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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第二章:悪役令嬢イザベラ、メインクエストも筋力で踏み潰しますわ!
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第二十五話:白氷城の邂逅

 最後の妨害ボーナスステージを完璧にクリアしたわたくしたちの目の前に、ついに、目的地である白氷城が、その姿を現しました。

 雪と氷に覆われた山脈を背に、まるで巨大な氷の結晶そのものが城となったかのような、壮麗で、美しい城塞都市。


 ですが、その美しさとは裏腹に、城は、今、まさに、戦火に包まれておりました。

 城壁には、黒いローブをまとった「律章復興派」の残党たちが、蟻のように群がり、魔法や攻城兵器で、必死の攻撃を繰り返している。城の守備兵たちは、数で劣り、明らかに、追い詰められておりました。


「ふん。城の入り口を守っている、ザコモンスターですわね」


 わたくしは、馬上で、静かに、そう呟きました。

 そして、背後に控える、わたくしの、完璧なる「筋肉信者」たちへと、振り返ります。

 彼らの瞳には、もはや、問いかけも、迷いもありません。ただ、わたくしの、次の一言を、待っているだけ。


「皆々様、最終決戦前の、最後のウォーミングアップですわよ」


 わたくしは、大戦斧を、肩に担ぎ直すと、にやり、と笑いました。


「――殲滅なさい」


「「「ハイル・マッスル!!」」」


 地鳴りのような雄叫びと共に、わたくしたち、ツェルバルク軍は、雪崩のように、丘を駆け下りました。

 城攻めに集中していた敵の背後から、突如として現れた、鋼鉄の軍勢。

 攻守は、一瞬で、逆転しました。


 もはや、それは、戦いと呼べるものではありませんでした。

 ただの、蹂躙。

 わたくしたちの軍勢は、瞬く間に、城を包囲していた律章復興派の残党を、完全に、一蹴したのです。


 静けさを取り戻した城門の前で、わたくしは、馬を降りました。

 兵たちの見回すと苦しそうにしてますわね。なるほど、やはり。

「あなた方は、ここで待機なさい。ボスとの対面は、パーティーリーダーである、わたくしの役目ですわ」


 わたくしは、一人、ゆっくりと、城の中へと、足を踏み入れました。

 城内は、静まり返っている。ですが、その奥から、尋常ではない、強大な魔力が、溢れ出ているのを、肌で感じました。


 そして、玉座の間で、わたくしは、それと、対峙したのです。

 玉座の前で、銀色の髪を振り乱し、その身から、絶対零度の、凄まじい魔力を放ち続ける、セレスティーナ・フォン・ヴァイスハルト。

 そして、その、暴走する彼女を、庇うように、立ちはだかる、一人のメイド。


(あのメイド…どこかで…?)


 わたくしの、鍛え上げられた記憶力が、その顔を、正確に、捉えました。

 以前、食堂で出会ったセレスティーナ様のメイド。

 そうですわ。それ以前にも、王都での観閲式。暴走した軍馬から、セレスティーナ様を、身を挺して庇った、あの、無謀で、しかし、驚くほど芯の強そうな瞳をしていた、メイド、名はリリアと言いましたか、ですわね。


 わたくしは、その光景を、ただ、静かに、見つめておりました。

 ああ、やはり、わたくしの、読み通り。

 ラスボスと、それを守る、最後のイベントNPC。

 役者は、全て、揃いましたわね。

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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