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変わらない日常の終わり
喫茶店を後にし、はしゃぐ妊婦に注意しながらふくやアクセサリー、そしてベビー用品など楽しく買い物をした。
けれど、めぼしいものはなかったので結局冷やかしただけになった。その後ファミリーレストランで昼食をとって二時頃に駐車場で利保と別れた。
そして今バスを降りて家に向かって歩いていた。
今は丁度厚さがピークに達する時間である。
都心の、しかもあまり緑のない住宅街なので、余計に暑く感じられる。汗が止まらない。
今世で初めて四季というもの体感して早15年。
頭で理解しても未だに慣れない現象である。前世の柚姫が体感した覚えがあったのは常に少し肌寒い気温。それ故に夏というのが非常に辛い。
体の問題もあるがそれよりも精神的な意味合いが強い。できれば北国で生まれたかったと何度思ったことだろう。
意識がぼんやりする。
ふと日射病だろうかとよぎるがバス停から家までは五分ほど。まださして日には当たっていないし、先程ファミリーレストランのドリンクバーで二杯以上飲んだので水分が足りないというわけではないだろう。
何か違うと本能的に感じ取る。では何が起きたのか。
しかしそれ以上考えることはできなん。意識はそこで途切れた。苦しくはない。
ただ眠るように落ちていった。




