お忍び街巡り
月一程の投稿ですが見ていただいて感謝しています。これからもゆっくりと投稿することしか出来ませんが見守っていただけると幸いです。
昨日から祭りが始まって、今日は2日目。
今はお昼で、みんなリビングのソファーでくつろいでいた。リーシアは夜な夜な作っている剣の微調整を、僕はもたれかかって読書を、ガーディルとファーニルは小さくなりくっついて寝ていた。そんな中「夜お兄ちゃん今日もお祭り行ってくるね!」と玄関側のドアから顔を出したリオが言ってきた。
「分かった。じゃぁ、行こうか…。」そう言って立ち上がろうとする夜にリオは「いいよ!今日は、1人で行く!」と言った。「え!1人で?!ちょ、ちょっと待ってならコレ持ってて!」驚いた夜は慌ててリオに星の飾りのピンと水色と金色のガラス玉の2つのキーホルダーを渡した。
「ピンはもしもの為だから一応付けて行って迷子になったら呼んだら行くから。このキーホルダーは【通信】と【双翼の絆】って言うスキルが入ってるからもし、ルナ王女に会いに行くんだったら片方あげたらいいよ。いつでも話したりお互いの場所が分かるようになるから。」
「ほんとありがとー!お兄ちゃん!……でも迷子にはならないと思うよ??」とリオは不服そうにこちらを見た。
「…うん、でももしかしたらあるかもでしょ?保険は必要だからね。じゃあ、行ってらっしゃい。」
「うん!行ってきま〜す!」
そうしてリオは表情を切り替えて笑顔で出かけて行った。
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賑やかな音楽が街中で演奏され、大道芸をしている人が沢山いた。水魔法で水を出し魔力で操り花や鳥、動物の形を作ってチップをもらっている人もいれば歌や楽器を弾きく人、物語を語る人と様々な人がいた。そして昨日よりも多くの露店が沢山あり周りからは色んなもののいい匂いがする。その中から前に串肉を買った店を探し出した。
「おじさん!串肉を1本ください!」火が客につかないように店の台が高いのでリオは背伸びをして台の端に串肉1本分の代金を置いた。
「おお、いらっしゃい!ってこの間の嬢ちゃんか!また買いに来てくれたのか?!ほれよ!」そう言って串肉屋のおじさんは持ちやすいように肉が刺さっている串を紙で挟みリオに渡した。
「うん!凄く美味しかったもん!ありがとうおじさん!」
「おう!また来いよ!」
人にぶつからないように道の端で串肉を食べながら街を見ていた。
「美味しいなぁ。それにしてもお祭り昨日も凄かったけど今日も凄いなぁ〜!」次はどこに行こうかなぁー!そう思いながら歩いていると横から「リオ!」と聞き慣れた声が聞こえてきた。「ルナちゃ……ってあれ?いない。」そう思いながら辺りを見回してもそれらしき人影は見つからなかった。そして「リオこっち!」呼んだ方を振り返ると見知らぬ少女がいた。その子は目は紫、髪は茶色の平民の服を着た少女が立っていた。どう見てもリオの知っているルナ王女では無かった。
「あなたは誰…?」見覚えのない少女に尋ねると、少女は
「うーん。見てもらった方が早いからこっち来て。」とリオを路地へと引っ張って行った。
「え、わぁっ。」その見知らぬ少女に手を引っ張られリオは人気の少ない路地に来ると少女は「変身解除」と一言、言った。すると髪の色や眼の色が見知った色へと変化した。
「………!!ルナちゃん!!」
「せいかーい!びっくりした???」
「うん、でもどうして…??」
「この指輪だよ。ヨルお兄ちゃんに貰ったの。さっきの変身もこの指輪に付与されてるスキルだよ。」
「なるほどスキルだったんだ。でもなんでこんなところに1人でいるの??」
「内緒にしないといけないんだけど…リオにならいいっか。あのね、私達今色んな方法で殺されかけてるんだよ。お父様やお兄様話題にはならなかったんだけどこの前はお姉様も殺されかけたわ。だから今年は街中を歩けないと思ってたんだけど…」
「夜お兄ちゃんがその指輪をルナちゃんの家族にあげたから?」
「そういう事。王城で過ごしてる方が危ないって話になって皆変身して今街中で祭りを見て回ってると思うよ。王城には今人が沢山出入りしてるから紛れて出てくるのすごく簡単だったんだ〜。」
「殺されかけてるのに皆怖くないの??」
「うーん。怖くないんじゃないかなぁ、むしろ仕返してやりたいって思ってると思うし。うちの家族は身内が大切だから、殺そうとした人達に内心怒ってると思うよ。」
その話を聞いたリオも内心では心が少しざわついた。なぜならリオは家族を失う悲しみを知っていたからだ。あの絶望、恐怖や悲しみ、家族を殺した者へ対する怒りと憎悪と怨みそして時間が経つにつれ出来ていく心の中の虚空…。またせっかく出来た大切な家族を失ったら自分はもう1度立ち直れるのだろうか…。そんなことを考えていると「ねぇ、リオ!色んなとこに行きましょ!案内してあげる!!」ルナはまた変身し手を差し出した。リオはルナの手をとり「うん!」と頷いた。
そしてリオとルナはいろんな場所へ行った。美味しい果物屋、可愛い雑貨屋、本屋、洋服店いろんな所を巡った。
「ルナちゃんすごいね!なんでこんなに知ってるの???」
「それはね。こっそりいろんな所に行ってるからだよ。お兄様やお姉様達もいろんな所に行くからみんなでどこにどんなものがあるのか共有してるんだ。」
「楽しそうだね!」
「うん!次はどんな所に行きたい??」
「えーっと、じゃぁ……。」そうして着いた所は薬屋だった。
そこには乾燥した薬草が沢山吊られ、ポーションやポーションを作るための道具も沢山あった。なかなかにボロい店屋だった。
「こんなところで良かったの…???」
「うん!」
(ちょっとボロいけど、道具や、薬草は凄く良いものばっかりだ。)
そう思いながら、リオはポーションや薬を作る道具と、いくつか薬草を購入した。買う際、店の店主がリオを見て驚いていた。古ぼけた店だから子供がものを買いに来るのが珍しいのだろう。店を出て荷物をバックに入れた後大きな広場に向かい2人でジュースを飲んでいた。
「ルナちゃん今日はありがとう!すごく楽しかった!」
「私も!まさかリオに会えると思わなかったから…すごく楽しかった!」
「あ、そうだ……。はい!これ!夜お兄ちゃんがどっちか渡せって!どっちがいい??」
そう言って朝夜から渡されたキーホルダーをルナに見せた。
「うーん、じゃぁ、水色のガラス玉がいいな!ほらみてりおと同じ目の色!」
「ほんとだ!じゃぁ、私のはルナちゃんの色だぁー!」
そう言って互いの色を取り笑った。
「ふふっ…あ、もしかしてこれもスキルが付与されてるの??」
「うん、【通信】と【双翼の絆】って言うスキルだって遠くにいても話したり居場所がわかるようになるらしいよ。」
「ヨルお兄ちゃんってほんといろんな便利なものくれるよねぇ…。」
「だよね。私もそう思う。」
そう言った後試しに2つのスキルを使いやり方を理解したあとまた色んなところを回り、時間が経ちお互い家に帰った。
家に帰ると夜は木陰で寝ておりガーディルとファーニルがその周りを大きな姿で寝ていた。夜の肩には小鳥やどこから入ってきたのだろうか。小動物が寝ていた。みんなすごく心地よさそうに寝ていた。そして、違和感を感じリオは魔眼で夜を見た。見ると夜の周りにはキラキラと清らかな魔力が見えた。
「リオ、おかえりなさい。」
「リーシアお姉ちゃん、ただいま。お姉ちゃんこの夜お兄ちゃんの周りの魔力ってなに?前に見た時は夜お兄ちゃんの魔力変な色だったよ?」
「この魔力は主様の魔力ですよ。ようやく元の色に戻ってきているんですよ。寝ている時は魔力が体から出てしまうようですね。」そう言ってリーシアはクスッと笑った。
「これが本当のお兄ちゃん魔力なんだ…。お兄ちゃんの魔力ってすごく綺麗だね。金色と銀色がキラキラしててすごく綺麗!ガーディルお兄ちゃん達凄く気持ちよさそうだね。それに植物も…どうして??」
「それはですね、主様の魔力が全ての生物にとって本能的に尊いものだからです。魔力だけでは無いですよ。血も肉も魂もこの世界全体から尊ばれているんです。」
「??尊いならなんでこの前襲ってきたの??キマイラもコカトリスも。」
「全ての生き物には魔力が少なからずあるのは知っていますね??」
「うん。この前習ったから。」
「その魔力がある理由で汚れ体にたまりすぎると生き物は凶悪化してしまいます。自我を失い汚れた魔力を体の外に出そうとして痛みにより凶暴化してしまうのです。だから襲って来たのでしょう。汚れた魔力は清らかな魔力に反応しますから。」
「そうだったんだ……。でも、眷属のお姉ちゃんや、聖獣のガーディルお兄ちゃん達も神様の使いだから清いよね?襲われないの?」
「襲われたら対処すればいいだけですからね。もうそろそろご飯の時間ですし起こしましょうか。」
「うん!」
そのあとは夜達を起こしご飯を食べお風呂に入り寝た。
その次の日の祭り最終日も無事に終わり慌ただしい王都も少し静かになった。
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