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魔法少女という年ではない。  作者: あるにゃとら


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第31話

 深夜、私はベッドの中で一人スマホを眺めていた。

 というのも私、とうとう魔法少女ヴィーラの公式アカウントを作ったのだ。


 魔法少女はみんなSNSの公式アカウントを持っている。みんな未成年でネットリテラシーが低いため、魔法少女しか呟けないし一般人は見ることしかできない、魔法少女専用のSNS。


 これが結構人気で、魔法少女なら呟いて1時間で1万件近くの反応をもらえることもある。

 いいねを押してもらえたり、後は文章で反応ができるので感想を伝えたり。


 このSNSの良いところは、不適切な感想は送信できないこと。

 誹謗中傷なんかもダメで、魔法少女には純粋な応援しかできないようになっている。


 いうまでもなく、これは魔法少女を守るための措置である。魔法少女は自分が助けた人たちがいると、反応として実感することができる。

 そもそもそれが目的なのに、誹謗中傷で魔法少女が病んでしまったらどうするというのか。


 そんな魔法少女用SNSのアカウントを私は作った。

 今作った理由は一つ。これまで名前が決まっていなかったから。

 アカウント名が『魔法少女』だけは、もっとこうあるでしょうに。


 そしてそんなSNSで、魔法少女が最初に呟くことは二つ。

 一つは「これから魔法少女やっていくので応援してね!」というもの。大切なことである。応援は魔法少女に精神的な力を与えるのだ。


 二つ目は質問募集。頂いた質問に答えて相互理解を深めることで、魔法少女も普通の人と変わらないのだということを伝える効果がある。


 なんせ使うものが魔法だ。人だって簡単に殺せる。そんな存在に怯える人がいないとは言えない。

 だがそれでも、そのような人を極力減らし、魔法少女は一般に受け入れられや少なるための質問募集である。


 例にもれず私も質問を募集した。質問を募集したのは5時間前。その後時間でいただいた反応、なんと約5万件。


 多すぎないか。いや、私が人気になったのはなんとなくわかっている。アカウントを解説した時もフォロワーの伸びが尋常じゃなかった。1分で1千人近く増えていた。今のフォロワーは53万人いる。


 この53万という数字は日本の中だけでも上位10人に入る。一番上の魔法少女は100万人いるので差はあるように見えるが、こちらはまだアカウントを作って2日とかだ。

 今も伸び続けているし、このままでは私が1位に躍り出ることになる。嫌というわけではないが。


 とりあえず、質問に答えていこう。

 最初は……『魔法少女になった理由を教えてください』。


 困った。初手から困った。素直に「お金のためです」と言うのは恥ずかしい。とはいえ質問を送ってくれる方々は、純粋に私を応援してくれている人たちだ。そんな人たちなのでちゃんと答えたい気持ちもある。


 ……当初とその後で理由が変わるなんてよくあることだよね。よし、ここはこう返そう。

 「当初は魔法少女になることで得られるものがあり、それを目的にしていました。今は守りたい人がいるので、その人のために戦っています」。これでいい。


 得るものが何かは書いていないが、これを見た人はそのあとの文章の「守りたい人」に気を取られて気にならないだろう。嘘もついていない。全部事実だ。


 次……『付き合っている方はいますか?』


 このSNS、こういうのは通るのか。これまでの魔法少女なら小学生なのでこう言ったことを送る人もいなかったのだろうが、私の場合は高校生だからね。問題ないと判断したんだろう。


 まぁ別に、事実を話すことに抵抗もない。「いません。いたこともありません」。これでいい。


 次。『好きな色を教えてほしい』。

 「昔はピンク。今は黒と白」と。


 次。『最近美味しいと思った食べ物は』。

 「お母さんの作ったラーメンと、少し前に友達が作ってくれたオムライス。どっちもお店のものよりおいしい」と。


次。『幽霊とか信じますか』。

「信じています」と。昔友達と心霊スポットに行ったとき、友達がずっと「何かに足を掴まれている」と顔を真っ青にしながら言っていた。

 私は何もわからなかったが、友達が迫真の表情をしていたので信じることにしている。


 次。『テレビに映った時に守っていた人は、大切な人ですか』。何だこの質問は。

 「大切な人です」と。


 もう眠いから次が最後でいいや。あとは暇な時間にちょくちょく返していこう。最後は……『なぜ魔法を使わないんですか』。


 あ~最後の最後に一番答えられない質問が来た。アカウントを作った時に、この質問には答えないで下さいと明坂さんにも言われている。詳しいことは後日になると思うが。


 なのでこればっかりは本当に答えられない。誠実であろうとしてもこればかりは無理だ。かといって「上の人間に止められている」とも言えない。


 もうこれは無視して放置するしかないな……。あと一か月、いや三か月もすれば答えられると思うので、それまで待っていてほしい。


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