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  作者: ふしきの
とりのあれこれ
1/8

それ

 空低く、一羽の鳥が鳴いていました。


「時は来た、時は来た」


 町の人たちは天候の悪い気持ちになり雨戸を閉めてしまいました。



 見知らぬ旅の人が空を見上げています。



「時は来た」



「時とは、その時を指すのかい」

「わたしゃ、しりません」

「どうして」

「雇い主が言いました。時が来たと言えばわかると」

「誰に?」

「さて、わたしゃ、しりません」

「それはあんまりじゃないか、誰に何の時が来たか告げないと、人は勝手に自分の何かしらの時と勘違いしてしまう」

「わたしゃ、依頼主にそこまで聞くこともないと思いますが、難儀なこってす」

「そう、難儀だ。今、私は空腹に飢えている、火元も集まった。そう、時は来た」



 その後、旅人は芝生に入るべからずで牢屋に連れていかれました。



 鳥はもう飛んでいません。

 その年の冬はとても長かったと聞きます。


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