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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第三章:悪役令嬢イザベラ、王国の危機も筋力で踏み潰しますわ!
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第十六話:筋肉式・災害復旧

わたくしと、わたくしの筋肉信者ソルジャーたちが、グラン鉱山の災害現場に到着した時、そこには、絶望と、混沌が、渦巻いておりました。

巨大な岩石が、鉱山の入り口を、無慈悲に、塞いでいる。王都騎士団の方々が、魔法や、重機を使って、必死の救出活動を、試みてはおりますが、その、あまりに、巨大な岩盤の前には、彼らの努力も、焼け石に水、といったところですわ。


助けを求める、坑夫たちの、か細い声。地上で、祈り、泣き崩れる、その、家族たち。

ですが、わたくしの目には、その、絶望的な光景は、全く、違って、見えておりました。


(まあ…!)


わたくしは、思わず、感嘆の声を、漏らしました。

なんて、素晴らしい。この、自然が作り出した、天然の、トレーニングジムは!


「素晴らしいですわ!見てごらんなさい、あの、巨大な岩を!あれは、大胸筋を、いじめるのに、なんと、最適な角度なのでしょう!」


わたくしの、その、歓喜に満ちた声に、王都騎士団の方々が、ぎょっとした顔で、こちらを、振り返ります。

わたくしは、そんな、彼らの、戸惑いの視線など、気にも留めず、後ろに控える、我が、筋肉の信徒たちに、高らかに、号令をかけました。


「さあ、始めましょうか!人命救助という名の、合同トレーニングを!」


「「「ハイル・マッスル!」」」


地鳴りのような雄叫びと共に、わたくしの信徒たちが、一斉に、動き出します。

彼らは、騎士団が、魔法でも、びくともさせられなかった、その、巨大な岩を、まるで、歌うように、持ち上げ、そして、軽々と、投げ飛ばしていく 。


「そこの二人組!その岩は、ショルダープレスで、谷の向こうへ!」

「あなたは、その、倒れた大木を、クリーン&ジャークで、向こう岸まで、運びなさい!」


その、あまりに、人智を超えた光景に、誰もが、言葉を失っておりました。

救出活動は、驚異的な、速度で、進んでいく。

ですが、わたくしたちの、お仕事は、それで、終わりでは、ございませんことよ。


やがて、瓦礫が取り除かれ、坑夫たちが、次々と、救出されると、わたくしは、次に、倒壊した、橋や、家屋を、指差しました。

「これでは、皆さんが、安心して、トレーニングに、励めませんわ!復旧作業、開始ですわよ!」


わたくしたちの、本当の、神判は、ここからでした。

ただの、救助活動ではない。わたくしたちは、その場で、倒壊した、橋や、家屋を、驚異的な速度で、「再建」し始めたのです 。



土台を持ち上げ、柱を立て、屋根を葺く。その、全ての作業を、わたくしたちは、己の、筋肉のみで、行っていく。


その光景は、もはや、人々の目には、神々の御業のように、映っていたことでしょう 。



瓦礫の中から、人々を救い出し、そして、失われた、生活の場を、再び、築き上げていく、わたくしたちを。

民衆は、いつしか、ひざまずき、まるで、救世主を、崇めるかのように、祈りを、捧げ始めておりました 。


ええ、ええ。よろしい。

これこそが、我がツェルバルク家の、真実の姿。

言葉ではなく、筋肉で、民を救う。これ以上の、正義が、ありまして?

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話等を更新しています。

作者マイページ:https://mypage.syosetu.com/1166591/

Xアカウント:@tukimatirefrain

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