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9 エピローグ 神様のいる山の頂上
エピローグ
神様のいる山の頂上
愛を見つける。
あなたと(君と)出会う。
神様の住む山の頂上には一本の木があった。
それはあの幸多の教え子の言った通りの風景だった。
その木には不思議な力があって、……遠くの世界にいってしまった大切な人ともう一度、その場所でなら、出会うことができるという伝説がある。
大きな木の根元に、二つの小さな花(白い花と赤い花だ)が咲いている。花は風に吹かれて、ゆっくりと、まるで小さく笑うように楽しそうに揺れていた。
その場所にたどり着いて幸多は彼女を待とうと思ったのだけど、やがて疲れていたのか、その木の根元でぐっすりと眠ってしまった。
それからどれくらいの時間が立ったのだろう?
「幸多さん」
そんな声を聞いて幸多はゆっくりとその目を開けた。
するとそこには、……天音がいた。