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2話
怪物は美味しいモノには目がありません。
どんなに険しい崖に生えている花でも、どんなに川底深く住んでいる魚でも、どっんな場所でも、美味しいモノを食べにいきました。
「今日は何を食べようかだぁ」
おなかを空かした怪物が、山に帰ろうとすると向うの方から、美味しそうな匂いが漂ってきました。 ぐうううううう~
「へへへへ 美味そうな匂い へへへへ」
匂いの方に行ってみると、子供が一人美味しい匂いのする包みを持って歩いていました。
「おい!子供。その美味そうな匂いの包みをオデによこせ」。
子供は恐がりながらも包みを隠しました。
「コレはお前が壊した橋を直してる、お父とお母に作った大事な餃子だ。お、お前なんかにやるもんか!!」
怪物はよだれをダラダラと垂らしています。
「ギョウザ? 美味そうだ じゅるる」
子供の足つまんで、宙吊りになった子供から包みを奪い取り開いて口の中に放りこみました。 怪物は目をトロ~ンとさせました。
怪物がどんな姿をしているか・・あなたの心に映った怪物がそのまま怪物です。