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任務の受領

詩音の性格がかなり黒いですが、クソ爺オンリーの態度なので気にしないで下さい

「よう、色男!!」


ドゴンッ!!



ギルドに入った瞬間そんな声が聞こえたからイスをその声の発生源に向かって蹴り飛ばした。

が、届く前にしがれたオッサン風貌の男がイスを受け止めた。


オレはイラつきつつイスを止めたオッサンに話しかけた。



「レイン、止めるな」


「ここはギルドの中だ。喧嘩なら訓練室に行ってやれ」


「はいはい、ツウ事でジグ、訓練室行くぞ。言っておくが拒否権はない」



レインに窘められたから色男呼ばわりした粗野な風貌にレザーアーマーを着込んだ男にそう言った。



「俺の代わりにミリーが行ってくれるそうだぜ!!」


「ふぇ!??」


「じゃあな!!!!」



ジグはそう言って逃げようとしたが、オレは縮地でジグの背後をとって後頭部を掴む。



「なに、遠慮するな。いずれ気持ちよくなるから」



オレはそう言って握りつぶさない程度に力を強め、訓練室に向かって歩いていく。目的は当然、ジグの処け…もとい喧嘩だ。




その後、訓練室から聞く者を不安にさせるような男の絶叫が聞こえた。









今さっき付いた返り血を拭っていると滑らかな金髪にウェーブをかけた少女がいたのに気づいて話しかけた。



「ミリー、なにか用?」


「ふぇ!?あ、あの、」


 ミリーはオドオドしている性格だからかなりじれったく思っているが、それを言うと泣かれて更に話が進まなくなるので言わない。



「あ、お姫様達からまた手紙が来てるよ。今度は6通」


「ジグが言った理由はソレか」


「う、うん。に、睨まないで、ね」



 んなことで睨むつもりはない。呆れただけだ。



「あと、任務お疲れさま。マスターが報酬と次の任務で呼んでたよ」


クソ爺ギルドマスターが?今度はどんな無理難題出す気なんだ?

 まあいいや。とりあえず教えてくれてありがと」



翔吾がそう言ってオレ達はアイシャ達の住んでいる村に行くことになった。

 ほっとくとまたイジケられるので先に言った。 そして一方的に言ってからマスターの気配を探って執務室に向かった。





「おい、クソ爺!!来てやったぞ!!」


「誰がジジイだ!詩音!上司をもっと敬え!!」



 オレの言葉に応えたのは傷痕が残っているマッチョな肉体にツルッツルの頭を持った50代後半のオッサン、もとい禿マスタージンだった。



「ワタシははげとらん!!見よ!やっと再生したこの髪を!!!」



地の文にツッコミを入れるなよ

確かによく見ると産毛みたいな薄さで髪が数本生えていた。が、その事で威張られるのも癪なので、



「ファイヤー」


その髪を燃やした。



「ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「んな事はどうでも良い。さっさと無理難題を言え!!」



ちゃんと髪が全部燃えたことを確認した後氷らせて消火する。



「ワタシの………髪が…………」


「女々しい!!」


「誰のせいだ!!!」


「誰のせいって、たかが産毛でオレの言葉を否定したハゲのせいだと思うが」


「オマエ、十年前にかけたハゲの呪いも含めて謝る気無いだろ」



 このジジイ、なに寝ぼけたこと言ってんだ?当然に決まってるだろ!!



「んな事よりさっさとオレを呼んだ任務を言え!!」


「分かった。

 オマエ、20日後から護衛任務な。期間は3年間、護衛対象はこの娘だ」



 クソ爺マスターはそう言って一枚の写真をオレに見せた。

 ピンクの長いポニーテールと白くて大きなリボン、とがったようなつり目、瞳の色は珍しいコバルトブルーだ。


 あれ?オレ、コバルトブルーの女性をひとり知ってたような。この少女じゃなくて、誰だっけ?



「この少女の素姓は?」


「重要なポストにいる奴の娘じゃないから安心しろ。この子はワタシの娘だ」



ほうほう……………………………………………は?



「耳が遠くなったか?もう一度言うぞ。この子は、ワタシの、娘だ」


外道ウルトラボケ老人マッスルハゲジジイ、地獄巡りと一年間ピラニアの餌、どっちがいい?」



 いや、ここまでキレたのは何年振りだろうな。お陰で殺意メラメラなのに顔に笑顔が張り付いてるよ。



「任務に私情を挟むな、なんて口をスッパくして言ってる奴が何でそんな任務を下してんだ?」


「この子のことは別だ。ワタシのせいでこの子は平凡な生活を送ったことがないのだ。

 今だって娘とあまり接しないことで鎮静を保っている」


「嘘言うな。この前娘が冷たいよ~なんてグチってたろ」


「…………テヘッ」



ブチッ


バキッ



「よし、遺言はそれだけだな。思いっきり殴ってやる」


「殴ってる!!今さっき殴っただろ!!」



 なんか哀れに感じたので怒りのボルテージは急下降



「オレでなくともミリーやジグに任せればいいだろ。

 特にジグあたりは泣いて喜びながら引き受けそう」


「ミリーはあんなにオドオドした性格だぞ。仲良くすることすら難しい。ジグやその他に関しては論外だ。この娘を傷物にされたらかなわん」




 このクソ爺、ホントに頭の中蛆でも湧いてるんじゃない?



「おい、ボケ老人!一つだけ聞くぞ。間違えたら地獄永久巡り!!

 オレの性別は何だ?」


「頭大丈夫か?男に決まってるだろ」


「じゃあオレが傷物にしてもいいのか?」




「………止めて欲しいが、構わん!!」


「その理由を教えて貰おうか?」


「ジグ達は無理矢理することがありそうな性格だから却下したんだ。

 その点オマエはそう言ったことに誠実だから相手から言い出さない限り手を出さないだろ」



 何か怒る気が一気に萎えた。そこまで信頼されていると逆に怒る気さえなくなる。



「了解。その任務、引き受けた。」


「そうかそうか。ではこの誓約書にサインを」



そう言い放ったジジイの目が光った気がしたが、まあ無視して良いか。

この誓約書にも何の変哲もないしな。


誓約書というのは裏切りや離脱をしないようにする魔法がかかった物で、サインしたら強制的に内容を履行させる。しかも契約者は紙を破ることができない。


だから護衛や裏の仕事をさせるときによく書いた。



「コレで良いか?」


「おう!いいぞ!!

 そうそう、言い忘れてたがオマエにもサンカレア学院に通ってもらうぞ」





……………………………………………………………………………神様、このハゲ殺して良いですか?



「フザケんな蛸入道!!!なんで女子校なんだよ!!!?

 んなことだったらオレは降りる!!!」


「誓約書にサインしたからもう遅い。残念だったな、諦めろ」



 この蛸入道クソジジイ、確信犯だな。



「よし、地獄巡りをさせてやるよ」



 自分の剣の調子を確かめながら言い、逃げようとしたクソ爺を拘束する。その時にハゲマスターが青い顔をしていたが、処刑が楽しみなんだろう。


  さあ地獄巡りアンデッドリンチの開幕だ!!




 その後、ギルド内にこの世の終わりのような悲鳴が一週間響いた。








 それから数日後、ギルドには新しいルールが設定された。

 そのルールとは『詩音を怒らせてはいけいない』だ。


 ちなみにハゲマスターの地獄巡りは初日より悲惨な状態になった。と言うのも詩音自身が次の任務のことをバラし、その話が瞬く間にギルドの外にまで広がって最終的に国王の耳にまで聞こえた。そして国王はこのギルドを潰そうとして、その煽りを喰らいそうなギルドメンバーはハゲマスターに怒りの鉄拳を喰らわせる。

 そう言った経緯があってハゲマスターの命もギルドの存在も危うくなってきた。



 まあ詩音は止めればいいやと考えているので楽天的だったとさ



ちゃんちゃん

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