試験前夜妄想日記
ふと俺は目を覚ました。まるで夢から覚めるように。
目が覚め、初めに視界に入ったものは知らない天井だった。
「ここは…?」
俺は1人静かにつぶやいた。何が起きているのか全く分からない。とうとう異世界にでも転生してしまったのだろうか?
記憶を遡る。
俺はさっきまで机に向かっていたはずだ。なのにどうしてこんなベッドの上で寝ているんだ?
俺はベッドから起き上がり周りを見渡す。
見渡す限り白い壁、俺が寝ていたベッドが部屋の隅っこに1台あるだけ。
しかも、窓から日差しが射し込んでいる。
「おかしいな…」
またしても俺は1人静かにつぶやいた。
たしか、最後の記憶は深夜の3時頃。熱力学が想像以上に難しく参っていたところだったはずだ。
そして、その後に…
――ズキッ!
突如、頭が痛くなってきた。それと同時に猛烈な眠気が俺を襲う。
考える事もままならない程の怠さ。
クソッ!
猛烈な怠さにこの状況。俺はこのダブルパンチで既に混乱し切っていた。考えようとするだけでさらに頭痛が酷くなる。
「痛ってえ…」
頭を抱えながら、ヨロヨロとベッドに戻り横になる。
何が何だか全くわけが分からない。しかし、悪い夢を見ているような中でも、俺はやるべきことを無意識に理解していた。
「勉強しなきゃな…」
俺はそう思いながら、また布団を被って夢の中へと落ちていった。