この町で
眠い目をしながら
朝の電車に乗る。
六時二十分発の、
緑のユーライン。
満員電車には、
乗りたくないから、
早く起き出して
仕事に向かう。
この町で暮らして、
もう長いけれど、
この町で今日も、
やっぱり生きてる。
ところで君は今、
元気にしているの。
音沙汰ないままで、
こちらもご無沙汰。
元気でいて欲しい。
それはほんとに。
辛すぎる思いは、
なるべくしないで。
電車の席で揺られ、
うとうとしている。
浮かんできたのは、
何故か君の背中。
そろそろ降りる駅。
寝過ごさないように、
目を開いておこう。
詩の続きでも書こう
晴れ時々曇りなら、
傘はいらないでしょ。
天気予報だけ見て、
スマホを鞄に直す。
仕事へゆく人たちが、
一斉に立ち上がる。
電車は今日も町の
始りを運んでた。
そしてゆっくりと、
駅を通り抜けて
朝日に照らされる。
目映い空を見る。
ふと、思ってみた。
自分の始まりが、
今日もあることに、
ありがとうねと。
この町の地下鉄が
走り続けてくれて、
この町の毎日は
始まっているよ。