貴族とご対面
遅くなってすみませんでした!
(なぜ、こうなってしまったんだ……。)
20分前に遡る。
王城に来た僕は、馬車に入ったまま門を潜り、ルーメン陛下と馬車の中で色々話していた。
王城に来たのは、ルーメン陛下等を助けたことによる褒美。というのは建前で、ルーメン陛下がもっと僕と話をしたいらしい。まぁ、褒美はほんとにくれるらしいが、で、今話していた内容なのだが、ルーメン陛下の話によると、今日は貴族が結構来ているらしい。会議っぽいことをするそうだ。話の途中で分かったのだが、王城内には、薬草園や図書館があるらしい。その話を聞き、興味を持ったので、薬草園に行っていいかルーメン陛下に尋ねたところ…。
「うむ。いいぞ!」と、二つ返事で許可をもらった。
「会議が終わったら迎えに行くからな!」
片手を上げ馬車の中から夜にそう言った。
陛下達は着替えがあるとのことで、薬草園に近い道に僕を置いて城の中に入っていった。取り残された僕は、【探査】を使って薬草園に向かった。着いた先には、ガラス張りの建物があった。
僕はその建物の中に入っていった。
「おぉ〜!珍しいのがちまちまあるなぁ…。ハーブもある……。」
薬草園の種類の豊富さに、感心しながら辺りを見ていると、奥から兵士を連れた貴族が出てきた。1番前にいた貴族は夜に気付き、
「貴様何者だ?」と、尋ねた。出てきた貴族は、中肉体型の男だった。
「僕は…。(え、なんて言おう…。平民って言ったら、怪しまれるかな…。)」
「身分も名乗れんのか。怪しい、お前達あいつを捕らえろ!」
「「はっ!!」」兵士たちは貴族の命令に従い夜の元へ向かった。
「え!ちょっ待っ!」
僕が言い訳を言う前に、すぐさま僕は兵士たちに捕えられた。
捕えた夜を連行する為、大柄の兵士が夜を脇に抱えた。
(えー。何処に行くんだろ……。聞いてみるか。)
「あのー。兵士さん。これどこに向かってるんですか?」
「ん?謁見の間だ。今は会議に時間が無いからな…。このまま謁見の間に行き、王直々にお前を裁いてもらうのだ。」
「へぇ、なるほど……。(王って言うと…ルーメン陛下の事だよな…。ルーメン陛下、どんな反応するだろう……。)」
そう言った夜を不思議に思ったのか、大人しくしてる夜に兵士は尋ねた。
「お前、これから裁かれると言うのに暴れたり、逃げたりしないな。怖くねえのか?」
「全然?」
「お前…、肝が座ってるな…。」兵士は、呆れたように夜に言った。
ちなみに僕達はコソコソ喋っているので貴族にはバレていない。
しばらく無言で兵士の脇に挟まれぷらんぷらん揺れていると、王城の入口に着いたらしい。ほかの兵士たちが、貴族の前に行き、扉を開けた。
中が見え、夜は圧倒された。王城内がとてもキラキラしていたからである。
(さすが王城だな。装飾が凄い……。でも、ちょっと質素に感じる。数が少ないからか?おっ、凄い。)
上を見ると、キラキラとシャンデリアが輝いていた。
謁見の間は、入口から近いらしく、あっという間に着いた。
扉の中にはもう既に貴族達が並んでいた。通路を開けて通路の隅左右に貴族は並んでいた。
僕はその通路の真ん中に下ろされた。
下ろされる瞬間、大柄の兵士がコソッとぼくに「頑張れよ。」と言った。
(一体何を頑張るのだろう……?)そう考えていると、妙に視線がチクチク刺さる。視線の方を見てみると、貴族達が夜を睨んでいた。1部の貴族はニタニタと笑いながら、ほかの貴族はただ、夜を見ていた。
(…………。これかー!頑張れってのは……。早く陛下ー、来てくれー!)
しばらくして奥の扉が開いた。夜が入って来たのとは別の扉だ。
「陛下入場!」
兵士のひとりがそう叫んだ。
開く扉の方を見ていると、中から、先程一緒にいた陛下とは雰囲気が違っていた。威厳があった。陛下がイスに座るとその隣にいた宰相らしき人が喋り出した。
「今回の議案は、と言いたいとこなのですが…、そこににいるのは誰です?」そう言って宰相?さんが僕に目を向けた。
陛下も僕の方を見た。陛下の顔は少し驚き笑いをこらえているように見えた。
宰相?さんの言葉に答えたのは僕を捕まえた貴族の男だった。
「この者は薬草園におり、自分の身分を言わず、怪しかったので、ここに連れてきたのです。」
「そうか…。おい貴様、名前はなんという?」
「よ、夜です。」宰相?が睨みつけながら言ったので、夜はドキッとして、言った。
「ヨル、君は一体どうやって、城内に入ったのだ?そして、何故薬草園にいたのだ?」
「それは、ルーメン陛下と一緒に城内に入りました。薬草園があると仰っていたので興味が湧き向かいました。」
その言葉を聞き、宰相?は、ルーメン陛下に尋ねた。
「今の話は本当ですか?」
「あぁ。私がこやつを城内に入れた。こやつは命の恩人なのでな。」
それを聞いた宰相は、眉をひそめ、「命の恩人とは?」っと、陛下に尋ねた。そして、陛下は事の発端とどういう経緯で夜に会ったのかを宰相達に伝えた。夜が神様ということは隠して……。話を全部聞いた宰相は、眉がぴくぴく動いていた。
「陛下!あれほど言ったでしょう!!だからそんなことになったんですよ…!!!」
「ほっほっほ。それは後で聞く。そういう訳だから、いい加減夜の縄を解いてくれぬか?」陛下のその言葉に、周りにいた兵士が夜の縄を解いた。
「ありがとうございます。ルーメン陛下。」
「うむ。よいよい。夜、お主への褒美がまだだったな…。お主に城に入れる許可状と、金貨20枚を渡す。会議が終わったら迎えに行く、図書室にでも行っておりなさい。」
その言葉を聞いた貴族達がどよめいた。だが、そんなことお構い無しに夜は、「は!ありがとうございます。」と言った。
そういった夜を案内するために1人の兵士が夜に近ずき、謁見の間を夜と一緒に出ていった。




