1.マリウス伯爵家
初めての作品投稿で不慣れだと思いますが、よろしくお願いいたします!
ゴスッ
「この、役立たず」
ゴスッ
「屋敷に置いてあげてるんだから、掃除くらいまともにやりなさいよ」
また今日も殴られた。
毎日、毎日、継母は呼吸をするように私に暴力を振るう。
ゴスッ
「ちょっと、アンタ話聞いてるの?」
聞いても、聞かなくても、同じだ。どうせ殴ってくる。
「あら、そういえば、喉が潰れて話せないのでしたね」
ドンッ
「うわっ、急に倒れないでよ。めんどくさいじゃない。誰か、これ片付けておいて」
...やっと今日が終わる。
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私はリーナ・マリウス。
これでも家は伯爵家、私は伯爵令嬢。
私はこの家で酷い扱いを受けて過ごしている。
私が2歳の時、お母様が亡くなられ、あの継母サルエラがやってきて私は毎日が最悪になった。
12年前、いきなり屋敷にきて
「あの女が死んだとお聞きいたしました。私を後妻にしたくださいませ♡」
普通なら、いや普通でなくても最低で失礼極まりない言葉に屋敷中凍り付いた。
お父様が超絶美形で女性から人気があったのは知っていたが、サルエラにまで好かれているとは...
そのあと色々と揉めたが、サルエラの実家は侯爵家、比べてうちは伯爵家。
少しの話し合いと圧力で、あの女はうちの後妻になった。
それから屋敷は変わった。継母が気に入らない使用人は即解雇、ドレスに宝石の散財三昧。
私は最初、煙たがられるだけだったのに、いつからか嫌味や嫌がらせをしてくるようになり、跡継ぎの義弟を産んでからは私に暴力をふるい、使用人よりこき使うようになった。
お父様は忙しくて会う時間が少なかったが、ここ数年は屋敷に帰って来なくなった。
使用人たちは継母と一緒に嫌がらせしてくるか、解雇されるのを恐れて基本的に近づいてこないかのどちらかだ。
ドタドタドタッ
「リ、リーナお嬢様、大丈夫ですか!?すぐにキズの手当てを致しますっ」
「いつもお嬢様をお守り出来ず申し訳ございません」
でも、私のことを助けてくれる使用人もいる。
今、私の手当てをしてくれているのはメイドのサラ、謝ってくれているのは執事のゼン。
いつも忙しいのにご飯を運んでくれたり、勉強を教えてくれたり、お世話をしてくれるとても優しい人達だ。
いつもありがとう。
いつもごめんね。
あの女に喉を潰されていなければ、伝えられるのに...
お読みいただき、ありがとうございます!!
継母の印象がだいぶ強いですね...
次回は世界観やリーナの能力について書きたいです。