『実資、速記の恩に報いんがため兼家の遠忌に参ること』速記談2075
右大臣藤原実資公は、摂政藤原兼家公のお引き立てがあって昇進された方である。その御恩を思い、実資公は、兼家公の御命日には、法興院にお参りになるのだった。兼家公のお子である道長公が、「夏の暑いころなのに、どうしてこのようにお参りくださるのか」、と仰せになると、実資公は、亡きお父上様にひとかどならぬ御恩を受けて、このような地位に昇ることができたのです。速記の指南もしてくださいました。その御恩に報いるため、このようにお参りするのです。あなたにはおわかりになりますまい、とおっしゃったという。
教訓:よき上司にめぐり会うと、実力以上の力さえも発揮できようというものである。