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第73話「対照的」

試合当日


第二試合であり今日最後の試合なので、観客のボルテージも上がっている。

特に南東京高校は一般生徒からしても前監督に対して思うところがあるようで、

絶対に負けたくない雰囲気が出ている。

「鳥海監督」

マネージャーの長峰が声をかける。


「どうした?」

ぼーっとしていた鳥海は気のない返事をした。


「今日は絶対負けたくないです。

サッカー部を友達に持っている一般生徒もみんなそう思っています。」

長峰はみんなの気持ちを代弁する。


「どうやらそうみたいだね。」

いつもの雰囲気とは全然違う。


「もちろん俺としても絶対に負けたくない相手だからね。

それに負けるなんて一ミリも思わないよ」

選手たちの今日のモチベーションの高さは異常だ。


今日は選手たちに声をかけるべき言葉は一つだった。


「集合」

選手たちがいっせいに集まる。


「今日みんなに言えることは一つだけ。

サッカーを楽しもう。相手を憎んでも意味はない。

やっぱりサッカーを楽しんだ方が勝つと俺は思う。」

今日負ける原因があるとすればこのモチベーションの高さだ。


困惑している選手たちに

「それに今日の相手よりうちの方が絶対強いよ。

わざわざ相手に力んでチャンスを与える必要はないよ。

マネージャーもね」

その言葉は選手およびマネージャー、

聞こえているはずはないが応援席に向かって言っているように聞こえる。


「じゃあ、いつも通りいこう!!」

鳥海監督の声に気負いを取り払った選手たちは返事をし、

グラウンドへ整列していった。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


「ほんとに相手への対策はないけど大丈夫なのか?」

不安にかられる選手が大黒柱である山内に声をかける。


「大丈夫なわけないだろ。

今時根性論ってやばいって。」

先ほどのミーティングの指示は非常に抽象的だった。


就任当初は神崎の監督就任に沸いた修王学院だが、

腐っても東京四天王。

その戦術のなさに選手たちは不安を覚えるまでに月日はかからなかった。


だましだましここまで勝ち抜いてきたが、

控え組のスカウティング部隊が山内や選手たちだけに正確な情報を渡していた。


「山内、相手はかなり強いぞ。

特に戦術がしっかり浸透していて、前からの守備は脅威だし

相手の10番の能力はお前と遜色ない。」

そこまで言われて、あんな監督のボール際は強くいけだの気持ちで負けるなでは、

銃に竹やりで突っ込むようなもんだ。


「でも負けたくはないな~」

山内はもちろん勝つつもりだ。

そんな山内を選手みんなが見ている。


「絶対勝とうな。俺たちだけで」

山内がそう言うとみんなが頷く。


南東京高校と修王学院の選手たちが整列し、まもなく試合開始だ。

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