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魔法少女という年ではない。  作者: あるにゃとら


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第32話

 帰省しているからと言って、魔法少女の仕事がなくなるわけではない。

 なんせ魔法少女は人材不足。年々続く少子高齢化の影響や戦闘による死傷で、魔法少女自体の絶対数が減少している。


 そのため、魔法少女に長期休暇と言う言葉は存在しない。3日程度の短期的な休暇はほかの魔法少女との兼ね合いに問題がなければとることができるが、1週間以上になるとまず間違いなく取ることはできない。


 なので私も、夏休みに帰省中とはいえ働くことになる。職場は群馬魔法少女本部。今まで通っていたのが東京魔法少女本部ね。ちなみに中心都市が本部で、それ以外の街は支部。


 今日は帰省して二日目だ。現在私は群馬魔法少女本部にやってきている。

 理由は挨拶のためだ。一か月ほどお世話になりますというお話。


 いろいろ書類上の手続きがあるらしいけど、そういうのは職員さんがやってくれるみたいなので明坂さんにお願いしてきた。

 では私は何をするのかと言うと、支給された端末を群馬魔法少女本部とつなげるだけ。つなげることで、私の端末にも緊急魔獣速報が流れるようになる。


 群馬魔法少女本部は大きい。中心都市だからと言うのもあるだろうが、軽く見た感じは東京魔法少女本部と大差ないように思える。


 受付の方に話を通し、挨拶に来たことを伝える。職員さんを呼んできてくれるそうだ。

 応接室らしき部屋に通されしばらく待った。待っている間は頂いたまんじゅうを食べている。『繭玉まんじゅう』と言うらしい。ここでは有名なお店のものらしいが、初めて聞いた名前だった。地元なのに。


 コンコンとノックが鳴った。どうやら職員さんが到着したみたいだ。「大丈夫です」と反応を返せば、やってきたのは細身で長身の外人さんだった。


「此度はご挨拶に参上とのこと、確かに承った。初めてお目通り仕る、魔法少女ヴィーラ殿に相違ござらぬな。拝顔の栄に浴し、恐悦至極に存ずる」

「は……?」


 本当にびっくりした。顎が外れるかと思った。この外見から出てきていい言葉ではない。いつの時代の人間だ。武士かよ。


 あと私は拝顔の栄と言われるほど高貴でもないし目上でもない。この前学校で習ったから知っているが、それは貴人とかの身分が高い人に言う言葉だろうに。


「い、一か月ほどこちらでお世話になります、神威心愛改め魔法少女ヴィーラです。お時間いただきありがとうございます。よ、よろしくお願いします……」

「うむ、こちらこそ今後ともよしなに願い奉る。修練場は地下一階に設けてござるゆえ、存分にお使いなされて構わぬ。それと、叶うことならば、他の魔法少女たちとも親しく交わっていただきたく存ずる。皆、そなたを慕うてやまぬ者どもゆえ」

 

もう何言っているかわからないです。ごめんなさい。とりあえず修練場が東京の魔法少女本部と同じ地下1階にあることは把握したので、さっさとお礼だけ伝えて去ってしまった。


 こちらのエレベーターは普通の場所にあった。東京の方みたいに、部屋の中に貫通して作られていない。


 こちらの所長さんの夢には、仮称神様は出てこなかったようである。所長さんの夢だった可能性が上がった。もしくは東京が特別な可能性。怖いからやめてほしいね。一応幽霊とかの目に見えないものは信じているからさ。


 さて、地下1階に降りてみるとやはり広い。東京とほぼ同じだ。少し違うところと言えば、なんだか自然が多いように感じる。東京にもあった木々は至る所に生えていて、より自然に近い感じがする。


 さて、変身してと。今日は軽く整えるだけでいいね。この後は予定もあるし、あまり疲れたくはない。

 

 ただ、走り回るので近くの魔法少女のことを驚かせてしまうかもしれない。あらかじめ伝えておこう。

 一番近くにいるのは……あのゴシックドレスの魔法少女だ。後ろを向いているからわかるけど、サラサラとした黒髪とドレスがよく似合っている。


「ごめんね。ちょっといいかな?」

「はい?どうにかなさい……へ?」

「あ、ごめんね驚かせちゃって。ちょっと年は上だけど、みんなと同じ魔法少女のヴィーラです。よろしくね」


 いかんな。後ろから急に声をかけたから、脅かせてしまったようだ。修練場にいるのだから、きっと魔法の練習をしていたのだろう。正面に回ってひと段落着くのを待てばよかった。


「あわ、あわわ。ヴィーラさん?本物?」

「ん?私以外に魔法少女のヴィーラはいないから、本物と言えば本物だけど……」


 なんか様子がおかしいな。


「み、みんな~!」

「うわっ」


 驚いた。多分風の魔法だと思うんだけど、自分の音を拡大させている。そのせいか修練場全体にこの子の声が響いている。


「ヴィーラさんがいる!本物!おっきい!」

「えっほんと⁉」

「本物だ~!」

「握手!握手して!」

「あそぼ!」

「私も遊びたい!」

「私も!」


 な、なんだ?修練場中の魔法少女が私の下に向かってきている。一斉に話しかけられて何を言っているかわからないし。今だけ聖徳太子になりたい。


 うわっ、ちょっと突撃はやめて!なんで抱き着いてくるの!一人抱き着いたらみんな抱き着いてきたし!埋まる!埋まっちゃう!


「ちょっと、ちょっと一旦落ち着いて~!」


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