第31話「レギュラー組VSサブ組①」
実況・解説は『』で表現させていただきます!!
4月最終土曜日
時刻は11時
天候は晴れ。気温18度。
試合を行う環境としては申し分ない。
俺が監督として就任して1か月が立とうとしている。
まさかこの試合に今年の南東京高校の運命がかかるとは思わなかった。
久しぶりにレギュラー・サブ関係なく選手たちが集合している。
これから今日の概要を説明する。
「今日は南東京高校サッカー部として非常に重要な試合を行う。
レギュラー組とサブ組で紅白戦を実施する。
試合時間は前後半20分ずつ。
選手交代は自由だが、一度ピッチを出た選手を再度出場させるのはなしだ。」
両選手しっかりと話を聞いているな。
「指導者としては失格かもしれないが、
レギュラー組が勝てば今年のチーム運営に関して俺から何か言うことはない。
サブ組が勝てば、今後のチーム運営は俺が行う。
森山それでいいな?」
レギュラー組キャプテンの森山に最終確認を行う。
「もちろんです」
森山はきっぱり言い放つ。
「では15分後に試合を開始する。
あと監督の俺は今日の試合は外から見ているだけだ。選手同士で修正してくれ。
じゃあ、各自アップを始めてくれ。」
概要を聞き終えた選手たちは悔いのないようにアップを始めた。
『それではこれより南東京高校の運命をかけた紅白戦。
レギュラー組VSサブ組を開始します』
『本日も実況をさせていただきます木村です。以後宜しくお願いします。』
『そして今日の解説席にはこちら・・・
南東京高校鳥海監督に来ていただいています。
鳥海監督本日は宜しくお願いします』
『はい、宜しくお願いします』
『早速、今日の試合のみどころは教えていただけますか』
『そうですね、レギュラー組の練習は見ていないですから詳しくはわかりませんが、
前年のチームからやり方を変えていなければ、
個の打開力を中心に非常にアグレッシブにプレーしてくると思います。
昨年も試合に出場していたメンバーが多いので経験も豊富です。
それに守り切る力も抜群ですね。ただGKの高橋がいない分をどうカバーするかも注目です。』
『サブ組に関しては、個々のスキルは劣っていますので
やはりチームとしての連動性をいかに発揮できるかが重要になります。
この1か月で急激に成長しているとそばにいた私は感じていますので、
非常におもしろい試合になると思います。』
『ありがとうございます。
ここからは、各チームのラインナップをご紹介します』
『まずは、左から右に攻めます上下白のユニフォーム。
レギュラー組を紹介します。フォーメーションは4-4-2。
右から選手を紹介します。
GK 金沢
DF 林 前田 森山© 太田
MF 石原 玉木 渡辺 花田
FW 横山 佐々木
注目は、キャプテンの森山と副キャプテン玉木を中心に鉄壁な守備を構築し、
FWの佐々木の得点力で勝負していくことでしょう。』
『続きまして、右から左に攻めます上下黒のユニフォーム。
サブ組を紹介します。フォーメーションはおなじみの4-2-3-1.
こちらも右から選手を紹介します。
GK 高橋
DF 坂崎 鈴木 柏木 橋本
DMF 粕谷 宮本©
OMF 斎藤 佐藤 山下
FW 加藤
注目は、GK高橋と柏木の堅守。佐藤を起点とした攻撃。
キャプテン宮本を中心にいかに連動したサッカーができるのか楽しみです。』
「森山」
後ろを振り向く。
そこにいたのは宮本だ。
「なんだよ」
ぶっきらぼうに返事をする。
「いろんなもんがお互いあると思うが、この試合ではっきりさせよう。
悔いのない試合をしよう」
そう言って宮本は右手を差しだす。
「そんな試合にはならねぇよ。うちが圧倒するからな。」
差し出された右手を無視して森山は自分のポジションへと散っていった。
「宮本気にするな」
その光景を見ていた佐藤が声をかける。
「気にしてないさ。むしろあんなに余裕がないあいつを見たことない。
たぶん、うちを恐れているからあの態度だと思う。
俺たちはしっかり自分たちのサッカーをして、鳥海監督の戦術を実行するだけだ。」
そう言い放つ宮本に佐藤は声をかけるまでもなかったと感じ、
自分のポジションに戻っていった。
『両選手がポジションについたもようです。それではキックオフの時間です。
今、レギュラー組の佐々木選手がボールを後方に戻し試合が始まりました』
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