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下剋上転生  作者: 社不帝
ギアンの街 冒険者編
18/22

人攫い討伐依頼

俺はディオナに賄賂を渡しルークを家の中に引き止めておく。最近だとディオナがいない間にこっそりとルシアが外に出てしまわないか?とディオナに言うとルークを残して買い出しに出ていると言われた。


ルシアの安全を確認すると俺は冒険者協会に向かう。


手にはLEVEL3と刻まれた冒険者カードを持っている。半月ほど前にバンブールの討伐の功績によってLEVELが上がった。

冒険者につき依頼ボードを見ているとLEVEL3の依頼に


野良の盗賊団6名を捕縛、もしくは本人だと分かる物を提出。銀貨6枚。


人を探しています。人攫い討伐依頼。攫われた本人がどういう状況であれ報酬は有り。金貨1枚。

攫われたのはユリシスという女性で20歳。身長154センチメートル。長い金髪を1つに束ねている。


そこには凄くうまい絵が書かれていて服装は袖の膨らんだ白い長袖に赤いワンピースのような服を着ている。

(女性の服には詳しくないが同じような服を着ている人は外でよく見るな。)

攫われた場所はバイスの森に少し入ったところのようだ。何故そんな所にこの女性が行ったのかは謎だが。


(盗賊団を殺すのでもいいがどうせなら人を助け人攫いを殺すという善と悪を両方こなせる仕事をしよう。)


そう思って人攫い討伐依頼を受ける。


(どう探すかだがユリシスという女性の容姿、性格、街での評判から探すとしよう。人攫い自体はあまり強くないようだしな。探偵の真似事のような仕事だ。)


ユリシスという女性が住んでいた平民街に歩いていき昼間に雑談をして集まっている20歳前後の女性たち5グループくらいに話しかけ情報を貰う。


結果、情報によるとユリシスという女性は容姿端麗で街でも1,2を争うほどの美女で同じ平民からはあまり好かれておらず貴族からは常に愛人にならないかという手紙が送られてきていたようだ。ユリシスの知り合いからは優しく穏やかな人で弟思いの優しい姉。親はおらず家族は弟のみ。来月に結婚を控え、結婚する相手はこの街の男爵の子息。弟が病気にかかりお金が必要だったようで貴族との結婚をすることにしたのだそう。


依頼を出したのはユリシスの弟で少ないお金を切り崩して頼んできたようだ。男爵の子息は青銅貨1枚も出さずケチだと言っていた。その男爵の子息は以前から愛人にならないか?と言ってきていた男ですでに2人の正妻、5人の愛人。女性に甘く女好き。だが臆病である。食べることも好きで太っていてよくハンバーガーのようなものを食べているらしい。


(攫った候補として一番怪しいのはこの街の平民街の20歳前後の男達だな。ファンも多かったらしいしストーカーのような行為もあったという。ユリシスの結婚が迫り焦って誘拐ってところか?

次に貴族同士でユリシスを巡ってトラブったかだな。ユリシスを愛人にという男爵家は4つもあったそうだ。他の男爵家に取られたくなくて誘拐。

逆に平民街の女性という線もある。平民からすれば貴族の愛人になるだけでも大成功であり羨ましがり恨んでも仕方ない。


うーーーーーん。どれも怪しい。

そしてユリシスがバイスの森に行った理由がわからん。

、、、、、ん?朝行った冒険者協会にバイスの森にある薬草の採取の依頼が多くあったな。ということは弟が病気になり冒険者に採取を頼むほどのお金がないユリシスはバイスの森に1人で、、、となるとユリシスの周り近くにいる人間が怪しい。優しい人間、だけど女性からは基本嫌われている。となると周りに集まるのは男友達と言うなのユリシスに気がある奴らだ。友達ならバイスの森に行くのを知っていてもおかしくない。、、、だが一般人一人で人を誘拐?ないな。となると貴族が手伝ってる線が濃厚だな。ってことはまだバイスの森にいる可能性が高い。小屋を立ててかな?とすると)


俺は急いでバイスの森側にある建築関係の仕事をしている工房に行く。


口の軽そうな30歳前後の男に話しかける。

「ねえ、おじさん。最近変わった建築の依頼って無い?」

「ん?なんでガキがそんな事聞くか知らんがどっかの男爵がバイスの森のこっち側の入り口付近に小屋を立てたらしいな。魔獣がどれくらいのペースで増えるか測っているとか言ってたような。」


(まるで名探偵・・・のような満点回答だ。というか年齢的にはほど同世代か。あの名探偵とは。)


城門を通ってバイスの森にやってくる。

数カ月ぶりに来たのに森の中で会ったガルフォン達のことを思い出し身震いする。

(あんな奴らにはそう会わない。)


森の入口付近をずっと注意深く歩いていくと緑色の小屋が見える。

(カモフラージュってことか。)

小屋の周りには槍や魔獣用の仕掛けが施されている。

罠に気をつけながら小屋の傍に行き壁に耳を当て中の声を聞く。


「もうこんなことは辞めてよ、ギルラッシュ。」

「う、うるせー!!せっ説教なんてたれてんじゃねーよ。」

「おやおやユリシス殿に手を上げてはなりませんぞ。坊ちゃまの大切な姉になる御方であり将来の正妻になる御方なのですから。」

「お、おい!や、約束は守れよな。ほ、報酬は金貨5枚だからな。」

「分かっておりますぞ。」

「あ、あと何日このボロ小屋にいれば良いんだよ。こ、こんなエロい女を前になにもしないなんて生き殺しもいいとこだよ。」

「ユリシス殿の純血を奪えば坊ちゃまの望み通りになりません。」


「ぼ、坊ちゃま、坊ちゃまって何なんだよ?」

「坊ちゃまは13歳で私は先代の代から男爵家の騎士をしております。今までは男爵家で好きなように振る舞い、メイドを抱き、奥様を抱いていました。しかし坊ちゃまとくれば騎士は常に冷静で気高く欲望を抑えるなどというのです。それを毎日毎日のように、更には違う騎士に私を見張らせ私は窮屈で仕方有りません。物でも釣られないし何をしても私から監視の目を外すのは無理だった。しかしユリシス殿を見た瞬間に「あの人が姉だったらな。きれいな人だな。将来結婚したい。」といったのです。ですからユリシス殿は純血を保ったまま坊ちゃまに渡して監視の目がはずれればいずれこの女も、、、というわけです。」


(どうやらただの女好き中年の犯行のようだ。だがこの中年、足音が常に小さくこういう人は大体かなり殺るひとだ。どうやってユリシスを助けるか?、、、、やはり魔獣だな。)


俺は小屋のそばを離れ魔獣を探す。

バイスの森の中心の方はもうすでに以前と変わらず大量の魔獣が居るようだが外縁部には目視で1頭しか居ない。個体の狼だ。

群れになると厄介だが個体なら一瞬だ。


俺は流点気を足に流し走って立ち幅飛びをして狼の魔獣の真横に着地。腹を魔物解体用のナイフで刺し、殺す。

そしてその魔獣の血を少しずつ小屋にいくまでに流していき、血抜きをして血が流れないようにして血につられて寄ってきた魔獣の群れを確認してから魔獣を技と罠に引っ掛ける。


この罠は簡単なもので地面に捕獲用の縄を置き丸くなっている部分に足を入れると持ち上がり宙吊りになる。


そこから出る微かな音を聞いて中年の騎士は罠を確認しに来る。あの3人で外に出ても殺されないのは中年騎士だけだから。


案の定中年騎士は一人で確認に来て狼の魔獣が宙吊りになっているのを見て腰の剣を抜き狼の首を真っ二つに斬る。すると匂いに導かれた狼の魔獣の群がやってくる。


俺は息を殺し足音を出さずこっそりと中年騎士の後ろの木に隠れる。


6匹の狼は中年騎士の剣で首を切断されたり胴体を斬られている。3匹の狼が斬られたところで木の陰から出て魔物解体用のナイフを中年騎士のアキレス腱に刺す。


「うぐ、、、何だ!!??」

俺が頭を狙って狙って刀を振るわなかったのは頭に強い殺気を向ければ後ろから近づいてくる俺に気づくかもしれないからだ。その点、足に殺気を向けても中年騎士くらいのレベルであれば気づかない。


中年騎士は前から狼の魔獣に後ろから俺に挟まれどちらを攻撃するか判断に迷っている。

俺は刀を抜き中年騎士の手首を切ろうとするが剣で止められ反対側の狼の攻撃に中年騎士は腕に噛みつかせそのまま俺の方に投げる。


中年騎士は隙ができたとばかりに後ろに下がり俺を狼に襲わせようとするがそうはいかない。 


俺は流点気を体に流し刀にも流して狼の首を冗談から振り下ろした刀で一撃で斬る。

狼の尻尾をつかんで中年騎士の方に投げる。


(クソっ狼の死体が邪魔で小僧の姿が見えない。ここで目の前に投げられた狼を斬れば小僧の思う通りに事が運ぶ。となると、、わざと当たって狼の居る左からではなく右からとどめを刺しに来る小僧を殺す。)


ドンっと体に狼の死体がぶつかり姿勢が崩れるが右からアルテナートが来ることを確信していた中年騎士は右に向かって大きく振りかぶり剣を振り下ろす。剣を使い肉を斬った感触のした中年騎士は笑うが今斬ったのが狼だったのが目に入り必死にアルテナートを探す。


(前!!いない。右!!いない!まさか!!左か?!居ない。どこに行った?まさか逃げたのか?)と思ったところで


中年騎士の首は落ち天地が逆さまになる。




俺は狼を投げ中年騎士の視界が塞がれ、前か右か左か、どれかからくるはずの俺に注意を向けさせ後ろという選択肢をなくした。


俺は足流点気を流し跳び上がり木の枝に片手で捕まってさらに大きくジャンプ。木の幹を蹴って下降しながら刀を振るって首を一閃した。

アキレス腱から魔物解体用のナイフを抜く。


狼を斬って小屋に入る。


小屋に入るとちょうどユリシスという女性が服を脱がされて乱暴されていて男は錯乱し俺に気づいていないようだ。


女性は俺に助けを求めるような目をしてきて当初の予定通りこの頭のおかしくなった男を殺すことを決める。


「ゆ、ユリちゃん、僕が悪かった。お金に目がくらんだのが悪かった。君と1つになるのが正解だったのに。一緒に行こう。てんごっ!!??」


肩に魔物解体用のナイフを突き刺す。


「気持ち悪い、吐き気がする。なに勝手に悟ってんだよ。お前は俺に地獄へと落とされるんだよ。」

肩に刺さったナイフをグリグリとかき回すようにする。


「アッガアア!!!」

「五月蝿い。」

俺は肩のナイフを抜き太ももに刺す。

「お前はなにがしたかったんだ?ユリシスを手に入れたかったわけでもなく金貨が欲しかったわけでもない。結局お前は犬死。なにも意味はなかった。」

そう言って太もものナイフを押し込む。


「ウガアアアアアア!!」


俺は男のアソコにナイフを突き刺しグリグリとねじる。


「アアアアアアアアア!!!」


「もう辞めてあげてはいかがでしょうか?」

「被害を受けた本人がそう言うなら俺はどうもしません。」

「、、、、、終わりにさせてあげてください。」

「そうですか。」

首にナイフを刺し殺す。


「助けに来ていただいてありがとうございます。」

「感謝しているならその男爵家の騎士の男の体を持って街の騎士団に事情を話して男爵からお金を貰ってきてください。男爵も実家から犯罪者の騎士を出してしまったことを皆に言いふらされたく無いでしょうし。」

「、、、、感謝しているのですが何故貴方のような子供がこんなことをしているのですか?」

「悪が嫌いなんていう正義の味方のような理由ではなくお金という完全に私情です。」

「、、、そうですか。頼る人がいなかったら私を頼ってきてください。」

そう言って屈んで俺の手を取る。


「、、、人に期待しないと決めましたから。」

「、、、何故です?」

「期待すれば裏切られる可能性がある。だったら人に期待せず、すべて自分がやる方が確実ですから。行きましょう。」


俺は20歳前後の男の足を持って引きずりながら街に向かいユリシスは中年騎士をおぶってついてくる。

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