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7番目のシャルル、聖女と亡霊の声  作者: しんの(C.Clarté)
第十一章〈異端審問と陰謀〉編

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【資料・対訳】アラン・シャルティエの演説(discours de la mission d'Allemagne)

 第十一章〈異端審問と陰謀〉編「11.18 シャルティエの演説(2)シャルル七世の親書」で参考にしたスピーチの原文を翻訳しました。


 1424年または1425年、シャルル七世の使節として皇帝ジギスムントに謁見するためにウィーンとプラハを訪れたときのもので、2回スピーチしたようです。


 当時、シャルル七世は21〜22歳。シャルティエは39〜40歳。


 アラン・シャルティエの作品目録に載っているものの(Premier discours de la mission d'Allemagne/Second discours de la mission d'Allemagne)、web上を探してもスピーチ原文は見当たらず、いつか読んでみたいと思っていたところ、私訳中のガストン・ボークール著『シャルル七世の歴史』で発見!!


 作中では、テンポとわかりやすさを重視して、冗長な部分を省きましたが、このページでは全文を紹介します。




============

L'amitié que le Roi avait pour l'empereur était fondée sur la nature et sur le sang ;

obscurcie un instant, cette alliance était un héritage qu'il devait transmettre à ses descendants.


国王と皇帝の友情は、自然と血統の上に築かれたものであり、

この同盟はほんの一瞬、不確かな状態になったが、

国王が子孫に受け継がなければならない遺産といえる。


La maison de France n'était pas réduite au désespoir.


フランス王国が絶望に打ちひしがれることはない。


A un roi inexpérimenté ou affaibli par la maladie, avait succédé un prince d'un caractère grave, que la nature avait orné dès l'enfance de tous les dons de la grâce et île la beauté ;

il restait au royaume ses forces, son antique courage, des provinces nombreuses, des villes florissantes, des forteresses.


未熟な国王は病気で衰弱していたが、

幼少の頃から自然が育んだ気品と美貌を備えた

重厚な王子が後を受け継いだ。

王国には力強さと古くからの勇気、

多くの地方、繁栄した都市や要塞が残された。


La France était abattue, non écrasée ;

les ennemis, en massacrant ses défenseurs, s'étaient épuisés eux-mêmes.


フランスは敗北したが、滅亡したのではない。

敵はフランスを守る者たちを虐殺し、自らを疲弊させた。


L'antique alliance avec l'Empire, gravée dans les cœurs, inscrite dans les archives, confirmée par des serments, l'empereur l'avait renouvelée à son avènement pour lui et ses successeurs.


人々の心に刻まれ、古き文書に記録され、

誓約によって確認された神聖ローマ帝国との古くからの同盟は、

皇帝が即位した瞬間に子孫へ受け継がれた。


C'est par cette alliance que pouvait se relever l'héritier du royaume, abaissé par ses ennemis, livré aux séditions par la faiblesse de princes, trop confiants ou trop indulgents, qui ont soutenu de leur autorité les crimes populaires.


信じすぎたり、優しすぎるあまり、

民衆の罪をその権威で支援する諸侯の弱さのために

敵に貶められて悪意に屈したフランスの後継者は

帝国との同盟によって、再び立ち上がることができる。


C'est sa propre cause que l'empereur défendra en prenant en main les intérêts de la France et en empêchant qu'elle ne tombe aux mains de l'iniquité.


皇帝が自らの手でフランスを守り、

不実な簒奪者の手に落ちるのを防ぐのは、

皇帝自身の大義である。

============



 シャルティエは1430年没。享年45歳。


 このときの演説を大衆向けに寓話化したのが遺作『希望の書』ではないかと考えてますが、そうだとしたら「希望」を邪魔する「忘却の石」とは、シャルル七世を廃嫡して《《なかったこと》》にしようとするトロワ条約を指しているのかも。



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