表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/98

”世界”の法則9

 着いたのは高くそびえ立つ木の上。強風にスカートの裾あおられ、ふらつきそうになるのをレオが支えてくれた。足場の板はしっかりとしているが、下から吹く風にあおられて飛んでいかないように風邪の通る隙間が等間隔に開けられている。


 怖いのでなるべく見ないように努めながら前に目を向ける。目の前には太い木の枝の絡まる木と縄でできた階段があり、その先には見たことのある藁の家が立っている。ドラゴン様式の家だ。ツリーハウスと表現するのがふさわしいだろう。フレイルの家と違ってそこにふさわしい外観だった。


 レオに先導さを揺れる階段の上に登る。登りきったあと平らな足場のホッと息を吐いて前を見る。扉には“テイル診療所”と書かれて木のプレートがかかっていた。


「今から中に入るけど、話しかけられても、返事しなくて大丈夫だから。顔隠したままちょっとだけ口をつぐんでいてね」


 レオはリルにそうつげてから扉を開けた。

 

 家に入っていくレオについていくとふわりと独特な香り微空をくすぐる。一番最初に目に入ったのはふたりの黄色と桃色のドラゴンだった。

 まだ皮膚は硬いウロコに覆われていないので子どもなのだろう。かたやすり鉢、もう一方は器で何かをかき混ぜていた。まさに薬の調合中といった様子だ。


 最初に気がついたのは黄色い方の子が声を上げた。


「ルーディ兄ちゃんとキーラ姉ちゃん!いらっしゃい!」


 お菓子片手にこちらに駆け寄ってきたそのまま勢いよくレオの腰に抱きついた。


「ぐふっ!うおぉ、久しぶり、フェルル」


 子どもの頭が鳩尾に決まったらしい。けれど、レオは若干顔を青くして苦しそうにしながらも子どもの頭を撫でる。子どもはそれに気づかず少し首をかしげたあと楽しそうにまとわりつく。

 それに対してもう片方の桃色のドラゴンも弾んだ調子で声をかけてきた。


「お久しぶりですね、ルーディさん、キーラさん!今日はどうなさったんですか?」


「ああ、ミルルも久しぶり。うん、アリア先生に用があってね」


 交わされる会話をリルは見守っていた。話を聞いているとどうやらリルがキーラに見えているらしく、さらに返答しなくてもなんの疑問も持たれていないようである。

 フィフィリの時もあったが、レオたちが普通に会話できている分、、まるで自分がキーラに変身しているようなとても奇妙な感覚だ。


 レオの言っていた面倒な場所と言うのはどうやらこのことのようだ。そんなことを考えていると奥から女性の声が聞こえた。


「あら、いらっしゃい。ルーディ君。遅かったわね」


 テーブルの向こうの扉から現れた人物にリルはこれまでで一番といっていいほど目を見開いた。


「え、エリー様?」


 困惑して思わず名を呼んでしまった。気がついてパッと口を手を閉じると黒髪の美しい女性は困ったように微笑んだ。


「二人ともよく来たわね。とりあえず奥の部屋に行きましょう。フェルル、ミルルちょっと奥の部屋で話すから薬の調合を宜しくね。それが終わったら休憩していいわ」


 女性がそう告げると「はーい」と元気よく良い子の返事をした。女性はそのまま奥の部屋に向かう。レオ共にのリルもそれについていく。


 奥にあるのは扉のない4人がけの机と椅子だけの簡素な部屋だった。

 すると女性はこちらを振り返らず、突然手を上に掲げて魔力を収束させた。それにレオが慌てた様子を見せたが女性は止まらない。リルもよくわからないがその様子に思わず身構えた。


「いくわよっ!創世魔法アリア・ボクス!」


 そう唱えた瞬間まばゆい光が部屋中に弾けた。思わず目を閉じかばうように腕を目の前に交差させた。

ギュッと目をつぶっているとまぶたに透ける光が次第に消えていく。すると女性から穏やかに声をかけられた。


「もう大丈夫よ。これで、マオどころか王にも干渉できないわ」


 そっと目を開ければさきほどと変わらぬ部屋がある。何か変わったようには感じないが女性は今創世魔法と口にした。明らかにリルより上位に魔法使いだ。けれど創世魔法の使い手は王位につくことが常なのでドラゴンの領域にいるのだろうか。そう思っていると弱々し声が足元から聞こえた。


「アリアさーん。創世魔法を使うなら前もって言って。俺は縁切りしたから今は魔法耐性がないんだから」


 その場にへたり込むレオを見て、驚いたリルは慌てて駆け寄った。


「あ、ごめん。レオ君は紙装甲だったわね」


「相変わらず無邪気にひどいな」


「だって、予告したところで結果は変わらないじゃない?」


 悪びれる様子もなくコロコロ笑うアリアにレオはうなだれる。


「とりあえず座りましょう。レオ君はここにお座りなさいね」


 アリア無邪気にそう言って椅子に座り隣の椅子を叩いて誘導する。レオが立ち上がりリルを安心させるように微笑んだ。 


「この人はちょっとアレだけど俺と同じ転生者だから信頼して大丈夫だよ。柚姫ちゃんはここ座ってね」


 転生者という言葉に驚くリルにレオは椅子をひいてくれた。

 その顔は少し青く、声にあまりは気がなかったが、現況であろう女性は特に気にした様子もなく「あら紳士ね」と楽しそうに言った。リルは心配に思いつつも好意を無下にするのも悪いのでその椅子の座るとレオもアリアの隣に座りそのまま突っ伏した。


「ふふ、ごめんね。あとは私が話すからレオ君は少しお休みなさいな」


 女性は柔らかく笑ってレオの背をぽんと叩く。なんだか姉と弟のようなやりとりだ。黙って見ていると今度はリルの方に目を向けた。


「ごめんなさいね、驚かせて。私の名前はアリア・テイル。ここでドラゴン専門の診療所を開いているわ。あなたのお名前を聞いてもいい?」


 アリアと名乗った女性は朗らかにそう微笑んだ。


入れたい会話が多くて、相変わらず話の進みが遅いですね。

調子がが悪くてペースがまた落ち気味ですが次回こそは振り回され主人公の疑問をいくらか解消させてあげたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ