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仁穆王后《インモクワンフ》と仁嬪《インビン》キム氏の不思議な縁《えにし》

仁祖反正インジョパンジョン関連。ネタバレ注意。

 仁祖反正(インジョパンジョン)の作中にも書きましたが、宣祖(ソンジョ)の側室の一人・仁嬪(インビン)キム氏の産んだ子供には、何故か遺教七臣(ユギョチルシン)と縁戚関係にある人が多いです。

 仁嬪キム氏は、結構長いこと宣祖に寵愛を受け、宣祖との間に九人の子を産んでいます。


 彼女の子だけを、簡単な履歴を添えて記述すると、上から順に、


義安君(ウィアングン):一五七六年生まれ>一五八八年死去、享年十二歳


信城君(シンソングン):一五七八年生まれ>一五九二年病死、享年十四歳


定遠君(チョンウォングン):一五八〇年生まれ>一六一九年衰弱死、享年三十九歳。長男・綾陽君(ヌンヤングン)が、ハン・ジュンギョムの娘と結婚。


貞慎翁主(チョンシンオンジュ):一五八三年生まれ>ソ・ソンの息子、ソ・ギョンジュに降嫁。長女ソ・ミセン(一五九七年生まれ)の夫が、キム・ジェナムの息子、キム・ギュ(キュ)(一五九六年生~一六一三年没)。


貞恵(チョンヘ)翁主:一五八四年生まれ>ユン・シンヂと結婚。


貞淑(チョンスク)翁主:一五八七年生まれ>シン・フムの息子、シン・イクソンと結婚。


義昌君(ウィチャングン):一五八九年生まれ>妻はホ・ソンの娘。


貞安(チョンアン)翁主:一五九〇年生まれ>パク・トンニャンの息子、パク・ミと結婚。義弟の妻がシン・フムの娘だったりする。


貞徽(チョンフィ)翁主:一五九三年生まれ>ユ・ヨンギョンの孫のユ・ヂョンニャンと結婚。


 ……となります。

 見ての通り、貞恵翁主以外は全員が遺教七臣と関係しています(早世した王子は除外)。

 不思議ですよねぇ……最初は仁嬪が自分の子を王位に就けたくて、仁穆(インモク)王后(ワンフ)に取り入ろうとした結果かな、とか安易に思ったんですが、よく考えたら、長女である貞慎翁主と永昌(ヨンチャン)大君(テグン)は二十三歳離れています。

 彼女が、ソ・ソンの息子に嫁いだ年ははっきりしませんが、長女を産んだのは十四歳の時です。つまり、それより前に嫁いでいなければいけない訳で、しかも長女出産時は、壬辰倭乱(イムジンウェラン)が完全終結する前です。

 その頃は、宣祖の初代正妃・懿仁(ウィイン)王后パク氏はまだ存命で、仁穆王后が嫁いでくるかどうかも分からなかった筈。

 末の貞徽翁主でさえ、永昌大君とは十三も離れています。ちなみに、彼女が結婚したのは一六〇四年。永昌大君誕生の二年前です。

 嫁ぎ先が将来、異母弟である永昌大君の後ろ盾として宣祖から指名されるかどうかなんて、予想もし得なかった筈なんです。

 異母弟が生まれるかどうかも分からなかった訳ですし。


 となると、この七人は本当に宣祖に信頼されていて、寵愛する仁嬪の産んだ子達と婚姻するには彼らの親戚しかいない、と思われていたんでしょうねぇ。とも解釈出来ます。


 一方、貞慎翁主の長女ミセンは、永昌大君とは九つしか離れていませんから、これは完全に仁穆王后の実家と何らかの繋がりを求めての政略結婚なんじゃないかと。

 上記には敢えて書きませんでしたが、ミセンの嫁いだキム・ギュは、仁穆王后の実弟です。つまり、これも作中に書いてますが、貞明(チョンミョン)公主(コンジュ)と永昌大君にとって、ミセンは姪でありながら義理の叔母でもあるという非常にややこしい続柄なんです。


 綾陽君も多分そうだと思います。彼と永昌大君は十一歳離れていて、綾陽君が結婚したのは十五歳の時ですから、これはもう完全に政略でしょう。


 話が逸れますが、ドラマ『善徳(ソンドク)女王』に出てくる敵役のミシルの弟の名前が、ミセンなんですよね……ちょっと複雑になりながら書いてたりしますが、貞慎翁主の娘のミセンは史実通りの名前なのでどうにもならんorz


©️和倉 眞吹2018.

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