第66話「質VS団結力」
野球小説:ただ最強~春夏甲子園大会を5季連続優勝するまで~UPしました。
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帝東高校のキックオフで試合が開始される。
ボールを最後尾まで戻し陣地回復の為前方にロングキックする帝東。
ボールは江戸山中央ペナルティ付近まで到達する。
「ナイスボール」
CFの高木が190cmの身長を生かしポストプレーからOMFの中村に落とす。
中村はそのボールをトラップすると利き足である左足でシュートを放つ。
ペナルティーエリア右45度から放たれたシュートは、
前からプレスをかけようとした江戸山中央の目論見を壊すように
ゴールネットに吸い込まれる。
わずか15秒。
帝東高校が先制する。
この一発がすべてを決めてしまった。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
『わずか15秒帝東高校が先制!!』
実況の木村が叫ぶ
『江戸山中央DF陣の背の低さを突かれた失点でしたね』
解説の栗林が冷静に説明する。
『江戸山中央高校はビハインドでの試合を実は今大会経験していないので
これからが楽しみです』
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「わりぃ」
江戸山中央高校DF陣が攻撃陣に謝る。
「いやいやまだ時間はいっぱいある。
まずは自分たちのサッカーをしよう。」
攻撃の中心の小泉がチーム全体に声をかける。
だが内心はなかなか難しくなったと感じていた。
ここからの前半は小泉が思った通りに難しい展開になった。
帝東高校がもし先に点を取っていなかったらと感じさせるのは、その落ち着きであった。
江戸山中央高校のプレスはまさに一級品。
帝東高校メンバーが一番感じていた。
なぜならパスコースが全然ないからだ。
ビルドアップもままならないただ前に蹴るだけのサッカーを強いられているが、
先制している為割り切ってやれる。
またことごとくCFの高木が勝つために、攻めあぐねている感じもなかった。
逆に江戸山中央高校の方が良いサッカーをしているが、
プレスをかけて取れそうなところでボールを蹴られる為
徒労感が凄かった。
このまま前半が終了し、スコアは1対0。
両チームのユニフォームの汚れ具合がまさにスコアに現れていた。
帝東高校はまったく汚れもなく疲れもそこまでではない。
ただ質が高かったのだ。
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