表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

桃太郎転生 SS

作者: 和谷幸隆

俺はトラックに轢かれそうになった子供をかばった。


これはだめだと大きな衝撃と共に意識を失った。


気づいたらうまく身体が動かせない。


(生きている?病院か?)


周囲を見回すと40過ぎの男性と女性が驚いたようにこちらを見ている。


「なんと、これはまぁ。」


「私たちがいつも神様に子供が欲しいと願っていたから授けてくれたに違いない!。」


「この子は桃から生まれたから桃太郎と名付けよう。」


(え、俺は転生したの?え、というか今なんて言った?モモタロウ?)

(プレイしてるゲームとかじゃなくて、モモタロウ、、、マジカ、、、)


桃太郎に転生したことに半信半疑だったが、大きくなるにつれて少しずつ分かったことがある。

江戸時代くらいの生活水準らしいこと。鬼がいること。


生きるために少しでも強くなろうと体力を付けた。

知識は前世を活かしていたら神童ともてはやされ村を豊かにすることができた。

それで刀が買えたので剣術も磨いた。


だがそれがまずかった。


周囲から明らかに鬼退治を期待されているのだ。


鬼の情報を集め、鬼ヶ島にいるのは知っている通りだが、数が100以上いるらしい。


俺(桃太郎)、犬、雉、猿・・・勝てるか。んなもん。


戦力比おかしすぎるだろ。そもそもそんな動物戦力になるか。


雉が上空から爆発物落とせてようやく戦力として考えられるレベル。


となると、鬼退治に行くと言ってそのままどこかへ逃げるしかない。


他の地方はわからないが大きな町で適当に暮らそう。


鍛錬を続け16歳になったある日、モモタロウは両親に告げる。


「俺は鬼ヶ島へ鬼退治に行ってくる。」


「そうか、皆のためによく決断してくれた。お前は私たちの誇りだ。」


「旅の弁当にキビ団子をこしらえてあげるからもっていきなさい。」


そう言って送り出してもらった。


まさか本当にキビ団子を持たされるとは思わなかった。

よくよく考えると犬や雉や猿は喋るのか・・・?

今まで桃太郎は喋る動物に会ったことは無かった。


鬼ヶ島へ行くことは考えず、大きな街道を町へ向かって進んでいくと旅の途中で犬に会った、


「グルルッ、、、オマエ、ドコニイク?」


「ってケルベロスやないかーい。」

「お、鬼ヶ島へ鬼退治に行くのだ!」


「コシのダンゴヨコス」


(キビダンゴで仲魔になるのか・・・?)


「オニタイジ、オレモイク。コンゴトモヨロシク。」


(仲魔になっちゃったよ・・・犬だけで勝てるんじゃないか・・・)


勝機が見えたことで桃太郎は鬼退治をする方向へ舵を切る。


街道を進むと雉に会った。


(またか・・・雉って朱雀・・・か?)


「コンゴトモヨロシク」


犬同様仲魔になった。


(猿もいるのか・・・?)


猿に会った。


「お前ハヌマーンだろ!ケルベロスもおかしいけどお前日本じゃないだろ!」


突っ込みを入れるが結局仲魔になった。


鬼ヶ島に行くのに問題があった。小舟に乗れないのだ。


(そりゃ手漕ぎのボートくらいの船にケルベロス乗らないよな・・・)


結局ケルベロスが犬かきする背中に乗るというシュールな方法で渡った。


巨大な門があるが門番をみただけで引き返したくなった。


(牛鬼・・・たしかに鬼か・・・)


どうしようか様子をみようと思う間もなく仲魔たちが勝手に突っ込む。


(ああ、制御できるLVないよね・・・)


もうどうにでもなれと巻き添えにならないよう遠くで見ていると、


次々と鬼が倒されていく。


(流石にあの犬、雉、猿は反則だからな・・・)


勝利を確信しているとケルベロスが吹き飛ばされ消えていく。


「何!?」


「酒呑童子の治める地に踏み込むのは何者だ!」


(酒呑童子って平安時代じゃなかったっけ・・・?)

(まぁ桃太郎が何時代とか関係ないファンタジー世界と思うしかないか・・・)


酒呑童子の呼びかけに応じることなく朱雀とハヌマーンとの死闘が繰り広げられる。


結果、鬼は仲魔たちによって全滅することに成功した。


桃太郎は鬼の宝を手に入れようと宝物庫を訪れる。


そこには見事な剣や宝飾品、金銀財宝で溢れていた。


その中の玉を手に取った直後、桃太郎の意識は薄れる。


それは転生の玉と呼ばれるアイテムだったが桃太郎が更に転生するのはまた別の話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ