新居…そして少女と罪人
ちょいグロイシーン?があります。
(中間から下)
鏡を通った先には、直径20メートルほどの大木があった。広葉樹のような木だ。僕達は鏡の外にあった広大な自然に目をうばわれた。
「よっと。おー。でかいね~。」
『ですね…。すごく…、大っきい…。』僕の横にたっている眠たそうな少年がそういった。今、ファーニルは人型の姿をしている。人型の方が小さいから、通りやすいだろう。とのことだ。(まぁ、体長は自由自在なんだけど…。人型の姿、気に入ってるらしいからいいか…。)
『主様、人界…来ましたけど…。どうするんですか…?』
「んー。そうだなぁ。まず、家がいるね。よし。つくるか。」
僕は早速、【編集】をつかった。(今から見せよう。このスキルがどれほど便利でチートなスキルかを……。)
―スキル【編集】を使用します―
編集を使うのはもちろんこの大木だ。それと、
―スキル【鑑定】を使用します―
鑑定も同時進行でつかう。
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種名:ラージウッド
特徴:1000年かけて直径50メートルの大木になる。
とてもしっかりしている。
【編集】を使うと…。
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種名:ラージウッド
特徴:1000年かけて直径50メートルの大木になる。
とてもしっかりしている。根元に高さ3m横13m縦12m程の箱のような空間が中にあり、ドアが着いており、お風呂とトイレも1階の隣についている。かいだんがあり、2階に2部屋気の側面側に窓がついている。1階から地下に続く階段がある。地下は高さ90メートル横120メートル縦110mの長方形の空間がある。かいだんが接していない周りの3つの辺を覆うように横幅6メートルの川が流れている。地面は草が生えており、所どころに、りんごのような赤い実をつけた木が生えていたり、野いちごのようなものがちらほらある。上を見るとところどころ木の根が見えてる。階段の正面の面に縦横4mの穴が空いているそれは、地上に続く道。地下がこうなっているが、根が腐ったり、枯れたりすることは無いので。成長に支障はない。
「編集完了っと。さて、上手くいくかなぁ。」
早速木の表面に現れたドアを開ける。
ドアの先には木の温かみがある部屋があった。
「おおー。上手くいったらしいね。」
『おお〜…凄いですね〜…。』
(新築の木の家の匂いがする…。)
「ファーニル。2階と地下見てくるから、鏡みてもらってていいかな?」
『分かりました。行ってらっしゃいませ。』
ファーニルに見送られ、先に2階をみにいった。2階も編集の時に設定した通り、2つの部屋があり、一つは区切られていた。
「うん。いい感じだ…。次は地下だな。」
そう言って僕は1階へ戻り。地下へ向かった。階段を全部降りるのはめんどくさかったので、階段の横から下を覗いた。
「うわぁ〜!すげぇ。いいかんじだね。」
書き加えたとおり、の場所だった。とても良さそうだ。
「よし、ファーニル呼ぶか。」そう言って僕は1階に戻った。
「ファーニル、ちゃんと出来てたから、来ていいぞー。」
『分かりました…。ところで、この鏡どうしましょう。』
「あー。それなら…テレポート…」
―スキル【テレポート】を使用します―
その瞬間、鏡は消えた…。
『主様…。鏡どこにテレポートさせたんですか?』
「ん?地下だよーあそこなら広いしバレることもないだろ。」
『あっ、なるほど…。』
「さっ、行くぞ〜。」
『は、はい…』
1階と、2階はすこしみただけだった。僕達は地下に行く階段を降りていた。
「ファーニル!地下すごいから!期待していいぞ!!もーすぐだ!」そう言ったと同時に地下の風景が見えた。
『うわぁ〜!!凄くいいです!しぜんってかんじです!寝たら気持ちよさそう……っ!!』といいながら、ぴょんぴょん跳ねていた。眠たそうな目がとても輝いている。(うん、可愛いわ子供ぽい…)ファーニルが風景を見ている横で、僕は鏡を見つけた。
(良し。あるね。)
「ところでファーニル。どこに住みたい?ここか、2階か。」
『こっちです!!』
(即答かよっ!まぁ、確かにここいい場所だからな。ドラゴンだし自然に近い方がいいのだろう。)
ファーニルは、ドラゴンの姿に戻り、直径10m程の小島のような川の真ん中にある地面に横になった。
(うわぁ。ザ!ファンタジーだな…。)
寝てしまったファーニルを置いて僕は1階へ戻った。
「家はあるけど家具とかが無いから作らないといけないな。」
―スキル【創造】を使用します―
机
椅子
食器棚
台所
ベット
ソファー
など様々なものを作っていった。
「ピロン!」
いきなり、頭の上から妙な音が鳴った。
―スキル【通信】を使用します―
(ん?あぁ。シーフェからの通信か…。)
「主様ー。聞こえますかー?」
「うん。聞こえるよー。」
「上から見てましたけど…。素敵な家が出来ましたねー。」
「だろー。僕もそう思うよ。ファーニルも気に入ってたし。で、どうしたんだー?いきなり通信かけてきて…。」
「あぁ、それは、暇だったから…では無く。これを送るためです。」(おい、今暇って…)そう思っていると。あの空間にあった本に似た物と紙とペンが送られてきた。
「記入漏れがあった場合、訂正できるように、渡しておきますね。」
「あぁ、ありがとう!」
「ところで、何故こんな場所にしたのですか?人間たちの住む場所から結構離れてますけど…。」
「まぁ、第1に神様だってバレないようにするためかな。あと人間が大勢いるとこに行きたくない。(バレたら怖いからな…。)まぁ、そういう事だ。」
「な、なるほど…。あっ。さっき使ったテレポートですが、400キロ先まで効果を発揮したみたいですよ。テレポートで動物やら魔獣、植物が何個か移動してます。あっ、3キロ先に人間が2人いますね。1人は大人の男、もう1人は小さい女の子…って、なんか様子が変ですよ…!女の子の方は血塗れですね…。返り血のようなものが付いています。男はその女の子に鎖を付けてますね…。恐らく拉致でしょうか。返り血は多分、親族のものでしょうか。」
「場所は?」
「ここから西に3キロ先にいます!今度は力加減間違えないで下さいね。」
「わかった…。」
―スキル【テレポート】を使用します。―
そして3キロ先にいた2人の前に1人の少年が現れた。
森の奥深く、男は怒り叫んでいた。
「ちくしょぉ!ここ何処だよ!」と怒鳴り散らしながら道を歩いていた。後ろにはジャラジャラと音を鳴らしながら鎖に繋がった少女が着いてくる。正確には大きな麻袋に入ったまま引きずられて…。
今から、1時間前…。
「ここからは、先にある馬でこいつを運ぶぞ!!!」
男がそう言うと、
「「はい!」」と、後ろから下っ端の声が聞こえる。男は内心こう思っていた。
(ほんとにこんなガキがいるなんて、きっと大金が手に入るぜっ!親の方も結構額ためてたしよぉ!)と、男はにやけていた。
この男は、途中立ち寄った村である情報を聞いた。不思議な目を持つ少女がちょっと先の村にいるらしい。この情報を聞いた男はすぐさまその村に向かった。その男は悪質な奴隷商人だった。金になりそうなものを違法に奴隷に落とし、その金で懐が越え太っていた。そして、目的地だったその村についた。その村の離れたところに小さな家がぽつんと1件建っていた。息を潜めて待っていた…。すると、7歳くらいの女の子が出てきた。
その女の子は紫檀色の髪に、白群色の瞳を持つ少女だった。
一見普通の女の子だと見ていると。一瞬目が光った。
「おとーさーん!今日の夜は雨降るよー。」
「ああ!わかった。しかしすごいな〜魔眼は。いつもありがとな。」
「うん!もっとおとーさんの役に立ちたいもん!」
「ありがとう…。」
そう言って父親はその子の頭を軽く撫でた。
茂みに隠れてそれを聞いていた。男は…。とてもゲスい顔をしていた。(いい事聞いちまった。まさか魔眼だなんてな…。)
―魔眼…それは、8000万人に1人の確率で生まれる特別な眼だ。魔眼は、空を読み天気を知ることができ、人物がどれ程の魔力を秘めているのかわかる。そしてまだ明かされていない不思議な力まであるとの事だ。―
その魔眼持ちの少女が今、目の前にいるのだ。欲しくないわけが無い。だが。ここで問題があった。捕まえても、父親にバレたら入手困難…。即兵士に捕まり連れていかれるだろう。さて、ここで問題だ。そうならないためにはどうしたらいいか。答えは簡単だ。
殺せばいい。
下っ端に娘を捕えさせ父親を殺せば簡単に手に入る…。
そうと決まれば、即決行だ。
そして。下っ端が娘に近ずいて行った。
「おじさんだっ…れ…。」下っ端は少女のお腹をつき少女を気絶させた。娘の声につられて出てきた父親を男が…「グサッ!」男は心臓の部分を思いっきり刺した。その時たくさんの血が出た。その血は下っ端と少女にかかった。そんなことお構い無しに、下っ端は、少女に、手錠をつけ麻袋に入れ、男達は家の中を漁り、金目の物を全て根こそぎ奪い取り、森の中へ颯爽と消えていった。しばらく歩いていると少女が目を開けた。少女は声に出さなかったがとても驚いていた。このような事が前にもあったからだ。2年前当時5歳の時、少女は誘拐された。その時はすぐに見つかって少女は無事だったが…。キレた誘拐犯が腹いせに襲ってきた時だ。母が咄嗟にかばって死んでしまった。致命傷だった。腹部を思いっきり刺され、出血死だった。その時に漂っていた匂いが自分からしていた。正確には少女の服から…。何故こんなに血の匂いがするのか…少女は考えた。お腹は多少痛いが血は出ていない。しばらく考えていると。自分を担いでいる男が喋り出した。「あの男あっけなく死んだなw!」
「そりゃそうだろ。心臓ひとつきだぜw!」
「しかも娘に大量の血を浴びせてなw!」
男達の言っていることが理解出来なかった…。(おとーさんが死んだ?そんなことあるわけ…。)と思うが…、自分の服や手に付いている赤い液が真実を物語っている。
『おとーさんは死んだ。』
その事が少女の心を締め付けた。そして起きていることがバレないように手で口元を抑え、嗚咽を漏らさないようにした。それからしばらく経って少女を担いでいた男が「どこだここは!!」と、大声を出していた。むしゃくしゃして男は麻袋を地面に雑に置いた。「わっ!」女の子が入っていた麻袋から声が聞こえた。「おい!ガキっ!!起きてるだろ!ここがどこか教えろ!!」といいながら、麻袋の口を開けた。そこには先程の、可愛らしかった少女の目元は赤く腫れ上がっていた。そんなことお構い無しに男は続ける。「てめぇ!ここがどこか教えろっ!!」
「し、知らない…っ。」少女は怯えていた。自分の父を殺した男に恐ろしい顔で迫られているのだ。恐ろしくない訳が無い。
ちょうどその時目の前におおきな木が見えた。そして、少年が少女の視界に現れた。少女は、少年の方を見た。もしかしたら助けてくれるかもしれないと思いながら…。
怒鳴っている男も少女の視線の先を見た。
「あ”?誰だ小僧っ!」
「誰だと言われても…。ただの小僧ですよ…。」笑顔で言っているのに対しその声には怒気と殺気が含まれていた。
その声に少女はビクッとした。男はそれに気づいてないのか言葉を続ける。
「なら小僧っ!ここは何処だっ…!!!?」と笑っていた。
誰に喧嘩を売っているのかも分からず…。
「ここはアルカナの森だよ…。あるいていたら、あなた達が見えたもので…。そこの少女の父親を殺し、この子を違法で奴隷に落とそうとしていたらしいですが。そうはさせませんよ。ダン・タールさん…?」と言いながら、少年は男を睨んだ。
「……てめぇ!なんで俺の名前を知ってやがるっ!」
男は持っていたナイフを振り回し言った。
「少しあなたの過去を見させてもらいました…。ついでにそのこの過去も…。」
僕の鑑定は人間のものとは少し違う一般的なものと同じくそのもののステータスを見ることができるが…。僕のは過去も見ることができる。やろうと思えば未来も……。そして、過去を見た僕はとても怒っていた。それはもうとてつもなく……。この男…ダン・タールは、隣の少女の父親を殺し、親子の未来を奪った。それだけではない。少女にとてつもない悲しみを植え付けた…。そして、過去にも同じようなことを幾度となく重ねている。密輸に拉致…。ここで僕が見逃したとしても未来で同じことが繰り返されるだろう…。そしてこの少女のような悲しみを背負ってしまう。それは阻止しなければならない。罪人には鉄槌を下さなければ………。
「はぁ!?過去をみるだ〜?!嘘抜かせっ!そんなことできるわけないだろ!神じゃあるめぇし!」
「そうだったら…?」冷たい声でそう告げた。
「は?」
「もし僕がその神だったらなんなのさ…。」冷ややかな目で睨んだ。その怒気が含まれた殺気を浴びながら男は言った。
「だったら証拠を見せてみろよっ!!神なら創造で宝石の山でも出してみろよ!」そんなことを言うので少年は仕方なく創造を使いルビー、エメラルド、サファイア、ダイヤモンド、アクアマリン、アメジスト等の宝石を山のように作った。
それを見た男は(こいつはすげぇ。だが、似たようなスキルはあるはずだこいつだってどうせ偽物だろ。)と全く信用していなかった。その創造と似ているスキルを持つ小僧を捕まえ己の利益にしようと考えていた。
そんなことを思う男の体に異変が起こった。「うぐっ…!」心臓が止まったのだ。
「知ってる?自分たちを創造した者を否定すると。 その身体は生命活動を停止するんだよ。作ったものを否定する行為は自分を否定しているようなものだしね?」少年は目の前でもがき苦しむ男に向かって言い放った。
意識が霞んでいく中で男はこう思っていた。
(こんな小さい小僧が神なのか…。俺は…俺は全部見られてたってのか!?…やだ!まだしにたくねぇッ!!俺はもっと…)そう考えた瞬間…スパンっと男の首が風に切られ跳ねた。
少年は冷たい声で「見苦しい。まだ欲をかくか…。これまでしてきたことを悔やむまで次の人生はないと思え…。」そう言った。そして、魂のような白いものが天に昇っていくといきなり現れた稲妻によって消えていった。
少年からの殺気が消えてほっとしたのか少女は気を失った……。
そして、少年は少女を抱き上げ家に戻った。
作文用紙12枚
合計46枚