24.ボク は だれだ? 【フー・アム・アイ】
ここは、どこだ?
気づけば、何も無い殺風景な部屋の中いた。
ー やっと 話ができるな 異世界から来た 人間 ー
視界に、黒色の文字が見えた。
誰だ? 誰かいるのか?
ー 誰かって? ボクは 君だよ ー
え?
ー 正しくは 君という人格が できる前の人格だよ ー
それは……つまり。
ここは、僕の中?
ー そう ここは ボク達の身体と精神の中だ ー
……得体のしれない自分が蘇ろうとしているって事?
ー 失礼な奴だな 元々はボクの身体なのに 大変不愉快だ ー
顔の見えない誰かが、目の前に現れた。
ー 気づけば ボクが本能で 君が理性 みたいな 扱いだ 嫌になる ー
現れた誰か。
声は聞こえず、黒い文字だけでこちらに訴えて来る。
なぜ、今になって君と話せるようになったんだい?
ー それは多分 さっきサキュが唱えた魔法の影響で ボクの意識が強くなったからだろうね ー
さっきの魔法……。アレはいったい?
ー 悪魔にしか効かない能力向上魔法 君の世界で言うバフ みたいなやつさ ー
悪魔にしか効かない……という事は、やはり……。
ー そう ボクが悪魔だったからだ そして今更だが 君の強さの大半が ボクのお陰なのさ 勘違いするなよ? ー
……。
ー 元々、前世で喧嘩もしたことない君が 強い力を持っているなんて 可笑しいと思わなかったか? ー
……確かに、それは転生した時に思った。
ただ、一応これでも、ユーサとして生まれ変わってからは。
体を鍛えたり、戦い方を勉強したり、自分なりに努力して。
自分で言うのもなんだけど。
都市の中でも五本の指に入る実力者になったつもりではいるよ?
ー 甘い 甘い ボクからしてみれば 力の使い方がまだまだ未熟だ ー
ム!? ……そうなの?
ー あぁ だからさぁ 一時的 かもしれないけど ー
ん?
ー 返してもらうよ ー
!? ダメだ!! 何をする気だ!!!?
ー 心配するな この手で終わらせてやるから ー
何を……終わらせる気だ!?
ー できる事なら 一番は 君 だけどね アッハッハッハッハッハ!!! ー
待て!! 待ってくれ!!! 何をする気だ!!!!?
気づけば、顔の見えない誰かはいなくなり。
相手の文字が見えなくなり、唐突に睡魔が襲ってきた。
理性が、本能に踏みつぶされそうになるような感覚。
あぁ……。
誰か……。
ボクを……。
(・∀・){今回は長くしてもしょうがないので短めに。




