空想科学祭2008-2011人物列伝
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空想科学祭人物列伝;序:空想科学祭2012を応援、過去の四回の祭りを盛り上げた作者さんをご紹介します。全員は無理なので、独断と偏見で以下の条件をクリアした作者さんをピックアップ。その1;2回以上参加した方。その2;なにがしかの賞を獲得した方。その3;賞は得てなくとも話題となった方
空想科学祭人物列伝;序2 とにかく、私の独断と偏見で選び書きますので、ご不快の懸念がある方はお知らせください。直ちに削除します。よろしく。まずはこの人から。
空想科学祭人物列伝;木野目理兵衛 第一回から皆勤賞。しかも、全ての回で何がしかの賞を受賞する。その幻惑的な世界観は他の追随を許さず。長編作品かつスチームパンクものを得意とし、風変りなルビを特徴とする。硬派な文体にも関わらず一読すれば誰もがリヘイワールドの虜に。
空想科学祭人物列伝;木野目理兵衛(続) ID 12920 主な参加作品;「オールドロマンサー」「アモンクロック」「パルプグラマトン」「プロメテ=オートマティクス」。他に大作「少女思想機械」や小品「トーマス・グローシンガー博士の望霊鏡」「リヒテンベルク氏の油圧式悪魔」など多数。
空想科学祭人物列伝;泰然寺 寂 第一回から皆勤賞。その発想と「とんでも」感は主催者に韻鏡十年賞なる賞を創設させる。難解だがその人を喰った作品群は既に科学祭名物。しかしこれら作品は深い知識無くしては書けないものばかり。過去、筆名を様々に変えることでも有名。
空想科学祭人物列伝;泰然寺 寂(続) ID 23280 主な参加作品;「棺桶みたいな」「アンド・ワールド」「地球儀とダンス」「マルキ・ド・サド、あるいは現代の文学にかえて」「上半期空想科学小説大祭選評」やはりこの作者は小品が光るようだ。
空想科学祭人物列伝;俊衛門 第一回から皆勤賞。ハードボイルドな文体、スタイリッシュな戦闘シーン、そして妖艶で陰影深い登場人物。どっぷりエンタメ世界を演出。しかし底に流れる社会風刺は、描く世界が絶望感満つものだけに鋭い。十万超えの大作が多いが、ストレスなしに読み切れるのはさすが。
空想科学祭人物列伝;俊衛門(続)ID 10506 主な参加作品;「夜狗-YAKU-」「黄海に消ゆ」「燕と夜叉」「ルカに捧げよ」しかしこの作者と言えば連載中の人気大作「監獄街」を上げなくてはならない。だが、当の本人は「監獄街の人」と呼ばれるのをフクザツな心境でみているようだ。
空想科学祭人物列伝;あゆみかん 第一回から皆勤賞。イラストが得意な作者、参加作品はギャグを織り交ぜながら懸命にシリアス路線を突っ走る印象がある。コミックのノベライズとでも言ったら近いだろうか。チャットでの弾けぶりを見ればこの作者、大変なお祭り好きなのかも知れない。
空想科学祭人物列伝;あゆみかん(続)ID 12053 主な参加作品;「さんすうリズム」「シュセンド」「リターン・トゥ・マイライフ」「耳鳴り」「SFのとーり!」実は第一回参加の「さんすうリズム」が一番この人らしいのかも。
空想科学祭人物列伝;尚文産商堂 第一回から皆勤賞。多作では右に出る者なし。特に第二回、マシンガンの如く産み出した量子コンピューターを題材としたシリーズはなんと十三作品。その影響で第三回から参加作品制限が設けられるほど。毎回全ての参加作品を読み通そうとする努力はさすが。
空想科学祭人物列伝;尚文産商堂(続)ID 26407 主な参加作品;「ファーストアース」「我らが太古の星」シリーズ「新人類」「銀河の両極」「これが私の日常」など。一作だけ集中して書いたら、と期待する。
空想科学祭人物列伝;じょーもん 第一回から皆勤賞。その饒舌な語り口、アダルトな内容、豊富なSF知識、そして壮大な世界観。その膨大な情報量を前に読み出して挫折する者は多いだろうが、実に残念だ。これだけの登場人物を自由自在に操る力量には感服する。
空想科学祭人物列伝;じょーもん(続) ID 2941 主な参加作品;「ザ・ライダー・プール」「もぐら叩き」「さんぶんのいち」「みず☆たま」他に「流水の宴」シリーズなど。ノクターンでも活躍する幅広さ。
空想科学祭人物列伝;小坂 戒 第一回と第二回参加。退廃的やら官能耽溺やらという言葉がしっくりと来る小品で衝撃を与える。不可思議でおどろおどろしげな世界を一切説明らしい説明のない淡々として全く無駄と隙のない文章で綴った。掌編といえばこの人と誰もが認めていた実力者。
空想科学祭人物列伝;小坂 戒(続)ID 16096 主な参加作品;「朽ちていく三つ」「穴」「或る街」。たった三作の小品、二回だけの参加で記憶に残る作家の一人に。特に当時絶賛された「或る街」は次回の空想科学祭に参加しようと考える者必読だろう。ぜひ再び参加して欲しいものだ。
空想科学祭人物列伝;栖坂 月 第二~四回参加。その達筆振りは「なろう」でも知られる作者。ある公募で最終選考に残ったという。コメディを底辺に読む者を唸らせる作品を連発する。掌編から長編までそつ無くこなすが、どちらかと言えば短編に鋭いものが見られる。安心して水準以上を叩き出す実力者。
空想科学祭人物列伝;栖坂 月(続)ID 38624 主な参加作品;「改造人間2号」「森のぱよぱよ」「キッチンドランカーVS冷蔵庫」「変人の穴」「F・∞」「我々はレミングではない」「機動兵器G」など。並べてみるとこの三年間、腕を上げているのがよく分かる。私個人としては改造人間推し。
空想科学祭人物列伝;余談 参加皆勤賞(一から四回)は以下(五十音順・敬称略、って今までもずっと敬称略ですみません)七名。あゆみかん、小田中慎、木野目理兵衛、尚文産商堂、じょーもん、泰然寺 寂、俊衛門。
空想科学祭人物列伝;鳥野 新 第二、三、四回参加。その着想力に唸る。突拍子のない笑いのエッセンスは読みやすく滑らかな語り口によっていつの間にか必然性を帯び、魅力溢れる登場人物につい感情移入してしまう。SFファンのみならず一般読者を掴むツボを知る名手。
空想科学祭人物列伝;鳥野 新(続)ID 40285 主な参加作品;「抹茶のごとく緑」「辺境ドーム1779」「華化姫」。どれも手本の如き快作。SFを離れては遠く波斯に飛鳥を重ねた美しい小品「空の碧」をお勧めしたい。
空想科学祭人物列伝;桂 まゆ 第二、三、四回参加。既に電子書籍も販売するセミプロ作者。本企画だけでなく様々な企画に顔を出している。以前はファンタジーを得意とし女性ならではの作品をものにしたが、この企画に限っては硬質で本格的なSFを書き上げようと努めているようにも思えるが。
空想科学祭人物列伝;桂 まゆ(続)ID 32451 主な参加作品;「千年の恋をしよう」「汝は人狼なりや?」「銀杏の下で君を待つ」「COCOON」「ナイトメア」。他に力作「ただ、ひとたびの……」「緋牡丹の柄」などがあるが、個人的には「花形見―Forget-me-not」がいい。
空想科学祭人物列伝;Mr.あいう 第二、三、四回参加。第二回から?と思わず思った人もいるかもしれない。それほど第三回での変貌ぶりが話題となった。目立たなかった第二回が嘘の様に第三回で賞獲り。ドライな視点と嗤い、文学的な香り、ほのかに漂う哀感。書く度に腕を上げている若手の注目株。
空想科学祭人物列伝;Mr.あいう(続) ID 42345 主な参加作品;「緑の星」「死亡猶予」「そのスイトピーが枯れるまで」他に「おぼろげな輪郭を合わせて」「人外の法律」などホラーからコメディまで多彩だが、まずは変貌の原点「サイバー・ひよこ」を読むべし。
空想科学祭人物列伝;藤咲 一 第二~四回参加。この作者は真面目な人だと思う。一見ほのぼの、ユーモアたっぷりドタバタ感のある読者を笑顔にさせる作品を得意とするが、その作りは推敲と重ねたと思われる真摯なスタイル。当人はSF感が足りないと思っているようだが、私はSF認定したい。
空想科学祭人物列伝;藤咲 一(続)ID 31711 主な参加作品;「銀星スターライト」「セイギのミカタ」「I think about――」。他に「小さな謎」「砂時計」など。「小説家になろう」をぜひ書き続けて欲しい。ここにも作者の生真面目さが「注意書き(必読)」に。微笑ましい。
空想科学祭人物列伝;M's Works 第二~四回参加。真崎優という名前から改名、二名の作家ユニット。安心して読める安定感があり上手な人たちだと思う。地の文を排し会話で引っ張る作品が目立つが、これはよほど自信があるか軽いモノ狙いでないとモノにならない。あっさりとした読後感が特徴。
空想科学祭人物列伝;M's Works(続) ID 18992 主な参加作品;「月世界旅行」「I,Robot」「未来人は過去にいる。」。他に未完の大作「皇國記」など。実は私も○十万相手に「M's Works -舞台裏-」と同じ企画を考えたことがある。苦笑。
空想科学祭人物列伝;りきてっくす 第一回と第四回参加。正に巧者という言葉が似合う。間違いなく「上品」なものも書けるのに……。しかしエロやナンセンスにのみ目を奪われる事なかれ。その人間描写力に敬服する。もっと高みを目指せるのだが、そんなことを尋ねればきっと鼻で笑って首を振るだろう。
空想科学祭人物列伝;りきてっくす(続)ID 18867 主な参加作品;「化石ドラッグ」「機巧乙女之手妻顛末」「アダプター・ソケット・セクサス六号」。アダプターの一件は波紋を広げたが、この作者の人気所以ではないだろうか?他にストーリーテラー振りを遺憾なく発揮する「なめこ太郎」など。
空想科学祭人物列伝;武倉悠樹 第三回と第四回参加。ハードボイルド調の文体と未来の日常を切り取る事で示される主題。その未来が明るいか、と言えば、どうも灰色と見える。用語とガジェットの奔流に圧倒されもする。掌編の王道とも言うべき作風で存在感を示した。
空想科学祭人物列伝;武倉悠樹(続)ID 52504 主な参加作品;「The melancholy of philosopher ~哲学者の憂鬱~」「MONO語」。科学的素養が垣間見られる作品群ではポエムやメルヘンチックなものからハードなものまで。実に多彩な人である。
空想科学祭人物列伝;檀 敬 第三回と第四回参加。今回初めて参加する作者には古参の顔役と映るに違いない科学祭の「ダディ」。まだ二回目の参加とは思えないほど溶け込んでいる。人柄の良さはさて置いても豊富なSF知識に裏打ちされたガチなSFは正に本流。主婦からも人気者でツイッターでも活躍。
空想科学祭人物列伝;檀 敬(続)ID 17808 主な参加作品;「太陽系の外側」「火星に木を植える男」「ブラッドコレクション」「ファントム オブ デッドカルチャー」など。コメディやホラーにも手を出すがこの人の真骨頂は実は?と思われるほどほろ苦い恋愛ものも多い。中々やり手の旦那だ。
空想科学祭人物列伝;閂 九郎 第三回と第四回参加。若手実力派との呼び声高い作者。普段はゲーム色の強い作品やファンタジー、ミステリーなどを書くようだが、この企画では硬度の高いスチームパンクや神を主題に実験的な作品で挑んだ。次はどう挑むのか?楽しみな作者の一人。
空想科学祭人物列伝;閂 九郎(続)ID 47158 主な参加作品;「オーバーテック・ストーリー」「命題=マキナ」。この人の実力を「5分で」知るには人気企画で絶賛された「夜霧の中」を読むといい。
空想科学祭人物列伝;84g 第三回と第四回参加。その強気、敢えて永遠の挑戦者と呼ばせて頂こう。自由奔放、読者置いてけ堀、唯我独尊、どんなに叩かれようと我が道を行く。その心意気天晴れ也、としておこう。だが、その作品、意外と言っては失礼だが、ちゃんとSFではある(当り前か)。
空想科学祭人物列伝;84g(続)ID 90594 主な参加作品;「バルからゴキヘ。」「火星御留流山至示現流」「空想科学忍法帖 泥覧試合編」「FORGET FACE~忘顔~」。もう好きにして、と言おうw但し「人に感想する時は辛口の意味を履き違えないように」とは某感想人の意見である。
空想科学祭人物列伝;虹鮫連牙 第三回と第四回参加。二次創作で磨き上げた軽妙洒脱な文章はこの企画でも充分に威力を発揮。オチを読まれる事を恐れず、確信犯的に、ある意味姑息に、そして強引に物語る。軽快な作品はテクニックより勢いが大事だと言う事を知っているツワモノ。
空想科学祭人物列伝;虹鮫連牙(続)ID85949 主な参加作品;「マリッジ・ホワイトスワン」「ラムダと約束を」「千休」「トランスホーム」。他に“魔法少女リリカルなのは”の一連の二次創作群や「Angel Ring」などがあるが「岩沼市ボランティアレポート」にこの人の素顔が覗く。
空想科学祭人物列伝;沢木香穂里 第一回と第四回参加。この企画を持ち出さずとも「なろう」では知られた女史。観察眼の鋭い人だ。人のサガを主題にして世の中甘くないゾと言う大人視点で書かれはするが、どこか温かみがある。疲れ傷ついた人間が希望を見出すという構図がこの人の作品にはあるのだ。
空想科学祭人物列伝;沢木香穂里(続)ID32433 主な参加作品;「占い師レイカ」「あんどろいど・セラピー」。他に、りきてっくす氏と共作「先の見えないラブストーリー(仮)」、童話「わる子ちゃん」「群青まーぶる」など。書き慣れている、という在り来たりの評が素直にしっくりと来る。
空想科学祭人物列伝;招 夏 第二回と第三回参加。普段はSF色の強いスペースサーガや伝奇ファンタジーを得意とする作者。企画では一転、UMAチックな生物を題材に話題を呼んだ。方向性がSFに向いていないと第四回をPASS、読み専に徹した様子だが、釣れない事言わず戻って頂きたい一人。
空想科学祭人物列伝;招 夏(続)ID29477 主な参加作品;「ラニーニャの卵」「ウンディーネ」。他に「惑星ハル」シリーズや「野いちご」など。何と言ってもウンディーネの金ちゃん萌えな人たちも多いはず。
空想科学祭人物列伝;葛城 炯 第一回と第二回参加。連作で綴ったスペースフィクションは科学的素養に溢れた本格派。「少し不思議」や「サイエンスファンタジー」「スペキュレイティブフィクション」が大勢の中、堂々と王道の「サイエンスフィクション」だった。質の面で企画を盛り上げた一人。
空想科学祭人物列伝;葛城 炯(続)ID21170 主な参加作品;「ラプラスの魔女(同2~5)」「イシスの記憶(同2~5)」。他に「セラフィン・バニー」シリーズ、大作「101人の瑠璃」など。SF好きにはたまらないエッセンスに溢れている。
空想科学祭人物列伝;羽村奈留 第一回と第二回参加。不思議な動物をガジェットに独特でファンタジックな世界を構築していた。このキラキラとして何故か寒々とした世界風景がこの作者の持ち味だろう。プロを目指すと自己紹介にあるようにすっきりまとまり読みやすい文章、丁寧な描写力はさすがだった。
空想科学祭人物列伝;羽村奈留(続)ID19831 主な参加作品;「黄玉の光子弾 」「韜晦の想い」「煌めきの想い」「水色の想い」。他に大作ファンタジー「the keys 」、小坂戒氏との共作「小説家の沼川海湖です2 」など。作風からは意外にも推理や冒険ものを得意としていた。
空想科学祭人物列伝;谷津矢車 第三回と第四回参加。この作者も既に本企画の顔の一人。他の企画にも積極参加し、どこでも水準以上の作品を残す。普段は歴史物を得意とするが、ホラーや恋愛物、純文学までソツなくこなしている。その学究肌に似合わず結構アツいところもある祭女、否、才女。
空想科学祭人物列伝;谷津矢車(続)ID11648 主な参加作品;「消えゆく明日の片隅で」「宇宙、作っちゃいました」「優しい檻の中で」など。他に「ハオがいた」「嘉永剣客斑模様 」「明日は晴れるだろ」シリーズなど多数あるが、個人的には「碧落夢見る風見鶏」がいい。