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Doubt common sense ~名選手が必ずしも名監督とは限らない~  作者: ぷやっさん


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26/72

第26話「決着 サイド:関東大瑞穂高校」

<名も無きCF視点>**

「マジで決めやがった。」

思わずそう呟いた。

いや、正確には――“決める未来を知っていたかのように”決めやがった。

そう感じた理由は、後半20分頃の会話にあった。

あの時、俺はずっと気になっていた疑問を志波にぶつけた。

「なぁ、凌馬。

なんで右足で蹴れば決まりそうな場面でも、左足しか使わねぇんだ?」

志波は両足で蹴れる。

それがあいつの武器だ。

なのに、今日は徹底して左足だけ。

志波は少し笑って、肩をすくめた。

「同点までなら左足だけで十分なんですよ。

でも“右足が使えない”と思わせておかないと、逆転までは辿り着けない気がして。」

「そんなもんか?

相手がおまえ止められるとは思えねぇけどな。」

実際、この時はマンマークもなく、志波は無双状態だった。

だが志波は、俺の背後――南東京の最後の砦を見据えていた。

「あのGKはレべチですよ。

DFは抜けても、その後ろが問題なんです。」

「そんなにか?」

俺には想像もつかない。

あのGKにシュートが入るイメージなんて、正直一度も湧かなかった。

志波は、まるで未来を見てきたかのような目で言った。

「右足でシュートを打つ瞬間が来るはずなんです。

それが“逆転の場面”だと思ってます。

なんとなくですけどね。」

そう言って、軽く手を振りながらポジションへ戻っていった。

――そして今。

「あいつが言った通りになっちまったな。」

預言者かよ。

そう思いながら、俺は逆転弾を決めて走り出した志波を追いかけていた。


「逆転ゴーーーーール!!!!!」

AT。

背番号10番、志波凌馬。

右足から放たれた弾丸シュートは、

南東京高校のゴール右上へ突き刺さった。

その瞬間――

主審のホイッスルが重なる。

試合終了。

「2対1!

関東大瑞穂高校、劇的勝利!!」

実況の木村が叫ぶ横で、

栗林監督は鳥海監督と静かに目を合わせていた。

(鳥海、まだ俺たちには勝てない。

またやろう。)

言葉にせずとも伝わる。

旧友同士の、静かな火花だった。


志波凌馬、歓喜の走り

「よっしゃぁぁぁ!!」

自分の右足から放たれたボールがネットを揺らした瞬間、

胸の奥から熱が溢れた。

気づけば、無意識にベンチへ走っていた。

待っていたのは兄――志波コーチ。

「約束は守ったぞ。」

「ありがとな。」

兄弟の短い会話。

だが、その一言にすべてが詰まっていた。


1軍、帰還

「いや~ドキドキしましたよ。」

声の方を見ると、

ベンチ裏に14名の選手が立っていた。

関東大瑞穂高校1軍。

昨年の神奈川王者。

今年プリンスリーグ昇格を狙う精鋭たち。

「凌馬がマンマークで苦しんでるとこから見てました。

声かけられる雰囲気じゃなかったんで、逆転してから来ました。」

その中の一人が志波コーチに近づく。

「そっちの試合はどうだった?」

「いや~なんとか引き分けです。

FC横浜、やっぱ強いっす。」

「そっか。」

志波コーチは想定内といった顔で頷く。

「じゃあ栗林監督に挨拶して帰ります。」

1軍は解説席へ向かう。


栗林監督と1軍

「栗林監督!」

「お疲れさん。

結果は……まぁ、引き分けってとこか?」

「頑張って引き分けでした。」

「悪かったな。

凌馬をこっちに出したから、おまえらの司令塔がいなかった。」

「そうですよ!

攻守の柱がいないんですから。

しかもこっちの試合見たら、凌馬がウイングやってるし……

目を疑いましたよ。」

そう、志波凌馬の本職はウイングではない。

「2軍の試合に出すのに、なんでボランチで使うんだよ。

あいつには“自分で突破してゴールを奪う”意識を持たせたかった。

だからウイングで使ったんだ。」

栗林は笑いながら言う。

「まぁ、兄貴の方は最後まで悩んでたけどな。」


そして、次の戦いへ

「来週からプリンスリーグ関東が始まる。

気を引き締めていくぞ。」

「はい!!」

関東大瑞穂高校にとっても、

南東京高校にとっても、

この試合は“ただの練習試合”ではなかった。

それぞれの未来を変える、

大きな意味を持つ一戦となった。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!

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