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第1回 我思う……いいなぁ!


11月になり、2020年という0の区切りがどんどん近づいてきて思うようになった。



『今、私はなんの為に生きているのだろう』と。



当方、いい年だが独身。

そしてこの『いい年』というのと『独身』という自由さ、責任の無さが色々と考えさせてくれてしまう。


私も当初はがむしゃらに働き仕事に情熱もあった。

だが仕事もウン年も働く内に『よーしサボって小説書くぞー』な毎日へと変わってしまっている。朝一に会社に出て掃除もするが、そこに張り合いはない。


当然これは私の心の在り方に問題がある。

不完全燃焼な環境であれば、完全燃焼できる環境に作り替えれば良いだけのこと。それをしないのが悪い。


でもする気は起きない。

なぜならば思うからだ。



その先に何がある?



仕事に情熱を燃やし、完全燃焼できるような充実を取り戻す。

その結果として仕事が認められて地位が向上し、給料が上がることもあるだろう。


だが、それだけだ。


心も充実するかもしれない。だが、もしかすると心は疲弊するかもしれない。いや疲れるだろう。それに発生した責任の重圧に苦しむかもしれない。

責任は重く心にのしかかる。寝ても覚めても責任は頭から離れない。心を乱す。

そして心の不調は身体の不調に直結してしまう。


心と身体を壊すかもしれないことに情熱を燃やして、その先に何が得られるだろうか。

得られるのは地位と金、そして自己満足と考えると、なんだか少し寂しくなる。



そんな時に頭を過る『アーリーリタイア』


よく聞くアーリーリタイアという言葉。

定年を迎える前に仕事から身を引き、自分のしたいことだけをして自由に生きる。

労働に美徳を見出す古式ゆかしい日本人の感覚としては眉を顰めたくなる気もしないでもないが……最近はこの言葉に興味が惹かれてならない。


私は海外の人達と話をすることも度々あり意見交換したことがあるのだが、彼らは奔放なイメージと違って結構堅実だ。

しっかり働いて、しっかり稼ぎ、そしてしっかり遊ぶ。それの使い分けが上手なだけ。休みの使い方が上手というか、休みを楽しむ環境で育ち、社会がそれを推奨しているというのもあるのだろう。

そんな彼らと話すと、なぜ自分は思い切って休みを取らず、しっかり遊ばないのだろうかと。少し泣きたくなる。だが、思い切りよくもなれない。


私の思い切りの無さを日本の環境のせいにはできる。

だが、結局は自分が悪いと言うブーメランになって返ってくることが目に見えている。


環境は環境でしかない。動くのはいつだって自分自身だ。

どこまで行っても、自分の行いは自分が決められるし、目の前に広がるメリットやデメリットの中から道を選ぶのは自分だけなのだ。

現に『今の生活を続ける』という選択肢を取り続けているから今の私がある。そしてその結果としてこういう思考になった。

選択肢はいつでもあったのだ。いつでもアーリーリタイアを選ぶことは出来るのだ。


だが…リアルにアーリーリタイアを考えてみると、そのハードルは高い。

なにせ日本では『就職』のハードルが高い。『いい年』であれば尚のこと現状の職を手放すのは怖いし、もしアーリーリタイアに失敗して現状に戻りたいと考えた時に再就職できるか不安になってしまう。


ただ、そのハードルも見方を変えると非常にシンプルに見えてくる。


そもそも、私たちが働くのは『金』を得る為だけ。

単純に考えれば考える程、仕事をして働くのは、生きがいとか特殊なケースを除いて『金』の為に働くのだ。


なにせ生きる為には金が必要。

楽しく生きる為には、もっと多くの金が必要になる。

その金を稼ぐ為に我々は働いているのだ。


だが、よくよく考えてみると必要以上に金を欲している気がしてならない。


我々、日本人は外国人と比べて『恐怖遺伝子』を持っていると聞く。現状の不安、将来的な不安、様々な不安の対抗策として貯金が必要になる。私も貯金は大好きで、しっかり貯金している。日本人は怖がりだからこそ世界で有数の貯金大好きな人種になっているのだと思う。


自分もその恐怖遺伝子をしっかり持っていると認識し『不安に感じすぎ』と考えてみると、アーリーリタイアとは、単純に『無収入という不安』との闘いなのだと理解できる。

つまり収入に不安が無ければ、さっさとアーリーリタイアすれば良いのだ。

言葉を変えれば、収入の不安さえ消せばアーリーリタイアできる!


……というか、だ。


自分が何歳まで生きられる自信を持っているのか? という疑問も浮かぶ。

将来の不安を嘆き、その盾を得るために働いているが、そもそも明日死ぬ可能性がある。10年後に死んでいる可能性は明日死ぬ可能性よりもっと高い。


そんななのに30年先、40年先を不安視しすぎて一番動ける時期を、ただ怯えて過ごすのはもったいないのではないだろうか。


私はお金に苦労したことは何度かある。

お金がないのは地獄だ。

お金の大切さは骨身にしみている。


だが『生きてりゃ丸儲け』精神を発揮すれば、意外とどうとでもなることは多い。

生きてさえいれば、どうとでもなる。




……というような感じに思考は行きつきはじめ、なんとなく『どうとでもなりそう』『どうとでもできそう』と感じている心がヤバイ。

最近。この心が暴れて、やっちゃえやっちゃえ! と、心を乱してくるのです。


なんかアーリーリタイアに向けて動こうかしら? と悩み始めた人のエッセイ。

多分ぼちぼちアーリーリタイアできるように動くと思ったので、その記録にエッセイ書いてみた。

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