第三話 俺達の過去
なんか、もうネタが尽きてきたような・・・。
とりあえず、俺は許嫁達(否定することを諦めた)と一緒に家に入ることにした。
「ここが、真君のお家かー。」
「なんか、案外普通の家だな。」
思い思いの感想を述べる2人はさておき、俺は、2人をリビングに呼んだ。
2人がソファに座るのを確認したあと、俺はいくつか問いかけをした。
「で、どこから来たの?それと、家とはどんな繋がりがあるのか、あと・・・。」
「そんな1度に言わないで。答えられないから。」
と友紀ちゃんに言われ、言葉を遮られた。
「あっ、ごめん。分からないことが多過ぎたから、つい・・・。」
「ううん、無理もないよ。」
と友紀ちゃんが笑顔で言ってれた。
(うわ~、可愛いな友紀ちゃん。)
と、思っていると、いきなり
「なに友紀相手にデレデレしてんだよ。」
と言われ、俺はドキッとした。
(なんだ、もしかして真紀ちゃん、俺が友紀ちゃんの笑顔が可愛いと思ったことに嫉妬してるのか?)
「大体、私の方が友紀よりスタイルがいいのに。真は見る目がないな~。」
と言うと、真紀ちゃんはハァとため息をついた。
「なっ、スタイルはあまり変わらないでしよ!」
と、涙目になりながら反論した。
どうやら、友紀ちゃんは真紀ちゃんの方がスタイルがいいことを気にしているようだ。
「そ、そんなことより、そろそろ2人のこと教えてもらいたいんだけど。」
すると、開き直ったのか、真っ先に友紀ちゃんが自己紹介をした。
「私は、神宮寺 友紀です。好きな物は、真君です!!」
と、元気良く自己紹介をした友紀ちゃん。
(うわ~、よく堂々とあんなこと言えるな。)
すると、先を越された真紀ちゃんが少し悔しそうに自己紹介をした。
「神宮寺 真紀です。好きな事は体を動かすこと。あと、友紀との違いは、私の方がスタイルがいいことです。」
さらっと友紀ちゃんに対してひどいこと言ったな。
今にも友紀ちゃんが泣き出しそうだったので、次は俺が自己紹介をすることにした。
「えーっと、知ってるかもしれないけど、一之瀬 真です。」
と、自己紹介を続けようとしたら、
「はいっ!真君に質問があります。」
と、友紀ちゃんに遮られた。
「?なにかな?」
「えっとですね、真君は今、好きな人はいますか!」
直球だな!おい!少し戸惑いつつ、俺は答えた。
「今のことはいないよ。こっちに来たのも、つい最近だし。」
俺の返事を聞いて、友紀ちゃんはとても笑顔になった。
なんだろう、真紀ちゃんも少し嬉しそうだった。
と、自己紹介をしていて、すっかり忘れていた。
「まだ、俺の質問に答えてもらってないけど。」
「あっ、ごめんね。それで、どこから来たかと、どんな繋がりがあるのかだったよね。」
俺は、頷いた。
「えっとね、私達がどこから来たかは、まだ内緒です。」
「えっ、なんで?」
「それは、後々わかるからだよ。」
なんか、誤魔化された気がするけど、まぁいいか
「で、どんな繋がりがあるのかだったよね。う~ん、なんて言えばいいんだろうね。」
何故か考え始めた。
(えっ、それって考える程のことか?)
「簡単に言うと、私達の親の代に繋がりがあるわけじゃなくて、祖父母の代に繋がりがあるの」
それを聞いて、俺は納得してしまった。
「なるほど、じいちゃん達が知り合いだったのか。」
友紀ちゃんが頷いた。
「それでね、たまたま開かれた親戚の集まりで、真君に会ったの。」
(そんな事があったのか。全然覚えてないな。)
「覚えてなくても、仕方ないよ。だって、真君はまだ小さかったし、真君に会ったのはその日しかないんだから」
「えっ、それって・・・。」
「うん、一目惚れだったの。」
頬を赤らめて言った。
真紀ちゃんも赤らめていたので、どうやら同じ理由のようだった。
なるほど、なんとなく分かってきたぞ。
「てことは許嫁のことは、親同士が決めた事じゃなくて、じいちゃん達が決めた事だったのか。」
2人が頷いた。すると、友紀ちゃんが
「でね、真君のことが好きだってことをお爺様に言いに行ったの。」
「で、なんて?」
「真君のお嫁さんになりたい!って言ったら、お爺様が任せろと言ったので、それで・・・。」
「すべてを任せた結果、こうなったと。」
「・・・真は、私達のどちらかと結婚するのは嫌か?」
珍しく、口を開いたのは、友紀ちゃんではなく、真紀ちゃんだった。
「いや、嫌いもなにも、まだ会ったばかりだし、分らないことが多過ぎるから、何と言ったらいいのか・・・。」
「そう。じゃあ、迷う必要なんてないじゃない。」
「?どうして?」
「だって、これから一緒に暮らして、お互いを知っていけばいいだけのことなんだから。」
そんな、真紀ちゃんを見て、俺は感心して、ただ見つめる事しかできなかった。
「なっ、なによ!そんなに見つめないでよ!」
「あっ、ごめん。」
「・・・別に、真にならいくら見られてもいいんだけど・・・。」
真紀ちゃんは小声で言った。もちろん聞こえたが、あえて聞こえなかったふりをする。
その隣で何故か涙目の友紀ちゃんがいた。今はほっとこう。
「そうだな。これからお互いのことを知ればいいことだもんな。」
俺は立ち上がり言った。
「これから、よろしく、友紀ちゃん、真紀ちゃん。」
深々と頭を下げた。
頭を下げていたので、二人の表情は見えなかった筈だが、何故か、2人とも照れているようだった。
ふと、時間を見ると、もう6時をまわっていたので、
「よし、そろそろ、ご飯にするか。」
と言うと、2人は笑顔になった。
(うわー、やっぱり2人とも可愛いな)
そう思いながら、俺は自慢の料理を作るべく、台所に行くのだった。
どうでしたか?一応、真達の過去に少し触れてみました。
次回の更新もできるだけ早くします。
では、また。




