ガラス細工の価値
1ヶ月の家賃を銀貨7枚から金貨2枚に変更しました。
ブックマークありがとうございます!←(言うの忘れてた
冒険者ギルドで氷山鹿を売った後、僕達は寒胡椒とガラス細工を売る為に冒険者ギルドから1キロ先にある商業ギルドに向かっていた。すると、向かっている方向から何やら美味しそうな匂いがしてきた。進んで行くと…そこには沢山の屋台が並んでいた。
「いい匂い〜!」
隣でリオが目を輝かせながらはしゃいでいる。
「食べてみるか?」
リオにそう聞くと「うん!」と嬉しそうに頷いた。さて、どこの店が1番美味しいんだろう。屋台を見ながら悩んでいると…「匂いならそこの串肉が美味しそうですよ。」と手前の屋台を指しガーディルが言った。さすがフェンリルだなー。嗅覚が鋭い。と関心しつつ串肉を売っている屋台に向かった。屋台の前につくとそこの店主は40半ばのおじさんだった。小と大で串肉は売られているらしい。丁度いいしここでファーニルのお土産も買っていこう。
「おじさん串肉小4つ。あとお持ち帰りで大3つ下さい。」
「はいよ!ほれ!串肉小4つと大3つ!銀貨1枚だ!」
僕は代金を払い小を3人に手渡した。大3つはバレないように持っていた普通のバックを使い、中でアイテムボックスを開いて収納した。
「3人とも汚れるから食べる時はフード脱げよ〜。」と言いながら僕ははフードを脱いだ。3人も夜の言葉を聞いてフードを脱ぎ串肉に噛み付いた。噛むと肉汁が染み出てくる。肉も柔らかくて食べやすいなぁ、自然と笑みがこぼれてしまう…。3人も同じような事を思っているのか口角が上がって微笑んでいるように見えた。
僕達が串肉を食べていると目の前にいた屋台のおじさんが瞬きをせずこちらを見ていた。何事かと思い店の周りを見てみると何人かの人もこちらを見ている。
一体何なのだろう。
そう思いながら3人の顔をもう1回見てみる………これか……。すっかり忘れていた。この3人美形だった…。そりゃあ破壊力あるよなぁ。一緒にいたからそういう感覚が麻痺してきているのだろうか…。はぁ、もういいや…。こういうのは気にしたら負けだ!
僕達は串肉を食べ終わり人目を避けるように通りを進んでいった。
周りを見ていると朝なのに人が多い、見た目からして恐らくほとんどは冒険者達だろうか…。それにしてもここら辺は日用雑貨の店が多いな商業ギルドに行ってもまた冒険者ギルドのように待たすだけならその時間有効活用したいよなー…。
「なぁ、ここからはそれぞれ自由行動しないか?」と僕は3人に提案してみた。
「自由行動と言っても何をすればいい??」
特にやることがないと言うようにガーディルが尋ねてきた。
「んー、そうだな…それぞれやりたい事や買いたいもの買っておいで、服とか食べ物とか何でもいいから、はい金貨3枚ずつ。」
そう言いながらリオ達に金貨を3枚ずつ渡した。リオとリーシアはこんな大金を渡されるとは思ってなかったらしくポカンとしていた。それに比べガーディルはどうでも良さそうに渡されたお金をポケットにしまった。
「それからね。こっちで住居買って行き来出来るようにするから焦って買う必要は無いよ。じっくり選んで買っておいで。リオはリーシアかガーディルと一緒に行動してね。昼になったら鐘が鳴るから昼前に冒険者ギルドに集合!それぞれ持ってる腕時計で確認してね。じゃ…、一旦解散…!」
そう言って僕はリオたちと別れた。
しばらく歩いていると商業ギルドがようやく見えてきた。
おー、結構大きいなぁ。
大きさは冒険者ギルドよりも少し大きいくらいだった。
商業ギルドの中に入り、受付嬢のいる場所に向かった。受付嬢はプラチナブロンドのエルフだった。艷麗で、花で表現するなら百合の花だろうか…。そう思いながら受付嬢に話しかけた。
「いらっしゃいませ。ご要件をお伝え下さい。」
「登録と売却と住居を購入したいのですが…。」
「登録には手続きがありますので…少々お待ちいただくことになります売却と住居もその時でよろしいでしょうか?」
「はい。」
「はい、承りました。そちらのソファーに座りお待ち下さい。」
そう言って受付嬢は奥に向かっていった。それを見ながら僕もソファに腰掛けた。寒胡椒どのくらい売ろうかな。こんな量一気に売ったら怪しまれるよなー。小瓶2個分にしよう。売却量を考えていると、隣に座っていた商人達から気になる話が聞こえてきた。
「なあ、知ってるか?昨日この国の上空に白い翼の生えた美しい天使のような女とツノとコウモリの翼が生えた悪魔のような男が現れたんだと。」
「!?」
夜は驚き過ぎて商人達の方を見た。がすぐ正面を向いた。
「天使と悪魔ってこの前教会が言ってた新しく生まれた種族のことか?デタラメじゃなかったのか?」
「いや、ホントのことらしい。知り合いに聞いたんだが何人も目撃者がいる。話によるとまだ子供だったらしいぞ。確か天使の方が悪魔に攻撃してたらしい…。街の外で見えた光はそれだったんだとよ。」
「へぇ、天使と悪魔って仲悪いんだな〜…。」
いやいや!そんなことないはずなんだけど……。これは家に帰ったら本人達に聞くしかないな…。
それにしても、教会に神託降ってるんだなぁ〜。
そう考えていると準備が終わったのか受付嬢さんがやって来た。
「お客様、準備が整いましたのでこちらへどうぞ。」
僕は受付嬢さんの後をついて行った。着いた場所は個人スペースだった。情報漏れを防ぐ為だろうか、部屋には丁寧に防音魔法までかかっている。部屋を見ていると、受付嬢さんがこちらへと椅子に手を置いた。僕はその椅子に座り机を挟んで受付嬢さんの正面を向く形になった。
「では、まず、登録からですね。こちらの用紙にお名前をお書き下さい。」僕は受付嬢さんの指示通り名前を書いた。
「では次ですね。下に項目があるのでそちらの記入もお願いします。」
僕は項目を読み色々記入して行った。
「はい、これで登録は完了です。お名前は…ヨル様……ですか。では、ヨル様次は売却ですね。何を売却するおつもりですか?」僕は魔法鞄から、小瓶に入った寒胡椒(2個)を出した。
「……まぁ…、胡椒ですか…。こんなに沢山。」
「ただの胡椒じゃないんですよ。この胡椒は寒胡椒なんです。」
「寒胡椒ですか!?あのクルラーナ地方の山脈にあるあの!?失礼します。」そう言って受付嬢さんは、瓶から一粒胡椒を取り出した。
「確かにこれは寒胡椒ですね。光沢があり香りが強い。一体これをどこで…。」
「知人がくれたんですよ……。これしか答えれません。」
「……入手方法は教えてくれませんか…。残念です。」
と受付嬢は、若干落ち込んでいた。
「売りたいのは寒胡椒だけですか?」
「いえ、もう1つあって、自作で作った物なんですけど…。」
そう言って僕は魔物などのガラス細工を5個机の上に置いた。ガラス細工は両手ぐらいの大きさものがほとんどで所々に宝石が入っている。目やお腹など。形はゴブリン、ヘビ、ビッグウルフ、ドラゴン、聖母だ。
ゴブリンとヘビドラゴンはそれぞれ目に宝石をはめた。
ゴブリンはペリドット(小)を、ヘビはレッドスピネル(小)を、ドラゴンはパライバトルマリン(小)を…。
ビッグウルフはエメラルド(中)を咥えており、聖母はお腹にルビー(中)が入っている。
このガラス細工を見た受付嬢さんは驚いていた。「なんですか!?このガラス細工の滑らかな曲線!くすんでもいない…!それにこんなに大きな宝石!これを自作!?ありえない!」
「あっ、あの〜。」
「はっ!失礼しました。で、では、売るのはこのふたつですね?」
「はい。」
「コホン、少々お待ち下さい。」
そう言ってしばらく計算の音が聞こえた。
計算し終えた受付嬢が口を開く。
「金貨1932枚でどうでしょうか?」
と言いながら1枚の紙をテーブルに置いた。そこにはそれぞれの金額が書いてあった。
・寒胡椒(60g)…金貨120枚
・ガラス細工のみ×5個…金貨100枚
・ペリドット(小)×2…金貨32枚
・レッドスピネル(小)×2…120枚
・パライバトルマリン(小)×2…600枚
・エメラルド(中)×1…240枚
・ルビー(中)×1…720枚
合:金貨1932枚
(え、うそ、まじ…?そんなに…?)あまりの大金に僕はフリーズした。
「ヨル様?どうかされましたか?」
「い、いえ!それより、あの、商業ギルドの受付嬢さんは売却や住居購入までやってるんですか?偉い方に許可とか…。」
その言葉を聞いた途端あっそうか…!とでも言ったように受付嬢は手を合わせた。
「そう言えばまだ名乗っていませんでしたね…。商業ギルドのギルドマスターをしている。メディダと言います。最初に名乗っていれば良かったですね。これからよろしくお願いしますね。」そう言ってメディダは笑った。
「は、はい。よろしくお願いします。(ギルマスだったの〜!?)」
「売却はこの金額でよろしいでしょうか…?」メディダの言葉に僕は首を縦に振った。
「はい、分かりました。次は住居の購入ですね。売却金と物件をいくつか持ってきます。物件を買う大体の金額をお願いします。それか何らかの条件を教えて下さるとオススメを選んで来ますが…何かありますか?」
「なら、なるべくボロくて大きな家で広い土地だといいですね、大体金貨850枚くらいのものをお願いします。」
「か…かしこまりました。」ボロいという言葉に戸惑ったようだがメディダは何事もなかったように物件を探しに行った。
個人スペースを出ていったメディダを見届け、僕は椅子にもたれ掛かりため息をついた。
「人界に降りて1週間も経ってないのに色んなことがあったな〜。」
そう言ってこれまでの事を思い返した。リオと家族になって、レージェルがやって来て、眷属と聖獣が増えて、ルーメン陛下達をオーク達から助けて………──。
ルーメン陛下達を助けた時のことを思い出し僕は疑問を持った……。
『なぜ、あの時騎士達は1匹も倒せなかったんだろう。』
村人達ならともかく王国の騎士達がオーク達に一方的に蹂躙されるはず無い…。10匹程度なら確実に倒せるはずだ……。なのに何で1匹も倒せなかったんだ…?通常のオークより強かったからか?何匹かのオーク達は大剣を持っていた…。それもオークの手にぴったりの大剣だった気がする…。それに通常の体格の2倍はあった…。だが、あそこまで大きくなるのはおかしい……。何でだ…?
しばらく僕はその事について考えたひとつの可能性が思い浮かんだ。
『【テイム】』
確か【テイム】にはテイムしたモンスターの身体能力を上げるものや成長速度を上げるといったスキルが含まれているはずだ。オーク達の通常じゃない強さにも納得がいく。だが、この考えが当たってるならあのオーク達の襲撃は人為的なものになる。そうなると王族殺人未遂…大変な事件だよな…。
そう考えながら唸っているとドアが開いた。
「ヨル様そんな難しそうな顔をして、どうなされましたか?」不思議そうな顔をしてメディダが入ってきた。腕にはいくつかの紙と麻袋を抱えていた。
「いえ、なんでもありません。いい物件ありましたか?」
この件は後で考えよう…。
「はい。あるにはあるんですけど…ほんとにボロい物件でよろしいのですか?使えないような物しかありませんけど…。」
「はい、修理するので構いません。」
「分かりました。では、この中から選んでください。」
そう言ってメディダは横に紙を3つ並べた。
左から順に見ていくと…。
場所:東区外
土地:縦130m横100m
外見:とても綺麗(囲有り)
内側:とてもボロい
金額:金貨900枚
場所:南区
土地:縦160m横150m
外見:とてもボロい(囲有り)
内側:とてもボロい
金額:800
場所:西区
土地:縦140m横100m
外見:そこそこ綺麗(囲無し)
内側:そこそこ綺麗
金額810
ここで、王都の形や区分について説明しよう。
王都は、王城を中心に二重丸がありそれをバツで区切ったような形で作られている。区切られた区は8つ…北区、北区外、東区、東区外、南区、南区外、西区、西区外。外側の円の区が〇区外だ。中心になるにつれて人口や建物も密集している。ちなみに今いる区は東区だ、商業ギルドが東区にあるため、商人たちも必然と東区に集まる…。冒険者ギルドは南区にある。
メディダが持ってきた物件の紙を見て、むしろ、あんな条件でよく3つもあったな…。と思った。
東区外は予算外だからアウト、南区と西区…なるべく広い方がいいから南区にしようかな。
「真ん中のをお願いします。」
「かしこまりました。」
そう言ってメディダは麻袋から大金貨80枚分を取り出した。
「物件代を差し引いて大金貨113枚と金貨2枚になります。お確かめ下さい。」
僕は代金の確認をし終え。
「次はこちらにサインを…。」メディダに言われるがまま紙にサインをした。
「これでヨル様はこの物件の正式な持ち主となります。」
そう言ってメディダは、購入した物件の鍵束と地図を僕に渡した。
「ありがどうございました。」そう言って僕は商業ギルドを出た。
そして今…、僕は購入した物件の前に立っている。中に入ると…。
「ほぉ、見事なボロ屋だなぁ…。」
そこにはボロボロな洋館があった。
これは予想以上に凄いな…。庭の草や木の枝は伸び放題、門の扉も朽ちて今にも壊れそうだし、洋館の内壁も崩れてる……。
これは直しがいがありそうだな。壁に囲われているから周りからは見えないし。集合時間まで1時間半…。「こんなだけあれば楽勝!やるか!」
オルフェスとラルフェスなにがあったんでしょーね?




