第2話
「でか~……」
明けて翌日、魔法少女本部にやってきた。滅茶苦茶でかい。
縁がないと絶対こなかったから遠出したときに遠目に見るくらいだったんだけど、それでも大きいな~とは思っていた。
近くで見ると大きいな~で済まないわ。東京ドームのサイズを軽く超えてると思う。
さて、本日やってきたのは魔法少女になるためである。まだ転校していないが仕事はあるのだ。なんせ魔法少女は人手不足なので。
そもそも少子高齢化で子供自体が減少しているのに、その中でも素質を持つのは女の子の全体1割以下と言われている。なお仕事場は日本全土。人が足りるわけがない。
しかも大人も魔獣に襲われて死んじゃうしね。ドラマ見てても1時間に一回は画面上部に緊急速報で魔獣の出現が被害者数と共に出てくる。
魔獣の出現をあらかじめ把握する技術というものが無いから場当たり的に対処するしかないのだ。そして一番弱いE級の魔獣ですら一般人にはどうしようもなく、魔法少女が来るまでは逃げることしかできない。
「こんにちは。本部の明坂さんに呼ばれて伺ったんですけど」
「あぁ、君が……3階の会議室に通すように言われているよ。ついてきて」
「お願いします」
知られてるの恥ずかしいな……。本部の職員で受付やってる以上しらてることに違和感はないんだけど、目が「この年齢で魔法少女か……」って思ってそうな目をしてて気まずい。
私もやりたいわけじゃないんです。この年で魔法少女の衣装はしんどい。なんせピンクのフリル付きドレス。
「初対面でこんなことを言うのは申し訳ないんだけど、どうか頑張ってほしい」
「はぁ……何を頑張ればいいんでしょう?やっぱり戦闘ですか?」
「それもあるけど、一番は情報だね」
「情報?」
情報ならいっぱいあるのでは?なんせ30年以上魔法少女は存在しているわけで、今更私が出せる情報なんてないと思うけど。
あ、でも私は高校生で素質を持った初めてのイレギュラーだった。そっち方面の情報か。でも私何もしませんよ。あっちが勝手に調べてくれるみたいなので
「うん。ほら、魔法少女ってみんな小学生だろう?だから戦闘とか、魔力の扱い方とか、変身のやり方とか、そう言ったことの言語化が難しいんだ。だから今魔法少女や魔力についてわかっていることは大人たちが頑張って解釈したことでしかなくてね。本当にあってるかわからないんだよ」
「あぁ、確かに小学生に意味不明なことを言語化しては難しいですね」
なるほど、そういった情報のことか。確かにそれなら多少は年齢が上の私の方が得意だ。国語の成績も結構いいから私個人としてもできる方だと思う。
「だから君に期待するのはそういった情報と……あと、できれば他の魔法少女のことを気にかけてほしい。病んじゃう子とかもいるしね」
「それは職員さんの方が適しているのでは?」
「私たちじゃ限界があるよ。いくら私たちがきれいごとを言ったって、実際に命を懸けるのは私たち大人じゃなく魔法少女だからね。でも君は共に戦える。無茶なお願いだけど……どうか、本来歩むべき道を逸れてしまった子供たちを守ってあげてくれ」
確かにそれなら、少しは年齢が上の私の方が適しているか。いまだに戦闘なんてしたくないけどね、まぁ給料も貰うし、仲良くなった子が死んだりしちゃったらいやだし、守れるだけは守りますよ。
「っと、話していたら着いたね。この部屋だ。中には明坂職員と、もう一人魔法少女がいると思う」
「わかりました。案内ありがとうございます」
「うん。それじゃあがんばって」
話に集中していたら中を見逃したなぁ。道も覚えてないし、もう一度来てと言われても来れないや。
まぁいいか。また聞くか帰りで覚えよう。
「失礼します。神威心愛です」
「はい、入っても大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」




