再開と別れ
自分で書いていて途中…なんか薄っぺら〜っと思ったけどどう直せばいいかわからなかったので次回を濃くします。
気を失った少女は、白いベットの上で眠っていた。
少女の服や体に付着していた血は洗い流し、服は代わりにスキルで創り出した白いワンピースを着せている。腫れていた目元も治癒魔法で治した。
「とても…。辛かっただろうな…。」
そう言って少年は寝ている少女の頭を撫でた。
(あっ、そうだシーフェに頼まないと…。)
―スキル【通信】を使用します―
「お〜い。シーフェ〜!3つお願いがあるんだけど…」
「はい、見ていたので想像はつきます。お任せ下さい。」
「あ、よろしくね。」
そう言い終わって通信は切れた。
「あっ、もう昼…。ご飯でも作るか…。人界に降りて数時間…。早速バレちゃったよ…。まあ、バレたものは仕方ないよね。それにあんな記憶見て放っておけるわけないじゃん。」
記憶と一緒に少女の感情が流れ込んで来た。『怖いっ!』『やだ!』『助けてっ…!』恐怖の感情はとても強かった。その事を考えながら僕はご飯を作っていた。【創造】を使い食材をまとめて創り。使わない食材を【アイテムボックス】に入れた。
(さて、何を作るか…そもそも食べてくれるかな…。)
りんごとサンドイッチを用意した。サンドイッチは1口のを何種類か作った。イチゴジャム、たまご、ハム他にもいろいろ。種類豊富だ。りんごはうさぎ型にした。水と瓶に入った金平糖もトレイに乗せて二階の部屋に持って行った。(辛い時は甘い物だよね?)入った時少女はもう起きていた。僕が部屋に入ると、僕に気付いたのかえしゃくをした。僕が近づくと、少女は少し怯えていた。(まぁ、そりゃそーだよな。目の前であんな殺気放って…。人を殺したんだからな…。)
少年の思っている事もあながち間違ってないのだが…。1番は無意識に放っている魔力だった。魔眼はそのものの魔力を見ることが出来る。目の前の少年は尋常じゃないほどの魔力量だった。少年のうちから流れてくる魔力は絶大だった。少女は、目の前の少年がほんとに神様だと実感させられていた…。
怯えながら少女は口を開いた。
「神様…。助けてくれて…ありがとうございます…。」
「怯えなくていいよ。危害は加えないから…。お礼も要らないよ。あれは。あの人間は心が穢れすぎていたから…。あの人間を放って置いたらもっと被害が出ていたからね。人界に降りて早速バレちゃったね。あはは…。」と、少年は苦笑いをした。
「あ、あのっ!わたし…!今日のこと…神様のことは誰にも言いません…っ!」オドオドしたように少女が言った。
「 ありがとう」僕はお礼を言いながら、笑顔で答えた。
「ところで君はこれからどうするの?」
「えっと…それは…。あの家で暮らし…ます…。」
「1人で大丈夫?もしもだけど良かったら、僕らと一緒に暮らさないか?」
「え…??私は人間であなたは神様なのに…?」
「うん。いいよ。バレちゃったしね。それに君一人だとまたあーゆー事になりそうだから、その方が君にとっても安心なんじゃないかなぁ…。それに。この家、でかい割に住人が2人だけだからさ…。ちょっと寂しいんだよね…。君が良かったらだけど。どう?」
「なら、よ、よろしくお願いします…っ!」
「よし!じゃぁ!許可取りに行こうか!!」
「え…?誰にですか…?」
「君のお父さんとお母さんだよ。」にっこり笑って少女に返した。
「え?」少女はぽかんとしていた。だって、お父さんとお母さんはもう死んでいるのだから。
―スキル【通信】を使用します―
「シーフェいた?」
「ふたりともいましたよー!2年も人界にいたら危ないのに母親の方は精神力が凄いですね…。娘のことが未練になっていたのでしょうね。」
「おお!良かったっ!ちゃんと2人にあえるね。」
「え?会える?お父さんとお母さんに…?どういうことなの?神様…誰と話してるの…?」
「あぁ、シーフェだよ。僕の眷属…。うーんと。僕の息子みたいな感じかな。着いてくれば分かるよ。ところで君名前は?」
「リオって言います…。」
「じゃぁ、リオ僕に捕まって、行こう。」
「は、はい!」
―スキル【テレポート】を使用します―
僕らが飛んだ場所は少女が暮らしていた家だった。
少女が誘拐され、父親が殺された場所…。だがそこには父親も血痕もなかった。そして、母親の墓の隣にもう1つ墓があった。
少女の心は静かに沈んでいった…。僕はリオに諭すように言った。
「リオ。君のお父さんとお母さんは死んだ。これは不幸だ。そして、僕も死者を蘇らすことは出来ない。それに干渉すると世界に歪みが生じてしまう……。だが、蘇らすことは出来なくても少しの間なら話すことは出来る。今から、君のお父さんとお母さんに合わせてあげる。でも、制限は1時間。これを超えると君は精神と肉体が分離してしまう。お母さんに守られたその命大事にするんだよ。1時間の間にたくさん甘えてたくさん話をしなさい。分かった?」
「はい…。分かり…ました…。ありがとうございます…。」
リオは涙をポロポロ落としながら約束した。しばらくして、リオは泣き止んだ…。
「このドアの先に君のお父さんとお母さんがいるから。さぁ、言っておいで…。」
ドアを開け、少女の背中をそっと押し出した。少女は前に走っていった。光の先から見えるのは大人2人の影…。リオのお父さんとお母さんだ……。
リオはお父さんとお母さんを見た瞬間。さっきまで止まっていた涙は大粒の雫となり少女の頬を伝った。2人はリオを優しく包み込むように抱いた。
「おとーさん…っ!おかーさんっ!う”わ”ぁ”〜ん。」
「「リオっ!!」」
そうしてしばらく3人は抱き合ったまま泣いていた。見ていたら、隣にいつの間にかシーフェがいた。
「シーフェ、ありがと。シーフェのおかげだよ。」
「いえ、いいんですよ。主の願いをサポートするのが眷属の役目なんですから。」
と笑顔で言ってくれた。
(ほんとにいい眷属を持ったものだ…。)
しばらくして親子は色んなことを話していた。楽しかったこと辛かった事やってみたいこと。
かれこれ話して45分程時間が経った………。
(そろそろ言うか……。)
「もうそろそろ時間です。それと僕からあなたがたご両親に相談があります…。」
「はい。上から見ていたので把握はしています。何卒、娘をよろしくお願いします。」
「娘を強く育てて下さいねその子がまた、酷い目にあった時自分の力で切り開けるように……私たちの分まで娘に愛情を注いであげてください。それとしたい事をさせてあげてください。
」
「はい、任せてください。」
僕の言葉を聞いた時2人はお互いを見て笑っていた。
「リオ…神様と仲良くな……?」
「うんっ…!」
「もっと大きくなってね。幸せになってね。」
リオの母親は泣きながらリオに言った。
「うん!大きくなる。幸せになるよっ…。」
リオは笑いながら泣いている。お別れの時間は刻々と過ぎてゆく……。
「そろそろ……。」シーフェが言った。
「はい。分かりました。じゃぁ、リオお別れだ…。」コクっと頷き父親は言った。
「おとーさん。おかーさん。私、大きくなる!強くなっていろんなとこ旅しておかーさんや、おとーさんの分まで人生を楽しむからね……っ!」
「ああ、頼む!」父親は笑顔でリオの頭を優しく撫でた。
「「リオ…(愛してるよ。)わ。」」
そう言って2人はリオを強く抱きしめた……。
「じゃぁ、バイバイ。」
リオは2人に向かって笑顔で別れを言った。そして、扉の外に出た。リオが先に出て行くと…。
父親と母親に止められた。
「?」
「娘のことを頼んどいて何だが、もう1つ頼みたいことがある。俺たちの家と墓を娘の住む場所の近くにテレポートして欲しい。体だけでも、そばにいたいんだ……。」
「分かりました、お安い御用です。」
それを聞いて2人は喜んでいた。
「「ありがとう…ございます…。神様…。」」
「ではお元気で。(死んでるのにお元気ではどうかと思うが…)来世は少し優遇するから。シーフェあとの事よろしくね。」と少年は笑顔を漏らした。
「仰せのままに…。」シーフェは目を細め笑っていた。
それを聞いたあと僕はドアを開けた。
(この世界の生きとし生けるもの達は死んだら別の者へ生まれ変わる。種族、動物、魔物、植物全て。輪廻転生する。
いつか、3人が会える時が来るだろう…………。)
僕は扉をくぐる時そう考えていた…。
通ったあと、何かが当たってきた。リオだ。リオは僕のお腹に顔を埋めている。
「帰ろ。リオ…。」
「うん。…グスンッ」
―スキル【テレポート】を使用します。―
僕は、スキルを使って、リオのご両親との約束通り家周辺を我が家の近くへ移動させた。そして。僕達も帰ることにした。
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