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魔法少女という年ではない。  作者: あるにゃとら


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第18話

「あ、それで連絡しても帰ってこなかったんだ」

「そうそう。また新しくスマホ買いなおしたら連絡先交換してよ。」

「もちろん。みんなも心配してたから伝えておくね」

「あ、みんなも私が魔法少女って知っちゃったのか」

「毎日ニュースとでも取り上げられてるからね。『日本に世界で初めての高校生の魔法少女が現れた!』って」

「恥ずかしいな」

「……か、格好良かったよ?心愛」

「ありがと。あ、ここが私の家。ただいま~」

「お邪魔します」


 話しながら私の家に帰ってきた。奏は毎日自分で自炊してお弁当も作っているらしい。どおりで毎日食べているお弁当がきれいだと思ったんだ。私も含めたクラスの皆はコンビニでおにぎりや弁当を買って食べているからね。

 私は料理ができないのだ。だいたいご飯はパンかカップ麺。朝に時間がない時はプロテインだけ飲んで学校に行っている。


 ちなみに作ってくれる料理はオムライス。私のリクエストである。卵が安かったからいパック買ってきたのだ。私も奏に学んで多少は自炊したいと思う。これからは体が資本になりそうだし。


「それじゃあ台所借りるね」

「何か手伝うことはある?」

「お礼だから心愛は手伝っちゃダメ!ゆっくり休んでて」


 そう言うと、奏は台所で料理をし始める。卵を割り、ご飯を炒め、空いた時間でできる洗い物は先に済ませている。

 何度も料理しているのがわかる手際の良さだ。


「奏はいいお嫁さんになりそう」

「んっ⁉」


 ふと思った。可愛くて料理ができて性格もいいのだから、奏を狙う男はいっぱいいるだろう。学校でも時々クラスの男子に熱の籠った瞳で見られているし。


「彼氏とかいないの?そういう話は聞かないけど」

「い、いないよ!そういう心愛はどうなの?美人で格好いいし、優しいし、綺麗な声だからモテそうだけど」

「いないいない。いまだにクラスの男子と全然話せてないんだよ。できっこないよ」


 いまだに学校では女子の友達ばかりで男子の友達が一人もいない。今回の魔法少女ばれで余計に作りにくくなったような気がしている。

 まぁ恋愛なんてこの先いくらでもできるだろうと思っている。寧ろいまする理由もない。女子と仲良くなれているならいいと思う。


「あ、そうなんだ……あれ?」

「どうかした?」

「いや、う~ん多分気のせい。それよりそろそろできるよ」


 奏が料理に集中し始めたのでこの話はいったん終わり。今のうちに飲み物を出してお手洗いに行ってこよう。


 帰ってくると、お店で見る様なふわっと焼けている見事なオムライスが出来上がっていた。ところどころに点在している白色と全体的な黄色のコントラストに、中心に配置されたケチャップの赤色が食欲を刺激してくる。


「すご……美味しそう」

「あはは、冷めないうちに食べちゃってよ」

「うん、頂きます」


 一口食べてみると予想以上の美味しさだ。まろやかな卵にケチャップのコクと酸味がマッチしている。最後に余韻があるこの少し甘く香ばしい匂いはバターのものだろう。

 毎日食べても飽きない美味しさだ。個人的にはお店で食べるものよりずっと美味しい。


「やばい。めっちゃうまい」

「良かった。誰かに食べてもらうのは初めてだから緊張してたんだ」

「やっぱ奏はいいお嫁さんになるよ」

「そ、それはもういいでしょ!」


 怒って口を聞いてくれなくなってしまったので静かに食べる。無言で食べるのもこれはこれで味に集中できてよい。

 ふと視線を感じて前を見れば、奏が優しい目でこちらを見つめていた。


「奏?」

「あ、ごめん。なんか子供みたいで可愛いなって」

「高校生はギリギリ大人だよ」

「そうかなぁ?」


 求められる役割が大人であることなら、少なくとも大人であろうとすることは大切だと思う。だから私は大人だ。


「……ね、心愛。本当に、助けてくれてありがとう」

「あれが私の役目だから、過剰に感謝しなくてもいいよ」

「それでもだよ。私が感謝したいの。……私、洗い物が終わったら帰るね。またお礼するから」

「自分でするから大丈夫。お礼もいいよ」

「い~や、まだまだするよ。私がしたいからするの。食べ終わったね。お皿頂戴?」

「自分でするって」


 そこまで何でもしてもらっていては申し訳ない。お礼ならオムライスで十分だ。美味しいし、なんなら貰い過ぎなくらい。


「む~……わかった。それじゃあ帰っちゃうね」

「うん、ありがとう。また学校で」

「うん。学校で」


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