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7番目のシャルル、聖女と亡霊の声  作者: しんの(C.Clarté)
第三章〈大元帥と大侍従〉編

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25/97

勝利王の書斎13:ワインに水を注ぐ

 第二章から第三章へ——。

 《《勝利王の書斎》》は、歴史小説の幕間にひらかれる。


 こんにちは、あるいはこんばんは(Bonjour ou bonsoir.)。

 私は、生と死の狭間にただようシャルル七世の「声」である。実体はない。

 生前、ジャンヌ・ダルクを通じて「声」の出現を見ていたせいか、自分がこのような状況になっても驚きはない。たまには、こういうこともあるのだろう。


 ただし、ジャンヌの「声」と違って、私は神でも天使でもない。

 亡霊、すなわちオバケの類いだと思うが、聖水やお祓いは効かなかった。

 作者は私と共存する道を選び、記録を兼ねて小説を書き始めた。この物語は、私の主観がメインとなるため、《《歴史小説のふりをした私小説》》と心得ていただきたい。


 便宜上、私の居場所を「勝利王の書斎」と呼んでいる。

 作者との約束で、章と章の狭間に開放することになっている。



 少年期編から恒例となっている、各章冒頭を飾るフランスの慣用句シリーズ。

 今回は……。


 "Mettre l’eau dans son vin,"


 直訳すると「ワインに水を注ぐ」だ。


 読者諸氏の多数を占める日本語話者からすると、「水を差す」「質が落ちる」など、良くない状態を想像するかもしれない。

 しかし、この慣用句は「濃いものを薄める」という意味から転じて、「性格が丸くなる」「野心を抑える」といった意味になる。


 作中、この時代のリッシュモン大元帥は、まさに濃すぎるワインのような性格だ。

 強すぎる正義感・潔癖ぶりを抑えて、もう少し柔らかく丸くなってほしいものだが……・

 リッシュモンが芳醇なワインだとしたら、ちょうどよく薄める「水」の役目を果たすのは一体誰だろうな?


 さて、時間が来たようだ。

 これより青年期編・第三章〈大元帥と大侍従〉編を始める。



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