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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第一章:悪役令嬢イザベラ、ざまぁ婚約破棄を筋力で踏み潰しますわ!
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第二十話:学園祭の準備、開始ですわ!

父ゴードリィから賜った、この、見事な戦斧。

わたくしは、自室で、その冷たく、そして、頼もしい鉄の感触を、うっとりと楽しんでおりました。重さ80キロ グア。その絶妙な重量バランスは、わたくしの全身の筋肉に、心地よい緊張感を与えてくれます。


「ふふふ…これさえあれば、魔獣討伐演習など、恐るるに足りませんわ」


そうですわ。ラザルス様との決戦の舞台は整いました。

わたくしは、来るべき戦いに備え、早速、作戦会議を招集いたしました。

場所は、わたくしたち「国際筋肉同盟」の聖地、第一訓練場。メンバーは、もちろん、わたくしと、忠実なる弟子たち、そして、心の友リョーコです。


「お聞きなさい、あなたたち!本日の議題は、魔獣討伐演習における、我々の必勝戦略についてですわ!」

わたくしが高らかに宣言すると、クレメンティーナとダフネが、ゴクリ、と喉を鳴らしました。


「まず、基本陣形ですが、わたくしが単騎で前線に立ち、敵の陣形を中央から突破。その隙に、あなたたちは、左右から回り込み、逃げ惑う魔獣の残党を、一人一匹、確実に仕留める。良いですわね?」

「「は、はいぃ!」」

「リョーコは、その驚異的な身軽さを活かし、遊撃手として、わたくしの死角を補佐なさい。よろしいですわね?」

わたくしがそう言うと、リョーコは、こくり、と力強く頷き、その場で、数回、華麗なバク転を披露してくれました。ええ、言葉は通じずとも、魂で理解しあえているようですわ。


「では、早速、連携の訓練を開始いたします!まずは、わたくしの必殺の一撃を、あなたたちが、いかにして避けるか、そのシミュレーションですわ!」


わたくしは、愛用の戦斧を、ブン、と大きく振りかぶりました。

その、あまりの迫力に、クレメンティーナとダフネは、「ひぃぃ、死んでしまいますわ!」と、その場にへたり込んでしまいました。全く、情けない。


わたくしが、弟子たちの根性を叩き直そうとしていた、その時でした。

一人の、生真面目そうな男子生徒が、分厚い書類を抱えて、こちらへやってきました。確か、わたくしのクラスの、学級委員長だったはずですわね。


「あ、あの、イザベラ様…!今、よろしいでしょうか?」

「何ですの?わたくしは今、軍事演習の準備で、忙しいのですが」

「は、はい、存じております!その件で、ご相談が…!」


学級委員長は、おずおずと、一枚の書類を差し出しました。

そこには、『学園祭・クラス対抗出し物に関するアンケート』と書かれております。


「学園祭…?ああ、あの、魔獣討伐演習の前に行われるという、前夜祭のことですわね」

「え、あ、はい、まあ…」

「それで、わたくしに、何のご用ですの?」


「それが…その…」

学級委員長は、言いにくそうに、視線を泳がせます。

「クラスの皆が、その、満場一致で…今年の、わがクラスの出し物の、責任者に、イザベラ様を、推薦しておりまして…」


「…責任者、ですって?」


ほう?わたくしを、この決戦における、総大将に、と。

クラスの者たちも、ようやく、真のリーダーが誰であるか、理解したようですわね。


「よろしいでしょう!その大役、このイザベラ・フォン・ツェルバルクが、謹んでお受けいたしますわ!」

わたくしが、戦斧を肩に担ぎ、快諾すると、学級委員長は、心の底から安堵した、という顔で、深々と頭を下げました。

「あ、ありがとうございます!では、企画書のご提出、お待ちしております!」


彼は、嵐のように去っていきました。

ふふふ。わたくしのリーダーシップが、認められた瞬間ですわね。


「お聞きなさい、あなたたち!わたくしは、この度の演習における、クラス代表の指揮官に任命されました!」

「「さ、さすがですわ、イザベラ様!」」

「こうしてはいられません!早速、最高の『出し物』を企画し、わたくしたちの力を、学園中に見せつけてやるのです!」


わたくしは、企画書と書かれた羊皮紙に、力強い文字で、こう書きつけました。


『演目:ツェルバルク流・実践的魔獣解体ショー ~筋肉は、美しく、そして残酷に~』


ええ、そうですわ。

これこそが、わたくしたちの力を示し、ラザルス様の度肝を抜く、最高の、デモンストレーション。

わたくしの、完璧な計画に、一点の曇りもございませんわ!

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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