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下剋上転生  作者: 社不帝
ギアンの街 冒険者編
13/22

冒険者協会

「身分証は冒険者登録をすれば貰える。」

「冒険者って何をするんですか?」

可哀想な泣きそうなか弱そうな子供の演技は飽きたので素に戻る。


日本のラノベでは魔物を狩ったりして生計を立てている人達のことだったと思うけど、、

「う~~~ん、冒険者がすることは基本2種類かなー?」

「2種類ですか?」

「そう、2種類。魔獣や魔物を狩って生計を立てている冒険者と遺跡で異能の継承書を発掘してそれを売って生計を立てている冒険者とか。」

魔族の2人も異能が何とかだって言ってたな。


「異能って何なんですか?」

「俺もあんまりわかんないな、貴族様が独占してるって話で一般人で使えるのなんてそれこそ遺跡を発掘して当てた冒険者だけだろう。、、、、、ついたよ。冒険者協会支部。」

冒険者協会支部は周りの建物とは大きさが全然違い4階建てで最上階には冒険者協会の大きな鷹が書かれた旗が掲げられている。今も何十人という人が冒険者協会に入っていっていて活気がすごい。


「これあげるよ。」

そう言って渡されたのは銀貨1枚。

「え?、、、でも」

「ここは素直にもらうべきだよ、君一人なら意地張ってもいいけど背中の妹だろ。守るためには少し貪欲になれ。意地とかプライドとか捨ててな。」

俺はありがたく銀貨1枚を貰って冒険者協会に入る。


中は冒険者がいっぱい居て入って正面がカウンターになっていてその横に依頼の紙が貼ってあるボードがある。


左側には飲食店のようになっているのかビールを飲んでいる人達がいる。ビール以外にも焼き鳥のようなものやステーキのようなものを食べている人が居る。


(昼からビールって大人としてどうかと思う。冒険者って考えてみれば住所不定、職業不安定、危険度マックス。最悪の職業だ。)


右側には防具や武器などが置いてあって貸出ができるようになっているらしい。だが遠目に見ても剣には大きくヒビが入っていて今にも折れそうだし皮でできている胸当てはおおきな爪痕が深く刻まれていて血もついている。恐らく死んでしまった冒険者の遺留品の値段がつかないものを貸出としているんだろう。


隊長さんと3番のカウンターに行く。

「はい、次の方どうぞ。」

「城門守備隊長のモーラスだ。この子達はのダイス村から来た子達で保護の許可は領主様より出ている。だから身分証になる冒険者カードを作ってやって欲しい。」

「分かりました。」

「君達、あとは自分たちで頑張れ。俺が助けてやれるのはここまでだ。お金がなくて辛いときもあるだろうが必死に耐えろ。耐えて耐えて耐え抜けばなんとかなるはずだ。、、、、じゃあな。」

「ありがとうございました。」


「じゃあ、説明するわね。まず貴方達は冒険者カードを冒険者になるためにほしいの?それとも身分証のため?それとも商人になるため?」

「5人とも冒険者になるためで。」

「じゃあまずはこの木板に名前、出身地、年齢を書いといて。代筆でも構わないわ。」

そう言われ俺達は木片に書いていく。


アルテナート、ダイス村、5歳


ルーク、ダイス村、7歳


ディオナ、ダイス村、7歳


寝ているルシアとエンテは代筆で書く。ルシアに寝たままで居てもらう理由は目のオッドアイを知られたくないからだ。人攫いに見つからないようにしたいというのもそうだが先祖返りしている者は普通の人より力が強かったり目が良かったりするため冒険者協会からしても確保しておきたい人材なのだ。

だがルシアを俺達がお金がないからと言って強制的に冒険者になるというのは避けたい。自分でなりたいと言うならば別だが。だからルシアの目のオッドアイを隠せるコンタクトのようなものを買うまでは人前で目を見せないようにしたい。

(兄としての本音は可愛い妹に危険があるような仕事をしてほしくない。)


ルシア、ダイス村、1歳


エンテ、ダイス村、3歳


「はい、冒険者登録は完了です。それでは冒険者について説明させて貰うね。冒険者にはLEVELがあってレベル1からLEVEL7まであるの。初心者はLEVEL1でLEVEL7は世界に7人しか居ないの。そしてレベルが1から7まであると言っても冒険者協会での特典というかサポートのようなものを受けるにはLEVEL2からなの。LEVEL1だと身分証のために持っているだけの人もいるしね。冒険者協会のサポートは主に宿での宿泊代割引や防具店での割引や商店での割引になる。LEVELが高ければ高いほど割引の値段は増えるわ。


次に依頼ね。依頼は大体、匿名依頼、指名依頼、護衛依頼、緊急依頼、通常依頼って感じね。基本は通常依頼だからそれだけ気にしていればいいわ。通常依頼にはLEVELがあってそのLEVEL以上の人じゃないといけられないとかね。だからLEVELが高ければ高いほど報酬は高くなっていくわ。

これは魔獣や魔物を狩っている人達の事ね。


遺跡を探索する冒険者の人達は異能継承書を貴族に雇われて探索するか自分達だけで探索して後から欲しい人に自由な値段で売るっていうのが基本ね。遺跡に入るには最低レベル4必要だから今は関係ないと思っておいてくれていいわ。

質問は?」

「異能って何なんですか?」

「異能っていうのは説明のつかないような能力のことね。例えば7人しか居ない冒険者協会LEVEL7の1人、純白の貴公子:リードカイルが公表している異能は自分がカッコいいとお思う武器を自分で製造し自由に武器に特殊能力をつけられるというものだと言われているわ。まあ、自分だけしかその武器は扱えないらしいけど。」

「なるほど、、、、」


(異能があるだけで戦い方が無限に広がるな。トップクラスの剣の腕とトップクラスの異能を持っていると思われるガルフォンはやはり世界トップクラスだろう。だが修練なくして手に入れられる力にリスクはないのだろうか?)


「アル!!僕はなんでも斬れる剣を作る異能が欲しい!!」

「私は相手の気持を覗き見れる力が欲しいかな。」


「ふふっ皆さんもレベルが上がって遺跡に入れるようになったら探してみてください。では私からは以上です。冒険者として依頼を受けるなら左側にある貸し出し用の武器と防具を使ってがんばってくださいね。」


そう言われ俺達は冒険者協会を出て宿探しを始める。


「どこに泊まるの?なるべくきれいな所が良いわよね。」

「だな!!」

「だったら俺達が入ってきた南門の反対の北門で探そう。そこなら商店とか旅人が来るから宿の数も多いし質の種類も多いだろう。」


そう思って北門に行くとさっきの冒険者のような鎧を着た人は少なく身なりに気を使い馬車を引いている人達を多く見かける。旅人の人は全身を布で覆っている人が多く素顔を見られないようにと寒いところでも行けるようにだろう。

宿は探し始めて14軒目で条件に見合う所が見つかり子供だけでも可というところを発見した。


「宿にお泊りかい?」

「ああ、一泊どれくらいする?」

「一泊銅貨5枚だ。あ、一部屋な。あんた達5人いるけど部屋に持っていく夕食は一人前だし体拭きも1枚だけだ。それで良いなら構わんよ。」

「それで構わんよ。」


一泊銅貨5枚で今の所持金銀貨1枚では2泊しか泊まれない。

2階の部屋に入ると

一つのベットに一つの机があって部屋は比較的きれいで虫はいるが汚れなどはあまりない。

「ねえ、アルテナート。全員一緒に寝るのよね?」

「そりゃそうだろ。」

「あんたはまだ5歳のおこちゃまだから気にしないかもしれないけど一緒に寝るのは百歩譲っていいとしても下着とか洗うのにも恥ずかしいんだけど。」

ディオナがそう言うとルークが

「下着ってなんだ?恥ずかしい物なのか?」

と真面目な顔をして言う。

「はあ、もう良いわ。ベットはルシアちゃんが使うでいいわよね?」

「ああ、ありがとう。」


そうして俺達の街1日目は終わった。


次の日は朝7時くらいから動き始める。

ルシアとエンテはディオナに預けてルークと一緒に冒険者協会に行く。


依頼のボードでLEVEL1でも受けられる依頼を探す。


うちの犬、ポチッタを探してください。青銅貨5枚。

ヨソギ草、10本取ってきてください。青銅貨8枚。

家の掃除をしてください。青銅貨3枚。

ネズミ捕りをお願いします。銅貨1枚。

(どれも大変そうなのに報酬が、、、宿屋1泊分にもならない。)

と見ていると常時依頼で

ノーマルゴブリン、右耳を剥ぎ取って持ってきてくれれば1匹につき青銅貨5枚。

「ルーク、このノーマルゴブリン狩りがいいんじゃないか?」

「だな、だけど父さんがノーマルゴブリンの群れと戦うと初心者は死ぬ可能性があるって。」

「俺達は初心者か?どう考えてもダイス村の魔獣のほうが強かっただろ。違いは知能だろうがな。」


ノーマルゴブリン討伐の依頼を受け武器の貸出をしてもらう。


「これ!!かっけー!!」

そう言ってルークが借りようとしているのは騎士団の人が来ていたであろう全身鎧だ。損傷が激しく頭の兜は凹んでいて胸の部分は丸く切り取られていて血が付着している。

「ルーク、それ着て動けるのか?ここでそういう不良品を掴むと死ぬぞ。これはある意味俺達は篩いにかけられているんだよ。武器や防具を見る目がなく不良品を選んでしまったり全身鎧のような力量に合わない物を選んでしまうかとかな。ほら見ろこの2つ。」


そう言って手に持ったのは普通の鉄の剣と多少高価な銀の剣。鉄の剣はヒビが入っておらず新品と言っても遜色ないが銀の剣は柄の根本に大きなヒビが入っていて硬い岩を一回ぶつけただけでも折れそうだ。


「なるほどねえー。」

「俺達には父様達から貰った刀があるし胸当てだけでいいだろ。この2つが良いかな。」

そう言って手に持ったのは皮で出きた胸当てで若干薄いが傷や痛み、劣化もあまり無さそうだ。

「分かった。本当は全身鎧とか来てみたかったんだけどなー。」

「騎士団に入って着ればいいよ。」


俺達は胸当てとナイフを借りて東門から出てベッカ平原へと行く。

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