これは敬意の誓いだった、
3ヶ月以上も投稿せずすみませんでした。
次の日。夜は早起きをして既に起きていたリーシアに魔力を宝石に移してもらい、ジェイソンと一緒に朝食の準備をした。
リーシアに包丁を持つのは危ないと心配された為、夜は卵を割ったりかき混ぜたり皿の用意を手伝った。
料理の手伝いを終わらせ、夜は昨日買った子達の様子を見に行った。
疲れもあったのだろうみんなぐっすり眠っていた。
保温魔法を建物全体にかけているから冬場でもとても暖かい。双子の姉弟を見てみるととても気持ちよさそうに眠っている。つられて夜も眠たくなってきた。
もう少し寝かしておこう。
夜はリーシア達のもとへ戻った。
そして昨日掃除途中に見つけた2枚の封書について話した。
「とりあえずみてみようか…。」
そう言って夜は封書を破き中の内容を読んだ。
『初めまして。私はこの教会の修道院長をしていた者です。この建物を購入された方にどうかお願いです。ここをこの孤児院を引き継いで頂きたいのです。再開して欲しいのです…。この孤児院はもうすぐなくなってしまいます。教会からの支援が無くなり、売りに出すとのことです。孤児院が無くなれば幼いまま命を落とす子供たちが増えてしまいます。この土地は子供たちには生きにくい土地です。ここの領主はどんなに領民が苦しんでいても助けてはくれません。道端で人が亡くなっていても放置したままで衛生面でも領民に手を差し伸べないのです。子供達は主神様の宝です。あの子たちを救って欲しいのです。ですからお願いです…どうか…どうか…子供たちを助けてください。』
その手紙には水滴のあとも残っていた。きっと涙を流しながら書いたのだろう。
もうひとつの封書は見るからに量が多かった。中を見てみるとさっきの修道院長とは違う別の人物が書いた手紙だった。そこには教会の悪事が書かれていた。教会の偉い人は私腹を肥やしている人物で教会側の支援が無くなったのもここの土地が売られるのも借金の方にされたからだという。主神…つまり夜の名前を使って金儲けをしている教会を信じてはいけないという文が綴られていた。
僕の事を崇拝してくれている修道院長の願いを無下には出来ない。
ここの孤児院を復活させよう。まずこの人探さないとな。
隣でふつふつとリーシアが何やら怒って
いるが…
「りーしあこのてがみをかいたひと、みつけれる?」
(リーシアこの手紙を書いた人、見つけれる?)
リーシアはハッとして「はい!可能です!」と答えた。
「じゃぁ、このてがみをかいたひとをみつけてここにつれてきてほしいな?あとそのひとにはぼくのことはなしていいよしんじてくれないかもだけど。」
(じゃぁ、この手紙の人を見つけてここに連れて来てほしいな?あとその人には僕のこと話していいよ信じてくれないかもだけど。)
僕らはここに長居するわけじゃないし、支援はするけど元いた人に経営は頼もう。それにこの修道院長さんには本当の事を言った方がいい気がする。
「分かりました。探して連れて来ます。」
二つ返事でリーシアが夜に言った後リーシアはジェイソンにいくつか何かを渡した。
「私がいない間主様を護ってください。主様はなるべくジェイソンと共に行動して下さいね。後こちら昨日作った魔道具です。触れていると魔力を吸い出してくれます。身につけていてください。」 そう言ってリーシアは夜に首飾りを渡した。
「わかった。ありがとう。」
「では行ってまいります。」
そう言ってリーシアはテレポートを使ってどこかへ消えてしまった。
「そういえばじぇいそん、りーしあになにわたされたの?」
(そういえばジェイソン、リーシアに何渡されたの?)
「こちらです…。」ジェイソンは恐る恐る夜に見せた。
「わお。」そこには赤い刃の短剣や拳銃があった。
リーシアの事だ。きっと普通の武器じゃない…。危ない目に遭わないように注意しよう…。
朝食も出来たので寝ている子達を起こし朝食を食べた。
キッシュ、スープ、ミルク、パンと結構多めに作った。子供達は沢山食べていたので安心した。
朝食が終わり片付けの手伝いをしたあと教会に向かった。
奥には赤子や植物、獣や魔物を抱いた男の彫像があった。
「これがぼく…」
この世界で夜は創造主である上に全てを慈しむ神として崇められている。
僕はこんな立派な神様になれるのかな…。
なれるといいな…。
そんなことを思いながら教会を後にした。
この孤児院を独り立ちさせるだにはまず自給自足だよなぁ。ここの国自体物価高いし。そういう事で畑を作ることにした。でも道具がないのでジェイソンと一緒に商業ギルドで買い物に行く事になった。その間他の奴隷達はお留守番だ。
商業ギルドで鍬、野菜の苗、肥料をまず買う。その後シーツだけでは寒いので衣類が売られている場所で毛皮や毛布、何着か衣服を購入した。フライパンなどの調理器具もだ。やはり高い…。食料は沢山買い溜め作り貯めして魔法鞄に入れているので問題ない。
「ほかになにかいるものってある?ジェイソンなにかほしいものある?」
「食器ですかね。後フォークやスプーンなど数が少ないので。」
少し悩んでジェイソンは言った。
「じゃあ、それ買いに行こう。」
そう言って食器具が売ってある場所に向かい皿やフォーク、スプーンなどを沢山購入した。陶器のものは高かったので木製のものを選んだ。
教会に帰り、僕達は早速場所を決め土を耕した。魔力が少ない状態なら魔法が使えるので大まかに土を隆起させ、落ち葉を集めかき混ぜた。糞とかあったらたい肥作れるんだけどなぁ…。
その後は奴隷の子達にも手伝ってもらいラディッシュやジャガイモ、玉ねぎを植えた。「ありがとう」そうお礼を言うと何故か皆不思議がった。
お昼ご飯が少し遅くなってしまったのでジェイソンと急いで料理に取り掛かる。
お昼ご飯はポトフとサラダ、サンドイッチを作った。
ご飯の時でもやはり黒豹の男の子はこちらを睨んでいた。なんでそんなに警戒するんだろう…。なんか前世で慣らした黒猫を思い出すなぁ。白猫と黒猫がいて白猫の方はすぐ懐いてくれたのにあの黒猫の方は中々触らせてくれなくて慣れるまで2ヶ月かかっちゃったっけ。その後はすごく可愛かったなぁ…白猫よりも先に寄ってきて…。
よし!仲良くなる為に頑張ろう!とガッツポーズを心の中でしてご飯を食べた。
ご飯を食べたあとは暇なので魔力の扱いを慣らすために水を動かしたり土を形作ったりした。魔力の練習をしている間、隣でヤギの子や双子がその光景を見ていた。
出来たフィギアみたいな物は双子にあげた。
ヤギの子はずっと夜を気にかけているように見えた。そういえばこの子の髪の毛すごく長いのにボサボサで勿体ないんだよなぁ。綺麗にしたらヘアアレンジとか楽しそう。あと髪の毛ガタガタなんだよなぁ。
よし整えよう。
「フェリテこっち来てー。」そう言って手を拱く動作をする。
「シルとシゼは敷地内の花取ってきて」
「はい!たいちょー」
「了解〜。」
双子の姉のシルは元気な面倒見のいいお姉さんって感じで弟のシゼの方はぽわぽわしててファーニルみたいな感じだ。
フェリテを自分の前に座らせ髪の毛をクシでとく。ナイフでばらつきを整え、左右に分けそれをまた3つに分けて三つ編みを緩くしていく。くぐり終わり、三つ編みが完成したところでシルとシゼが花を採って帰って来た。
「ヨル様〜!」
「とってきた〜。」
「しる、しぜありがとー!」
それを3人で三つ編みに挿していく。
「フェリテちゃん可愛い〜!」
「かわいい~。」
「ありがとうございます。ヨル様」
三つ編み女子って良いよな…と心の中で思いながら「どういたしまして」と返事をした。
夕方になりリーシアが修道服を着た女性を連れて帰ってきた。
夜はご飯を中断し、教会の方で待たせているというのでそちらに向かった。教会に入るとその女性はこちらに気づき振り返った。その女性は聖女のように清々しい雰囲気を持っていた。見た目は20代前後の見た目でお尻まで伸びた長い薄い金髪の髪。濃い緑色の瞳容姿はエルフに近しい見た目だった…。
耳先も少しとがっている。
「……はーふえるふ…?…」
小さな声で呟いたが石でできた教会に響くには十分な声量だった。はっと思い口を手で覆うが彼女はそれを気にせず喋りかけてきた。
「左様でございます…。主神様…。貴方のような方に生きている間に出逢えたこと誠に有難く思います。運命に感謝と敬意を…。」そう言って深深と胸の前で手を組み屈むその姿は正しく聖女のように見えた。
「きみにはきょうかいにしょぞくし、すうはいするのではなく、ぼくじきじきにつかえてほしい。…とおもっています…。それでできたらまたここでつとめをしてほしいなとおもってつれてきてもらいました。ここにすんでかまわないし、まえのように、こじいんをしてかまいません。どうかな。してくれる?」
(君には教会に所属し崇拝するのではなく、僕直々に仕えて欲しい。…とおもっています…。それで出来たらまたここでそのお務めをして欲しいなと思ってここに連れてきてもらいました。ここに住んで構わないし、前のように、孤児院をしてかまいません。どうかな。してくれる?)
静かに女性は涙を流しながら「是非ともお務めさせて下さい。」と言った。
その後はもうすぐ僕たちがここを出ていくのであとは好きにして良い事。もしもの時の連絡手段。この体は本当の年齢ではないこと全てをうちあけた。
「お任せ下さい。主神様直々の名とあらば、何時いかなる時でも全うし務めを果たすことを誓います。」
「ありがとう。そういえばしすたーさんおなまえは??」
「私の名はアリシア・シーリスです。」と笑顔で答えた。
「これからよろしくね、アリシア」そう言って手を出すとアリシアは嬉しそうに両手で握り返し夜の手を額に当てた。
この世界で相手の手を額に当てるのは最大の敬意と敬服を意味するのだった…。
次話は王都に戻ります。




