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魔法少女という年ではない。  作者: あるにゃとら


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第6話

 とある日の夕方。私は仲良くなった3人の魔法少女と本部からの帰りに一緒にゲームセンターに遊びに来ていた。

 私の座学が終わったタイミングで3人も練習を終わらせたようで、せっかくなら一緒に行こうという話になったのだ。


 ちなみに本日の座学では戦っているとおこるよくわからない現象のことを教えてもらった。『崩壊』といって、魔獣に魔法をあてると時々発生する現象らしい。衝突した魔法の向かっていた先に発生し、空間にひびが入り魔獣に大きなダメージを与えることができる。


 基本起きると徳だが、条件は魔力が関係していることしかわからないので再現性がない。そもそも『崩壊』を起こした魔法少女は日本で3人しかおらず、その魔法少女も今は引退し

ているそうだ。

 故に講師の方にも、頭に入れておいてね程度でしか言われていない。


 一緒に遊ぶ一人目はミモザちゃん。本名は新島美香という。明るく元気な魔法少女で、魔法少女の中では私を除いて最も新人になる。小学1年生。

 艶のある黒髪を肩くらいの長さで整えている正統派美少女だ。


 二人目は、魔法少女トウカ。本名は星田灯火。静かな子で本部の中では時々絵本を読んでいる姿が見られる。小学6年生で魔法少女歴も6年。みんなに頼られる先輩だ。

私のことを「ここお姉ちゃん」と呼んでくれる。妹に呼ばれるのと同じ呼び方で私としてもなじみ深い。他の子もトウカちゃんに習って、私のことを「ここお姉ちゃん」と呼ぶようになった。

 

 三人目は魔法少女ヒカリ。本名は立花光莉。人を簡単に好きになってしまうようで、知り合って1週間ほどなのにも関わらずもう「知り合いのお兄ちゃんと結婚したい~」とか「コンビニでバイトしている高校生に告白して振られた~」という話を聞いている。この子の将来が心配である。

 小学3年生で魔法少女歴も3年。勉強はあまり得意ではないようで、宿題で出てきた感じがわからず年下のミモザちゃんに聞いているところを何度か見かけている。


 そんな3人でゲーセンに向かったわけだ。そしてびっくりした。

みんな何を遊ぶのかな~と思っていたら、5000円くらいを全部メダルにして競馬ゲームで賭けを始めたのだから。


「な、なんでこれ……?お姉ちゃん、こういうのはまだ早いと思うんだけど‥‥…」

「でもこれが一番楽しいです!」

「当たると気持ちいい」

「やろうと思えば無限に遊べるしね~」


 まぁ楽しいならいいか。と無理やり自分を納得させつつ自分もメダルを手に座って賭けを始める。一緒に来ているのだから一緒に遊んだほうが楽しい。


「ちなみに、これ誰かから教わったの?」

「先輩たちから受け継がれてる」

「なんで……?」

「こういうゲームって、人にしか生み出せないものだから」

「人の生み出した娯楽で人が遊んでいるところを、自分たちも遊びながら再認識することで、心の底から『人を守りたい』って思えるようにする、だったっけ~?」

「確かそんなことを言っていた気がする」


 つまり、彼女たちは『人を守りたい』という願いをより強固にするためにここにきているのだ。揺らがないために、命を懸けられるように。

 私とは何もかもが違った。ただお金に釣られて魔法少女になった私と、人を守るために魔法少女になった彼女たち。彼女たちはただ純粋に、人を守るために魔法少女になっていた。


「……みんなも、人を守りたいって思えた?」

「うん。魔法少女だし」

「戦うのが仕事です!」

「ついでにお金も貰えて将来安泰~。あとは彼氏さえできれば……」

「それに、大事なことがもう一つある」

「大事なこと?」


 トウカちゃんがこれまでにないほど深刻な表情で私に声をかけてくる。もしかしたらトウカちゃんは私が純粋な想いを持っていないことに気が付いて、叱咤しているのかもしれない。


「そう……大勝ちすると、とても気持ちいい。……3連単ゲット」

「うわ~2着外しました!」

「やっぱり鉛筆信じちゃだめ~」


 違った。


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