クフ王のピラミッドに入ればピラミッド観光は完結するのか ③
まあ、初めてエジプト旅行に来て、どれかひとつピラミッドの内部に入ることができるとなれば、当然クフ王のピラミッドを選ぶでしょう。
それだけ有名ですし内部構造も中に入って観るだけの価値はあります。
では、残る二つはそれだけの価値がないのかといえば違うと言えます。
そもそも、ピラミッドの内部構造はまったく同じものというものはありません。
「残りのピラミットはゴミ」と言った方は、他のピラミッドはクフ王のピラミッドのコピーだという認識のようでしたが、それは大きな誤りです。
この部分につけ加えておけば、完成、またはほぼ完成している四基のピラミットはクフ王以前の王のものですので、コピーという言葉を使うのはあきらかに不適当といえるでしょう。
さて、ギザにある残るふたつの王のピラミッドですが、下調べなしにただぼんやりの歩けば、カフラーのピラミッドはあっさりと玄室にまで辿り着くので面白味がかけるかもしれません。
ですが、少しだけ注意力を働かせれば、クフ王のピラミッドにはないいくつかの構造があることがわかります。
ついでに書いておけば、このピラミッドの玄室の壁面にはこのピラミッドの入口を再発見したイタリア人が自身の名と到達した年を書き込んでいます。
王のミイラ、そして副葬品も発見されませんでしたが、玄室への侵入を拒む閉鎖装置はすでに壊されていたことから遠い昔に侵入されたことがわかります。
メンカウラーのピラミッドですが、ピラミッド自体は小さなものですが、実は内部構造は十分見るに値するものとなっています。
このピラミッドも再発見時には、すでに閉鎖装置が破壊されていましたが、いくつかの遺物が発見されています。
この王の名が記された木棺は大英博物館にあります。
また、石棺も運び出されたのですが、海難事故に遭い船とともに地中海に沈みました。