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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第三章:悪役令嬢イザベラ、王国の危機も筋力で踏み潰しますわ!
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第十八話:ヒロインの決意と、最初の弟子

わたくし、イザベラ・フォン・ツェルバルクが、グラン鉱山を、救済という名の、筋力トレーニングの場へと、変えていた、その頃。

王都の、清らかな学園の一室は、一人の乙女が発する、熱く、燃え盛るような、情熱の炎に、包まれておりました。


彼女の名は、エリアーナ。

そう、この物語の、本来の、ヒロインですわ。


「ああ…イザベラ様…!」


エリアーナは、窓の外、王都のはるか彼方を、うっとりと、見つめておりました。

その手には、今朝、届けられたばかりの、新聞が、握りしめられている。そこには、『筋肉の聖女、天災を覆す!』『民衆、イザベラの名を熱狂的に叫ぶ!』など、胸躍る見出しが、でかでかと、踊っておりました。


(やっぱり、わたしの思った通りだった…!)


エリアーナの脳裏に、鮮やかに、蘇る。

あの、グリフォン事件の日。巨大な魔獣の前に、誰もが、絶望に、ひれ伏す中、ただ一人、敢然と、立ち向かっていった、あの、気高き、背中。

あの時から、エリアーナの中で、イザベラ様は、恐怖の悪役令嬢などではなく、誰よりも、輝ける、白馬の王子様マッスル・プリンスとなっていたのです!


「それに比べて、わたしは…」


エリアーナは、自らの、か細い腕を、見つめました。

この、非力な、腕。この、守られてばかりの、体。

これでは、いつまで経っても、王子様の、お荷物になっちゃう…!


(強く、ならなきゃ…! あの、素敵な、王子様の、隣に、立つために!)


その日から、エリアーナの、秘密の、肉体改造計画が、始まったのです。

手始めに、学園の図書館で、一番、分厚く、重い、『大陸全史・完全版』を、借りてきては、それを、ダンベル代わりに、上げ下げする。


「う、うんっ…!ふんっ…!」


令嬢らしからぬ、荒い息。汗が、キラキラと、その、可憐な顔を、滑り落ちていく。

その、あまりに、異様な光景を、ルームメイトが、目撃してしまいました。


「エ、エリアーナ!? い、一体、何してるの!?」


驚き、固まる、ルームメイトに、エリアーナは、その、潤んだ瞳を、きらりと、輝かせました。


「見て! わたし、生まれ変わるの! あの、素敵な、イザベラ様の隣に立つのに、ふさわしい人になるために!」

「だから、あなたも、手伝って! さあ、一緒に、この歴史書で、大胸筋を鍛えるのよ!」


そう言うと、エリアーナは、ルームメイトの手に、もう一冊の、『大陸全史・完全版』を、有無を言わさず、握らせるのでした。

か弱きヒロインが、初めて、手に入れた、記念すべき、最初の、弟子(犠.牲.者)の、誕生の、瞬間でしたわ。

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話等を更新しています。

作者マイページ:https://mypage.syosetu.com/1166591/

Xアカウント:@tukimatirefrain

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