第3話 まだまだ支出は山のように膨れ上がる
さて前回で、年50万円という支出が分かったが、これはあくまでも『租税公課と法定福利費』
そう。生きるために必要な費用ではなく、そこに存在するだけで発生する金額なのだ。
前回の終わりに、ちょっと興味を引きそうな『実はちろっと対策しとるんやで』的なことを書いたが、それを記す前に、まずはアーリーリタイア後の社会保障費や税金の他に必要になる金額を洗い出しておこう。
さて、税金以外に生きていく為に必要になるお金と言えば生活費。一口に生活費と言っても、その内訳は多岐に渡り複雑だ。
複雑なのは嫌なので簡単に生活費を構成していると思われる内訳を大まかに分けて記載してみると以下のように分けられる。
・食費
・家賃
・水道光熱費
・衣服費
・交通費
・娯楽費
・交際費
・慶弔費
・雑費
とりあえず上記のような費用内訳が思い浮かんだ。
その他、仕送りなどがあったりする場合もあるだろうが、まずはそれらを抜きにして、1日3食たべて、しっかりと健康的に過ごす事を前提に、それぞれの毎月の費用をなんとなく算出してみよう。
詳細を記しながら金額を並べると読みにくくなるので、まずはそれぞれ金額のみを記入して、その根拠は後述する。
・食費:30,000円
・家賃:40,000円
・水道光熱費:12,000円
・通信費:8,000円
・衣服費:5,000円
・交通費:4,000円
・娯楽費:5,000円
・交際費:5,000円
・慶弔費:5,000円
・雑費:5,000円
合計:119,000円
食費は自炊を基本にして考えているので1週間に1回、買いだしに行き約6,000円分食材を買うと考える。これくらいの金額をかければ、そこそこに調味料にも凝った生活ができるように思う。
家賃については『引き』の話にも関係するので後にも出てくるが、まぁ年で48万円ほど見ておけば問題ない。
水道光熱費は一般的な一人暮らしだと1万円という感じらしいけれど、冬場になると灯油代が嵩むので、その分の加算を見込む必要があるだろう。
通信費が少しかかり過ぎな感じがするけれど現代においてインターネットが無い生活は考えられないし、携帯も格安プランでもそこそこする。うまくやってこれくらいに収まる。という感じだろう。
衣服費は、かなり節約しているが、やはり消耗品だけに発生を見込んでおく必要がある。
交通費は低燃費車種のガソリン代なので毎日適当に乗っても遠出しなければこんなもの。
娯楽費、交際費は、遊んだり、ちょっと買い物したり、飲んだり、アマゾンプライムだったり等々。一番節約しやすい部分だが、併せて1万円くらいは余裕を持っておきたい。
慶弔費は、結婚式や葬式など、毎月積み立てして年6万くらいの余裕を見ておけば、いざという時に困らない。
雑費は、その他ペットなりにかかるお金。
ざっとした試算の結果、毎月、生活費として約12万円程必要になると見込んでおく方が良いだろう。
つまり税金と合わせると、毎月17万円が楽しく生きる為に最低限必要なお金という事になる。
ふむ。
アーリーリタイア。ヤバイな。
働かずして17万円の収入がないとやっていけないことになる。年にすると204万円だ。
おっと、この金額になると、税金が上がる可能性がマシマシで更にヤバイ。
もし働いている時に貯めた貯金だけでやり過ごすとした場合、
1年、204万円
5年、1,020万円
10年、2,040万円
20年、4,080万円
30年、6,120万円
40年、8,160万円
これくらいの貯金が無いと、完全無職で過ごすことは不可能ということになる。
おぉっと……具体的な金額にすると、益々もってなかなかのハードルの高さを実感できてしまうな。
この貯金額を実現するのは、なかなかの難しさがある。
だが救いとしては、これが完全に『無収入で過ごす』場合の金額であるということ。
要は収入を作れば良い。
働きたくないでござる! が優先されるのであれば、働かなくても入る収入を作ればよいだけのこと。
つまり『不労所得』だ。
多くの人は『不労所得』と聞いて『怪しい』が勝つ。もちろん私もそうだ。
ネットで情報が溢れる昨今、情報商材といった怪しげな不労所得を謳う物が次々と出てきては消える。
私は、情報商材で不労所得なんてのは、まずもってあり得ないと考えている。
なぜなら情報一つでお金が入ってくるのなら、その利権を失わない為に、誰にも教えないからだ。
『あなただけに……』なんていうのは、絶対に対価を請求される。ただの商売だ。
むしろ持っている情報ではお金が貯まらないので、貯まると思わせて売ってお金を儲けます。と自分から宣言しているのだから、それを買うような人はいないと信じたい。
……いないよね?
こんな事を真っ先に思いついてしまう不労所得という言葉。
この不労所得は、別に怪しい物だけではなくまっとうな方法がいくつもある。
例えば株や為替。
株式投資や外貨取引など、いわゆるマネーゲームと呼ばれる物で不労所得を生み出す人もいる。
だが、コレも私は懐疑的に見ている。
どのあたりを否定的に見ているのかといえば『元本保証』がない取引が多い事だ。
例えば1,000万円を原資として取引を始めたとする。
取引がうまくいった時、2,000万円になって返ってくるかもしれない。
(厳密にいえば税金が引かれるから1,500万円くらいになるのだろうけれど)
だが、取引に失敗すると100万円になるかもしれない。
もちろんそんなギャンブルじみた取引ではなく、安定した取引で1,000万円の原資を守ろうと考えるだろうけれど、リーマンショックなど、世界的なショックが起きた時、その原資は必ず守られると言いきれるだろうか?
「極論過ぎる」と言われるかもしれないが、全てを失う可能性がゼロではないはずだ。
やはりそんな取引よりも、元本保証があるような取引で収入を得る方が望ましい。
さて、では元本保証投資についてだが、実は皆やっていたりする。
銀行貯金を思い出してほしい。
『受取利子』
数円の預金の追加と共に、この言葉を見たことがあるはずだ。
これぞ、元本保証投資。
その他、国債、地方債なんかも元本保証。
あと、生命保険でも、ウン十年かけ続けると、元本以上になって返ってくるタイプがあるので、これも元本保証型の投資と言えるだろう。
だが、この元本保証の投資も問題はある。
利益が超絶少ない。
利益が出るまで時間がかかる。
などだ。
銀行の利息なんて小数点以下の利率がほとんど。0.01%とかもザラにある。
1,000万円を預けても、年1,000円。税金が引かれれば1,000円にもならない。
この金額では、とてもじゃないけれど、不労所得と呼ぶのも烏滸がましいと感じてしまう。
さて、ここでようやく私が講じてきた対策の紹介になるのだが、私が何をしてきたか。
序破急で結論から述べるが
『不動産』
だ。
これもノーリスクではないが、きちんと調べればギャンブル性は低くなる。そして何より不動産は。不動で産むと書くだけに、本当に不動で産む。
きちんとうまくやれば不動が如く生み続けるのだ。収入を。