第7話
一か月が経ちました。私は元気です。
認めたくないけど、本当に認めたくないけど、なんか魔法少女になってから殆どが順調にいっている気がする。
奏と仲良くなってから、奏と仲良くしていた友人とも仲良くなって休日は遊びに行くようになったし、奏は授業が終わるたびに話しかけてくれる。
魔法少女活動の方はまだ新人研修みたいな立場で現場に出たことはないけど、座学はちゃんとこなせていて講師の方にも「覚えがいいね~」って褒められる。比べている相手が小学生だろうからあんまり実際覚えがいいのかはわからないけど、褒められて嬉しいことに変わりはない。
それと、全世界で初めての高校生魔法少女ということでよく実験される。
定期的に行う採血に、ひたすら修練場をダッシュしたり、あと壁を殴ってと言われたので殴ったり意味の分からないことも行っている。
ただうまくいっていないこともあって、それが戦闘に関すること。
ほかの魔法少女は魔力を杖に通して火を出したり風を吹かせたり色々なことができるのに、私はそれができない。代わりに魔力をそのまま飛ばすことはできるけど。
でも意味ないんだよね。魔力があれば魔獣に触れられるようになるので、じゃあ魔力をそのままぶつけてもダメージにならないの?とは思うのだが、現実はそう上手くはいかず。ただ当たるだけなので、ダメージを与えるには火とか風の現象にして飛ばさないといけないらしい。
これに関してはなんとなく原因がわかっている。私がイメージできてないから。魔力を魔法するにはイメージが大事らしい。
でもさ、想像してほしいんだけど。たとえば火って熱とか酸素とか、そういったものがあって初めて減少として存在するものじゃん。なんで魔力ひとつあれば火になるわけ?
火が燃えるには酸素が必要で、魔力を火に変換できればあとは勝手にそこら辺の酸素を使って大きくなることもわかったのよ。
でもね、私が躓いているのはその前段階なの。なんで魔力ひとつで火が出てくる?意味わからんのだが。
小学生が魔法少女になれるのはこの辺が理由なんだろうなと。言っちゃあなんだけど、小学生ってまだものを知らないから、言われたことをすぐに受け止められる。「魔力は火になります」と大人に言われたら、「そういうものなんだ」って思って火の出るメカニズムとか知らないから簡単に出せる。
私は無理。魔力で火ができるより先に科学的な火の発生メカニズムを学んでしまっている。それが先行するから魔力を魔力としか見れていないし、火になるなんて考えられない。
他も一緒。魔力は雷とか水とか風とか土にもなるらしいけど意味わかんないじゃん。なんで魔力が水になる?土って無から生まれないよね?風は吹くものでそれで一応生きていると思われる魔獣が切れるか?雷に至っては……何?意味不。それ扱えたらゼウスなのよ。
とはいえ一応私にも魔獣を倒す手段はある。それは何か?身体強化である。
身体強化とは簡単に言えば体を強化する魔力の扱い方。全身に魔力を纏わせれば能力が上がるのだ。
視力や腕力は言わずもがな、体力まで上がってフルマラソンを楽に完走できるようになる。
要するに、上がった身体能力で魔獣をぶん殴れば倒せますよって話。一応魔力の他に拳も使って殴っているから、火とか風みたいにちゃんと現象で攻撃しているという認識なので効く。
ただ難点。殴った拳が痛い。身体強化は身体能力を高めるけど、強度まで上がっているわけではないのだ。殴ればちゃんと痛いし、調子に乗って壁走りした際に足をもつれさせて落ちたときは痛すぎて死ぬかと思った。
そんなわけで、全体としては割と順調、魔法少女活動に限ればちょっと危ういかも?という認識。
早く魔法を使えるようにならないといけないのだけどね。初めて本部に来た時案内してくれた方が言っていたように、一緒に命を懸けられるように。
魔法少女、みんな可愛いのよ。学校であったことで笑って、勉強がわからないって友達に相談して、時々好きな人に告白したいって相談してくれる。みんな普通の子供なんだよね。
だからさ、大人に片足くらいは突っ込んでいる私も、せめて一緒に戦えるようになりたいんだ。
はてさて、それじゃあ今日も練習がんばりますか。
あ、それと魔法少女名も考えてって言われていたな。みんな花とか強そうな名前とか本名から取っているらしいけど、私はどうしよう。無難に本名から取ってココアにする?
でも身バレしたときが恥ずかしいよなぁ。転校する時に結構怪しまれるだろうし。どうしましょ。




