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プロローグ:時空魔法「ワールドクロック」

2058年、世界は魔法に支配されている。


どうしてこうなった?







2032年、この世に革新的な技術が発表された。


「魔法」


である、最初はすべての人が驚き、呆れ、妄言の類だと思われていた。


現に私も、「紙の中身を見た後、時間移動で過去へ戻り紙の中身を言い当てるショー」などを実演されたとき、主催と観客がグルになっているのだろう、と思った。



しかしその研究機関は1週間でその当時最高戦力を持っていた国の全権限を支配下に置いてみせた。


それは今まで人類が積み上げてきた科学技術を蹴散らし、圧倒していった。



科学よりも圧倒的に強力な魔法、それにも欠点があった。


それは化学兵器が'電力'や燃料を必要とするように、


魔法には'血液'が必要だった。



そのため支配された国をどんどん焼き尽くし、血液を渡さないように応戦していったが


健闘むなしく、どんどん世界は魔法により支配されていった。



現在、世界のすべての国は「カヴン」に管理されている。


世界は一時、血液を渡さないための焼討作戦でほとんど灰と化していた。


だか、ほとんど燃え尽きていた世界の痕跡は全くなく、実際に見なければそんなこと思いもしないほど豊かな自然が眼前に広がる。


約10年でここまで復興させるとは魔法の力は恐ろしい、そして万能だ。


世界は今や科学の産物は全く見当たらず、だからと言って魔法の産物さえも見当たらず、何世紀か前の農工具を使って生活している。


科学や魔法と言った類はすべてカヴンが独占し、


代わりに彼らの支部はそれらの技術を使い、謎の力で空をに浮かび上がる都市に住み、生えるビルは星々まで届きそうな高さがある。


田畑と、少しばかりの建物と、自然ばかりの地に、


ぽつぽつと明らかに技術レベルが違いそうな都市が見えるのは、ミスマッチもいいところだ。




さらに私達は倫理点なるものを配布され、行動、思考に至るまで支配されている。


現在の世界に敵意をもつもの、犯罪を犯したもの達は倫理点が減少して一定以下になったものはに連行され、魔法の燃料にされているらしい。



私は産まれてこのかた62年になる。


つまり前の世界を見てきたものなのである。


前の世界を見てきたものほどカヴンに敵意を持つものが多く、多くは連行されてしまった。


今では前の世界を知るものなど私くらいのものである。



いや、こんなことを考えていては倫理点が下がる、



思考をそらし、前を向く。



そしてしばし農道を歩いていると、どこからか悲鳴が聞こえた。


後ろを振り返ると2人組に憲兵が殺されていた、憲兵などを殺したらカヴンが黙っていないだろう。


すぐさま彼らも連行されていくだろう。



それに憲兵も憲兵だ。憲兵は全員魔道具を持っている、


それなのに殺されてしまうなど...


いやこれ以上は倫理点が下がるのでやめておこう。今日これ以上倫理点が下がるのはまずい。




そして憲兵のポケットからステッキが落ちる、


あのステッキの先についてる時計は?まさか?いや、間違いない、あれは、



あの時、まだ世界が平和だったころに見た、時間を移動できる魔道具だ。



気づいたら、憲兵の死体のもとへ走っていた、二人組が拾おうとしていたステッキを強奪し、そのまま走り出した。


ステッキの強奪は大きく倫理点が下がる。これで私はこのニ人組にもカヴンにも追われる身である。


年寄りに全力疾走はつらいが、火事場の馬鹿力と言うやつだろうか、ニ人組に追いつかれそうな気配はない。





家(と言っても小屋に近いが)につくと私はすぐさま扉を閉め、閂をおろす。


カヴンの魔法使いには何の役にも立たないが魔法使いではない二人組の足止めくらいにはなるだろう。



息を整えながらまじまじとそのステッキを見る。


根元の容器に血液がためられており、それが揺れている。


それも魔法の力で圧縮されいるため、手のひらで覆いつくせそうな大きさの容器でも実際は人1人分の血液どころではないのだろう。



いやそんなことを考えてる暇はない、過去へ飛ぶのだ。


この糞みたいな世界を変えてやる。



うろ覚えだが魔法使いたちはみな、ステッキを振り下ろし魔法を使っていたので、


私もそれに従い、ステッキを振り下ろす。



その瞬間視界が真っ白になり今までの記憶が頭に無理やり流れ込んでくる。


昔、世界が支配される前、幸せだった自分。


その記憶が流れ込んだ時、彼の姿は急に消えた。




遠くに聞こえるのは、今では聞くことのできぬ、信号の音響装置や車、人々の声がぐちゃぐちゃに混ざりあった都市の喧騒である。


はっと声を上げると、視界に目覚まし時計が入った。








2013:11:9 9:30 土   


そう、私は過去に飛んだのだ。

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