第61話「インターハイ東京予選本選抽選会」
各支部予選を突破した64校で東京都予選本大会は開催される。
今日は各64校の代表者が集まり、組み合わせ抽選が行われる。
まず壇上に呼ばれるのは本大会から参加のシード校の4校だ。
顔ぶれはもちろん東京四天王の帝東高校・山王学舎・西湖大山辺高校・修王学院だ。
この4校が準決勝まで当たらないようにシードされる為、この4校を中心に抽選は進んでいく。
帝東ブロック・山王学舎ブロック・西湖大山辺ブロック・修王ブロックと必然的に呼ばれるようになる。
この中からインターハイへ行けるのは3校だ。
優勝候補はもちろん帝東高校。
あとの3校がどう食い込んでくるかがポイントだ。
早速4校の抽選が終了する。
ABCDの4ブロックで表示されAとB、CとDで準決勝が行われる。
帝東高校がAブロック。
西湖大山辺がBブロック。
山王学舎がCブロック。
修王学院がDブロック。
他の60校はどのブロックへ組み合わせられるのか各々の思惑が広がっていく。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「鳥海監督」
会場到着がギリギリになってしまっている。
前を走るキャプテンの宮本とマネージャーの長峰が後ろから追いかける監督に急ぐよう促す。
「わかっている」
息を切らしながらなんとか追いつき、抽選会場へと到着した。
「間に合いましたね」
長峰が南東京高校の座席を見つけ着席する。
続けて宮本・鳥海が着席する。
壇上にシード校4校が上がる。
「修王学院」
宮本が前監督が率いる学校を目前に隠し切れない想いが漏れる。
「鳥海監督はどこのブロックが良いとかありますか?」
長峰が率直な疑問をぶつける。
「そうだな。
率直に言うと西湖大山辺高校のブロックが良いな。」
即答だった。
「なんでですか?」
「それは、攻撃的なチームの方がやりやすいからだ。
うちも攻撃力が特徴な上に高橋を中心とした守備力も決して低くない。
バランスが良い帝東、守備が固い山王学舎、
なにより因縁が強い修王学院は難しい試合になると思う。
まぁ避けられたら御の字だな。」
「監督それフラグ回収しますよ。
うちのキャプテンは・・・」
支部予選も見事だった。
「自分は修王学院とやりたいです。」
真っすぐな目をこちらに向けてくる宮本。
「まぁ、どこでもいいよ」
結局はどこにでも勝たなければならない。
「南東京高校、壇上にあがってください」
係員が抽選を促す。
「じゃあ、行ってきます」
宮本が壇上へと向かい、クジをひく。
「南東京高校Dブロック49番です!!」
係員がクジを見てトーナメント表へ南東京高校のプレートを貼る
「見事修王学院のブロックですね。
しかも反対側なので当たるとしても準々決勝ですね。」
「そうだな。
さすがフラグ回収の宮本」
決まったからしょうがないがやりづらい相手ではあるな。
「監督ばっちり引いてきましたよ」
宮本は満足して帰ってきた。
「そうだな。さくっとリベンジするか」
選手はもうやる気に満ち溢れているんだな。
「はい!!」
二人とも気合の入った返事だ。
前監督のキャリアの凄さはわかっているが、監督の資質はチームを勝たせることにある。
それを証明したいと俺自身も強く思った。
「まぁ、まずはそこまで勝ち残る為に明日から頑張ろう」
先に負けてはなんの意味もないからな。
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