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止まった時間……

作者: 甘音静香


あなたと出会えたのは偶然?



偶然じゃないと思うのは私だけ?



あなたの笑顔が大好き

あなたが笑えば私も笑う



あなたの隣が好き……


あなたの力強い腕が好き

あなたの姿勢や

凛とした顔が大好きだった



照れた顔も全部大好きだった



こんなに好きだった。



あの日あなたは

私の元から消えてしまった



あなたが去っていくのを見て見ぬふりをして手離した



でも、それがあなたの幸せならいいと思った



ひとりぼっちになった私は

あなたのいない時間をさ迷って暫く立ち止まった。



座り込んだ……



ただ呆然とした

私の時間は止まった。



怖いよ……

そうつぶやいてみた

真っ暗で道のない道の真ん中



だけど…

誰にもその声は届かない



助けて……


助けを求めた

でも、みんな私をこの暗闇から助け出せなくて

私は救いの手を取っては離した私……



もう涙は渇れた

ひとりで泣くのはやめた。

もう泣かない。


それから私は涙を見せずに

もう一度時間を動かすために

歩きだした。



宛もなく歩いた。



そしたら

暗い道から光が見えた。



私はそこへ走った



そこにいたのはあなただった

私はあなたを見つけた。



私はあなたに助けを求めた



でも、やめた。



あなたに会うのが怖かったから



また、あなたが去っていってしまった



最後のきっかけを私は絶ってしまった



次はあなたが私を見つけた。



あなたが見つけてくれ

嬉しかった。



あなたは私を期待させる……



私は思いきってあなたに伝えた。



「好きだよ。ずっと好きだったよ。出会ってあなたと恋した時からずっと……」



だけどそれは

伝わらなかった。



私はもう隣にも居なかった。

隙すらなかった。



もう歩けなくて

止まった時間は数秒針を動かしてまた止まった。



もうあなたの隣は

私ではなくて……



私はまた歩いてきた道を戻った。



暗い道へ戻る私……


私が消える瞬間(とき)


私の手を誰かが掴んだ



あなたは私に言った



あいしてる



と……



もう一度やり直そう



と……



それ以上なにも望まない


ただ……あなたとまた同じ気持ちで隣を歩きたい。



何を失っても構わない。



あなたがいるなら……



過ぎた時間は取り戻せない


自分がした過ちを背負いながら

また、あなたと同じ道を歩く。








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