出台まで及び


ソレを回避しようと召喚士は転がるが、ソレも読まれて


尾で強力な一撃を放たれる


そして鯨が自分が戦った相手に敬意を示すように手ずから葬ろうとした瞬間


「ドゴオオオン!!!」


胴体と顔面の両方にとてつもない衝撃を感知する


ソレを見て召喚士は苦笑しながら


「五十秒は長すぎでしょ?」


というと、その場に降り立った赤毛の少女と地龍は並んで


「あとは任せてゆっくりと眠れ」


そう言われて召喚士はその場でゆっくりと意識に幕を下ろす



ーーーーーーーー

「さて、と」


そう言って埃が積み上がっている床に座り込む


此処は先刻召喚士に戦闘を託して走り去ったすぐに近くの民家である


まぁ…正直コレが不法侵入に当たらないかちょっと怖く思っている


が、今だけは寛大な心持ちで見逃してもらおう


なんせ今からやるのは戦力増強


それができなければ俺が…否、この国が滅んでしまうから


ソレをわかってなお突っ込んでくるバカがいるなら逆に見てみたいものである


そんなフラグを一瞬考えてしまったが


「…じゃあ不人、簡潔に説明する…」

「おお」

「横に寝て、俺が心臓と顔を掴んで三十秒待つ、んで転生完了、ちなみに時間短縮のために反論の一切を禁ずる」


そして不人の顔面を掴みながら心臓の部分に手刀を差し込む


一瞬不快な感触が手に伝わってきてしまうが


今はソレを完治しない


そうして心臓を左手で掴みながら顔を掴む


そうしてゆっくりと息を整えながら能力を発動していく


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