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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第二章:悪役令嬢イザベラ、メインクエストも筋力で踏み潰しますわ!
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第十八話:筋肉信者の誕生

 エドワード王子からの、神の恵み(プロテイン)がもたらされてから、数週間。

 鉄砦城の雰囲気は、もはや、以前のそれとは、全くの別物となっておりました。


 かつて、兵士たちの間に漂っていた、反発や、諦観といった、負の感情は、完全に消え失せていたのです。

 わたくしの、一切の妥協を許さない、地獄の指導。

 そして、王子が差し入れてくれた、豊富すぎる栄養補給(プロテインと最新器具)。

 その二つが、完璧な化学反応を起こし、兵士たちの肉体と、そして、精神を、根底から作り変えてしまったのです。


 ある日の朝。

 わたくしが、練兵場に姿を現すと、日の出前から自主トレーニングに励んでいた兵士たちが、一斉に、わたくしへと向き直りました。

 そして、その場に、片膝をつくと、右手の拳で、自らの左胸…心臓の上にある、大胸筋を、力強く、二度、叩いたのです。


「「「ハイル・マッスル!!」」」


 地鳴りのような、野太い声が、城の隅々にまで、響き渡る。

 それは、わたくしへの、絶対的な忠誠と、筋肉への、純粋な信仰を示す、彼らが、自ら生み出した、新しい敬礼でした。


 彼らの肉体は、見違えるほど、変貌していました。

 分厚い胸板、丸太のような腕、そして、鋼鉄のように固く割れた腹筋。もはや、ただの兵士ではありません。一人一人が、意志を持った、完璧な彫刻作品ボディビルディング・アートです。



イザベラの指導と豊富な栄養補給により、兵士たちは超人的な肉体と、彼女への狂信的ともいえる忠誠心を誓う「筋肉信者」へと変貌していく。


 彼らの会話も、一変しました。

「昨日の、大胸筋上部を追い込むメニュー、最高に効いたな…!」

「ああ。だが、俺は、やはり、脚の日が待ち遠しい。あの、限界を超えた先にある、パンプアップの感覚が、たまらん…!」

「分かるぞ、同志よ! 全ては、イザベラ様のお導きのおかげだ!」


 もはや、わたくしが、何も言わなくとも。彼らは、自らの意志で、己の筋肉と対話し、さらなる高みを目指す、求道者となっていたのです。


 わたくしは、その光景に、満足げに、頷きました。

 わたくしの「筋肉布教」は、今、ここに、完璧な形で、実を結んだ。


「顔を上げなさい、我が愛すべき、筋肉信者ソルジャーたちよ」


 わたくしは、壇上から、彼らに、静かに告げました。


「あなた方の肉体は、今、完成の域に達しました。もはや、あなた方を、止められるものなど、この世には存在しません」

 兵士たちの瞳が、狂信的な、輝きを放つ。


「さあ、時は、満ちましたわ。この、鍛え上げた、完璧な肉体をもって、世界に、真の正義を、示す時が!」


 わたくしの、その言葉を、合図に。

 鉄砦城の、城門が、ゆっくりと、開かれていきました。

 これから、始まる、聖戦のために。

 最強の肉体を手に入れた、最強の軍隊が、今、ここに、誕生したのです。

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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